2016年8月

【パブリックコメント】亜鉛含有量並びにカドミウム及びその化合物に係る暫定排水基準の見直し案について(2016/8/4)

 “亜鉛含有量”並びに“カドミウム及びその化合物”に設定されている暫定排水基準が、それぞれ12月10日、11月30日で適用期限を迎えるため、新たな基準値について見直し案が作成されている。
 金属鉱業、電気めっき業、溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)、下水道業が今回の見直しの対象となっているが、いずれの基準値も据え置きとなっており、一般基準への移行、暫定基準値の強化はない。
 9月2日(金)まで、意見の募集を実施している。

〔環境省報道発表〕「亜鉛含有量並びにカドミウム及びその化合物に係る暫定排水基準の見直し案について」に対する意見の募集(パブリックコメント)について


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【中環審/循環型社会部会】廃棄物処理制度専門委員会(第4回)
(2016/8/2)

 本年度は、廃棄物処理法の見直し年度にあたり、5月より現行法規の課題点などが、中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会で審議されてきた。
 これまでの委員会では、地方行政や事業者団体からのヒアリングを行い、年始に発覚した食品廃棄物の横流し問題など多くの課題・論点がこれまでに挙げられている。先日(8/2)実施された第4回委員会では、その論点整理が行われ、今後、年内を目途に、改正の方向性まとめた報告書が作成される予定となっている。
 結構なボリュームとなるが、委員会にて今後検討すべき論点として挙げられた項目の全文を掲載する。
 

II.廃棄物処理政策において今後検討すべき論点※第4回委員会 資料3より抜粋

 廃棄物処理政策においては、廃棄物の適正処理を更に徹底し、不適正処理の撲滅を図ることにより、生活環境の保全・公衆衛生の向上を図ることが重要な課題である。
 同時に、循環型社会の形成に向け、より一層の廃棄物の排出抑制(リデュース・リユース)、再生利用(リサイクル)等を進め、3Rが促進される社会システムを構築していくことが重要である。こうした観点から、今後検討すべき課題・論点は以下のとおり整理される。
 ※斜体の(括弧書き)部に、当該項目について御意見をいただいた委員、団体名を記載

1.廃棄物の適正処理の更なる推進

累次に渡る廃棄物処理法の改正により、不適正処理対策の充実が図られてきたところであるが、引き続き不適正処理事案が発生していることを踏まえ、廃棄物の適正処理の更なる推進のために必要な対応について検討を行う必要がある。
(1)廃棄物の不適正な取扱いの未然防止策の強化
ア 産業廃棄物の処理状況の透明性の向上
排出事業者責任を踏まえ、不適正処理の未然防止の観点から、産業廃棄物処理業者が情報提供等により処理状況をより透明化し、排出事業者が当該情報を確認することとする等、排出事業者による処理状況の確認をより充実させるために必要な措置を検討するべきではないか。(日本建設業連合会)

イ マニフェストの活用
電子マニフェストによる不正防止のためのシステムの導入等、マニフェスト制度の適切な運用を徹底するために必要な措置を検討するべきではないか。
廃棄物処理システムの透明化に資する電子マニフェストについて、そのシステムの改善及び一部義務化も含む一層の普及拡大のために必要な措置を検討するべきではないか。
(愛知県、全国産業廃棄物連合会、日本経済団体連合会)

ウ 廃棄物を排出する事業者の責任の徹底
排出事業者の責任において主体的に行うべき適正な処理業者の選定や処理料金の確認・支払い等の根幹的業務が自治体の規制権限の及ばない第三者に委ねられることにより、排出事業者としての意識が希薄化すること等が懸念されており、これらの問題等について自治体や事業者に周知徹底すべきではないか。
排出事業者の責任を徹底する観点から、その内容をはじめ、廃棄物処理に関する法的知識等を事業者等に周知するために必要な対応を検討するべきではないか。
廃棄物の適正処理を確保するために、排出事業者の廃棄物処理業者に対する不当に低い処理費での委託を防ぐ等の必要な対応を検討するべきではないか。
(愛知県、全国産業廃棄物連合会、全国清掃事業連合会、全国都市清掃会議、辰巳委員、日本建設業連合会)

(2)廃棄物の不適正な取扱いに対する対応の強化
廃棄物処理業許可を取り消された者についても改善命令の対象とする等、廃棄物処理業許可を取り消された者に係る廃棄物の適正な処理の確保のために必要な措置を検討するべきではないか。
(愛知県)

