2015年1月

【中央環境審議会大気・騒音振動部会】水銀大気排出対策小委員会(第8回)報告
(2015/1/22更新)

水俣条約締結への動き進む

 平成27年1月19日に水銀大気排出対策小委員会(第8回)が行われた。本小委員会では、水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策についての答申案の検討が主な議題となった。

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 1.水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)
 2.その他
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1.水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)

  水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)のパブリックコメントの結果について議論が行われた。一部の意見と回答案の概要は次のとおり。

  • ライフサイクル全過程での水銀排出ゼロを目指した制度とすべき→総合的な制度とするため、複数の部会で検討している
  • 排出抑制策を明確に→対象施設の設置届出、排出基準遵守、測定義務、違反時の命令などの規制が必要と考える
  • 現行の大気汚染防止法のばい煙発生施設に係る排出基準との整合は→ばい煙排出規制制度は水銀に着目したものではないため、これらの枠組みとは別に新たな規制制度を設ける必要があると考える
  • 上乗せ基準の設定は避けるべき→我が国全体の水銀排出量の削減のための規制であるため、ばい煙規制のように上乗せ基準の設定を積極的に認める必要性は乏しいが、地方自治法に基づく条例の制定権を制限することはできないと考える

※ 水俣条約:水銀が人の健康や環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める条約。2010年から開始された政府間交渉を経て、2013年1月の最終交渉で「水銀に関する水俣条約」という名称及び条約案に合意。

また委員からは、BAT(利用可能な最良の技術)を十分に考慮した規制にすべき、インベントリーは排出だけでなく沈着までを視野に入れて策定すべき、日本の水銀条約への取組を積極的にアジアに発信したいなどの意見が出された。

【今後の予定】
①条約の締結に向け、平成27年中に所要の法整備(公布)を予定
②政省令等で定める必要がある事項は、来年度以降早期に実施する予定の水銀の排出に係る実態調査の結果を踏まえ、検討を進める予定
③国連環境計画(UNEP)によれば、条約発効は2016~2017年頃の見込み

2.その他

 特記事項なし


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