2018年5月

【中環審/土壌農薬部会】土壌制度専門委員会(第4回)報告
(2018/5/28)

1,2-ジクロロエチレン - 土壌汚染対策法の特定有害物質の見直し

中央環境審議会土壌環境基準小委員会にて、1,2-ジクロロエチレンについての「土壌の汚染に係る環境基準について(第3次答申)(案)」の審議を受けて「土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項について(第3次報告)(案)」の最終審議が行われた。

背景・委員会議事概要
 日時:平成30年5月28日(月) / 於:主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)

【議題】
 (1)1,2-ジクロロエチレンに係る土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について
 (2)検液の作成方法について
 (3)その他
【審議概要】
(1)1,2-ジクロロエチレンに係る土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について
 第3次報告案では、法に基づく特定有害物質として、「シス-1,2-ジクロロエチレン」からシス体とトランス体の和とした「1,2-ジクロロエチレン」に見直すことが適当である等の報告がまとめられている。
 議論は、そのうち「Ⅲ.1,2-ジクロロエチレンへの特定有害物質の見直しに伴う法の制度運用について」の表記に関することが主であった。過去の規制がシス体のみを対象物質としたことから改正施行後に見直し(再調査や許可の取り直し等)を求めないとする表記についてその根拠が明記されていないことや測定結果の評価において定量下限値未満の場合の不検出(ND)の扱いが他の基準の考え方と整合させるべきとの意見が出た。
 結論としては、従来の新規物質追加とは異なり異性体の追加ということを考慮した措置とする旨を表記に盛り込む等の修正を行うこととし、具体的な修正作業は委員長一任された。修正後に第3次答申がされ、その後政省令改正に反映される予定である。
(2)検液の作成方法について
 平成28年答申「今後の土壌汚染対策の在り方について(第1次答申)」に盛り込まれた「溶出試験方法の手順の明確化」に対する環境省の検討結果が示された。試験機関や分析者ごとの分析結果の差を抑制することを目的に検討したものであるが、土壌汚染の実環境に沿った抜本的な見直しには至っていないとの回答があった。

【環境省】中央環境審議会 土壌農薬部会土壌制度専門委員会(第4回)議事次第・資料


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【NO.71】特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を
      改正する法律案が衆議院に提出
(第196回国会) 他2本
 『機関誌:環境管理2018年5月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より

 2018年5月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の3テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。

1.特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案が
  衆議院に提出(第196回国会)

 オゾン層保護ウィーン条約のモントリオール議定書は南極オゾンホール拡大の原因とされたオゾン層を破壊する特定フロン(CFC、HCFC、HBFC)の生産・消費の削減を求め、その国内対応として「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(オゾン層保護法)が制定・実施されてきた。そこで代替フロンとしてオゾン層を破壊しないHFCが導入され始めたが、逆に温室効果係数が高く、地球温暖化対策法においてCO2をはじめとする七つの温室効果ガスの一つとなっており、温室効果ガス多量排出事業者(特定排出者)に排出量の報告義務が課されている。【全編内 ヘ続く】

2.都市農地の賃借の円滑化に関する法律案が3月6日に衆議院に提出(第196通常会)
  ――都市農地の「あるべき位置づけ」に沿った具体的施策の一環

 2018年3月号の「先読み!環境法」で紹介した、昨年12月の税制改正大綱に盛り込まれた生産緑地の相続税猶予措置についての根拠法が第196回国会に提出された。同号でも述べたように、相続税の猶予措置は生産緑地の賃借化を促進する措置で、その基となるのが「都市農地の賃借の円滑化に関する法律案」である。 
 この法律案と税制改正大綱は平成27年制定の都市農業振興基本法に基づいて平成28年に策定された「都市農業振興基本計画」に基づく施策と位置づけられる。そこで、法案の骨子、次に基本計画の生産緑地の賃借化に係る部分を紹介し、生産基盤として公益性に都市計画上の緑地になった私的土地所有権である都市農地の賃借化の意味を考えてみたい。【全編内 ヘ続く】

3.森林経営管理法案が3月6日に衆議院に提出(第196回国会)

 「森林経営管理法案」は、中山間部で人口減少と高齢化が進み、山林所有者の森林整備が困難になったことによる新たな経営方式で、市町村が、山林所有者の委託を受けて経営管理権を取得し、都道府県知事が募集した者から市町村が選定して経営管理実施権を設定して山林整備を行わせ、林業経営等に適さないものは市町村が森林経営管理事業行うというものである。
 生産緑地確保のための賃借化とは異なるが、これも所有と使用の分離で、経営管理権・経営管理実施権の法的性格そして知事が募集して市町村が選定する者に経営管理実施権を設定するという仕組みをどうみるべきであろうか。【全編内 ヘ続く】


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