(3)廃棄物処理における有害物質管理の在り方
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の規制対象物質等をはじめとする有害物質を含む廃棄物の処理の在り方について、廃棄物データシート(WDS)の発行の委託基準化や、処理基準及び特別管理廃棄物の指定対象の見直しを含めて検討するべきではないか。(全国産業廃棄物連合会、中杉委員)

(4)その他
市町村において処理が困難な廃棄物や建築物の解体時における残置物等について、製造事業者等による協力や関係事業者等との連携を図りつつ、市町村の処理責任のもとで適正・円滑な処理を確保するための必要な対応を検討すべきではないか。
生活環境保全上の支障を防止し、廃棄物の適正な処理を推進する観点から、廃棄物処理施設設置許可を必要とする施設の範囲について検討するべきではないか。
(大塚委員長、全国産業廃棄物連合会、全国清掃事業連合会、全国都市清掃会議、田崎委員、日本環境保全協会、日本建設業連合会)

2.健全な資源循環の推進

G7富山環境大臣会合において資源効率性の向上が国際合意されるなど、国内外での資源循環・3Rを更に推進することが求められており、その際には、適正かつ健全な形で資源循環が行われることが重要である。また、優良な循環産業を更に育成していくことも重要であり、こうした課題への対応を検討する必要がある。

(1)廃棄物等の越境移動の適正化に向けた取組
ア バーゼル法との「すきま」の解消
使用済電気電子機器をはじめ、有害特性を有する使用済物品の国内管理については、明確に廃棄物であると断定できる場合を除いては、廃棄物処理法と特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108号。以下「バーゼル法」という。)との「すきま」となっており、いわゆる不用品回収業者による回収やスクラップヤードにおける不適正な取扱いに対する取締りの実効性が確保できておらず、また、それらの輸出を通じて海外でも環境汚染を生じさせているおそれがあることから、そのような使用済物品の性状に応じて、その管理を適正化するための仕組みの在り方を検討することを通じて、「すきま」を解消すべきではないか。
(東京都、廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会)

イ バーゼル法との二重手続の改善等
事業者負担を軽減するため、輸出に際して廃棄物処理法に基づく手続の要否を迅速に判断することができるようにするとともに、廃棄物処理法に基づく輸出確認とバーゼル法に基づく輸出確認との間で重複が生じていることを踏まえ、両法に基づく審査内容及び手続の重複を見直すことなどによって輸出手続の迅速化を図るべきではないか。
(廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会)

(2)優良な循環産業の更なる育成
ア 優良産廃処理業者認定制度の見直し
現行の優良産廃処理業者認定制度について、廃棄物処理法の目的に留意しつつ、信頼性の向上や産業廃棄物処理事業者全体の底上げを図る観点から見直しを行うべきではないか。それに合わせて優良産廃処理業者認定制度を受けた事業者が排出事業者により選択されるようにするための措置について検討を行うべきではないか。
(新熊委員、全国産業廃棄物連合会、東京都、日本経済団体連合会)

イ 廃棄物処理に関する優良な人材の育成
廃棄物処理に関する優良な人材育成に向けた取組をより推進するために必要な措置について対応を行うべきではないか。(全国産業廃棄物連合会)

ウ 廃棄物処理業者の取引条件の改善
排出事業者の責任において主体的に行うべき適正な処理業者の選定や処理料金の確認・支払い等の根幹的業務が自治体の規制権限の及ばない第三者に委ねられることにより、排出事業者としての意識が希薄化すること等が懸念されており、これらの問題等について自治体や事業者に周知徹底すべきではないか。(再掲)
廃棄物の適正処理を確保するために、排出事業者の廃棄物処理業者に対する不当に低い処理費での委託を防ぐ等の必要な対応を検討するべきではないか。(再掲)

(3)廃棄物等の健全な再生利用・排出抑制等の推進に向けた取組
使用済電気電子機器をはじめ、有害特性を有する使用済物品が、いわゆる不用品回収業者により回収された上、スクラップヤードにおいて不適正に取り扱われることにより、人の健康又は生活環境に係る影響が生ずるとともに、適正なリサイクルが空洞化するおそれがあることから、そのような使用済物品の性状に応じて、その管理を適正化するための仕組みの在り方を検討すべきではないか。
廃棄物の再生利用等を推進するため、個別の物ごとに、現行の再生利用指定制度、再生利用認定制度及び広域認定制度等の活用も含め、必要な方策の検討を行うべきではないか。
このほか、資源効率性の向上を図るため、廃棄物の排出抑制、再生利用等による減量化を一層推進するために必要な方策の検討を行うべきではないか。
(新熊委員、全国産業廃棄物連合会、田崎委員、東京都、日本建設業連合会、廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会)

3.その他

(1)廃棄物処理分野における地球温暖化対策の強化
地球温暖化対策の取組全般との連携も視野に入れつつ、地球温暖化対策に資する廃棄物のリサイクルや廃棄物処理施設における熱利用、廃棄物発電の導入・高度化を更に推進するための方策について検討を行うべきではないか。
(東京都)

(2)廃棄物処理法に基づく各種規制措置等の見直し
企業経営の効率化の観点から行われる分社化等により、これまで行ってきた「自ら処理」ができなくなっていること等を踏まえ、「自ら処理」を行う親子会社間における排出事業者責任の共有及び「自ら処理」を行う親子会社内外の廃棄物について明確化できるかの検討も含め、必要な方策の検討を行うべきではないか。
電子申請の活用や許可申請書類の様式の統一を始めとして、許可申請等の負担軽減や合理化について検討を行うべきではないか。
経営の大規模化等により産業廃棄物処理業者の資本構成等が複雑化している等の状況の変化を踏まえつつ、実態の把握を行い、廃棄物処理法に従った適正な業の遂行を期待し得ない者の排除及び廃棄物の適正処理の確保を当然の前提とした上で、産業廃棄物処理業者に係る欠格要件の見直しについて検討すべきではないか。
(全国産業廃棄物連合会、田崎委員、日本経済団体連合会、日本建設業連合会)

(3)地方公共団体の運用
廃棄物の効率的な処理の推進及び廃棄物処理施設の確保という観点から、地方公共団体による流入規制や実質的な住民同意の要求を改善するために必要な対応について検討を行うべきではないか。
廃棄物の品目に係る判断等、廃棄物処理法の運用が地方公共団体ごとに異なる
現状を改善するために必要な対応について検討を行うべきではないか。
(全国産業廃棄物連合会、日本経済団体連合会)

〔環境省報道発表 H28.7.22〕中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第4回)の開催について


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【NO.50】7月5日に経済産業省の長期地球温暖化対策プラットフォーム第一回会合が開催 他3本
 『機関誌:環境管理2016年8月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より

 2016年8月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の4テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。

1.7月5日に経済産業省の長期地球温暖化対策プラットフォーム第1回会合が開催

 経済産業省は、2030年以降の長期の温室効果ガス削減に向けた対策の検討のため、産官学からなる長期地球温暖化対策プラットフォームを7月5日に開催した。経済産業省の報道発表資料により、その概要などを紹介する。

2.廃棄物処理制度専門委員会のスケジュールと予想される論点

 廃棄物処理法の施行状況について検討を行う廃棄物処理制度専門委員会が本年2月24日の循環型社会部会において設置されることが決まり、その後、5月19 日(第1回)、6月15日(第2回)、6月30日(第3回)が開催されている。
 ところで、6月2日に開催された循環型社会部会(第13 回)に「廃棄物処理制度専門委員会の今後の進め方」が資料として出されている。
 そこで、この資料と6月30日に開催された専門委員会に日本経団連からだされた資料の一部を紹介する。
  なお、本専門委員会の設置の趣旨などを本誌6月号の「先読み!環境法」で紹介した。

3.底層溶存酸素量を水質汚濁に係る生活環境項目環境基準に追加

 水質汚濁に係る環境基準は、公共用水域の水質汚濁に係るものとして、人の健康保護に関する環境基準(現在27項目)と生活環境保全に関する環境基準が、そして地下水の水質汚濁に係る環境基準(28項目)が設けられている。
 この生活環境保全に関する環境基準は、27項目の健康保護基準のように全公共用水域で一律ではなく、河川、湖沼及び海域別にそれぞれ数種類の水域類型を設け、それぞれの水域類型ごとに水素イオン濃度(pH)、河川は生物化学的酸素要求量(BOD)・湖沼と海域は化学的酸素要求量(COD)等数項目についての基準が設定されている。そして各公共用水域ごとに水域類型を指定し、それぞれの水域類型ごとに設定されている数項目の基準が達成すべき環境基準となっている。
 ここで生活環境とは環境基本法第2条委第3項で規定するものをいう、とし、そこでは「生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む)」と定義されている。

4.5月25日付中環審答申「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」

 平成28年5月25日(水)に開催された中央環境審議会水環境部会(第41回)において、「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について(報告)」が取りまとめられ、5月26日付で中央環境審議会会長から環境大臣へ答申された。
 この答申を踏まえ、総量規制基準の範囲に係る告示改正が行われる。その次は総量削減基本方針の策定(環境大臣)そして総量削減計画の策定(関係都道府県知事)へと進むことになる。


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