環境管理バックナンバー 2008年 8月号

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2008年8月号 特集: JEMAI:平成19年度事業成果報告

<特集>

マテリアルフローコスト会計の国際標準化について―ISO14051が始動
國部克彦 神戸大学大学院経営学研究科教授
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 我が国からの提案であるマテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting:MFCA)の国際標準化はISO/TC(Technical Committee)207で承認されWG(Working Group)8が設立された。WG8は第15回ISO/TC207総会で第1回会合を開催して、Pre-Working Draft(予備的作業文書)の内容を議論し、MFCAの国際標準化(ISO 14051)を目指した活動が開始した。本稿では、WG8の第1回会合の模様を伝えるとともに、主要な論点を解説する。

2007年度環境スキルアップ事業の概要
米田 進 一般社団法人産業環境管理協会環境人材育成センター副所長
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 (一社)産業環境管理協会では、2005年度、2006年度と経済産業省の委託を受けて「環境経営人材育成事業」に取り組んだ。本事業では企業人材の環境スキル、つまり環境に配慮した業務を進める能力を体系的に育成するためのプログラムつくり、環境スキル標準を確立した。また知識スキルアップ教材として、環境に関連する17テーマから成るテキストシリーズを整備した。さらに2007年度は、これらの成果を活用し「環境スキルアップ自主事業」を開始した。具体的には、環境スキルアップ教材の普及、自由参加型環境スキルアップ講習会の開催、企業人材の環境スキル育成支援を実施し、環境スキル標準の普及に貢献した。以下にその概要を述べる。

REACH規則を中心とした化学物質管理への対応―リスクに基づく化学物質の適正管理とサプライチェーンにおける情報共有
傘木和俊 一般社団法人産業環境管理協会化学物質管理情報センター所長
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 化学物質を取り巻く世界的な潮流は、最終製品をも巻き込んだ規制となりつつある。このため、サプライチェーン全体として化学物質の適正管理と情報開示・伝達が急務である。ここでは、これら製造分野における化学物質管理を支援するために行っている、JAMP事務局の運営、セミナー開催、調査研究等を紹介するとともに、国際的な潮流と今後の方向について概観する。

廃棄物・リサイクルガバナンス登録・支援事業について
岩田修正 一般社団法人産業環境管理協会環境人材育成センターソリューション開発室長
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 企業の廃棄物リサイクルに対するマネジメントは、表舞台ではISO 14001に代表されるEMS(環境マネジメントシステム)といった環境管理システムの運用下のもと実施され、一方現場では「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等の順守といったコンプライアンス対応で実施されているのが一般的であったが、2000年代になって着目をあびるようになったCSR(企業の社会的責任/社会的信頼性)の高まりは、これらの方向性を少しずつ変えようとしている。このような新たなトレンドの一つに経済産業省が平成16年9月に打ち出した「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン(WRG:Waste and Recycling Governance)ガイドライン)」がある。本稿では、(一社)産業環境管理協会が中心になって平成18年度から実施している廃棄物・リサイクルガバナンス登録・支援事業について成果を紹介する。

JemaiEMSサービス事業について
岩田修正 一般社団法人産業環境管理協会環境人材育成センターソリューション開発室長
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 1996年9月に発行された国際規格ISO 14001環境マネジメントシステム(EMS)は、新しいタイプの環境対応ツールとして日本国内の企業に大きなインパクトを与えるとともにその後エコアクション21、KES(環境マネジメントシステム・スタンダード)や地方自治体独自EMS(みちのくEMSや鳥取県版環境管理システム等)の日本国内版EMSの登場のきっかけとなった。ISO 14001発行に先駆けて1996年8月に開始された第三者認証制度によるISO 14001認証取得は当初は大手電気機械業を中心に普及したが、次第に種々の業種や中小企業にも普及の波が進み2008年5月現在のISO 14001認証件数は世界トップクラスの約20,600件となっている。本稿では、(一社)産業環境管理協会が対中小企業を中心に実施している環境マネジメントシステムに関する支援事業について成果を紹介する。

エコプロダクツの開発・普及の推進について―製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業
壁谷武久 一般社団法人産業環境管理協会製品環境情報事業センター副所長
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 (一社)産業環境管理協会(JEMAI)では、平成18年度から経済産業省からの受託を受け、エコプロダクツ(環境配慮製品)の開発・普及支援(製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業)に取り組んでいる。本事業は、産業と民生の両部門におけるCO₂排出量の削減を目的としたもので、環境適合設計(Design for Environment:DfE)手法の導入や環境性能評価(Life Cycle Assessement:LCA)手法による環境負荷の定量化により、企業における製品改善を支援している。具体的には、参加企業向けの研修や個別企業への指導員の派遣、さらにはLCA評価結果のクリティカルレビューの実施など手厚い内容となっている。地球温暖化問題への対応の議論が高まる中、CO₂の削減、資源消費対策など製品分野での具体的な対応策として、サプライチェーンを構成するすべての事業者の方々から関心が高まっている。

エコラベルコンシェルジュ養成・エコラベルコレクションゲーム開発事業
中庭知重 一般社団法人産業環境管理協会製品環境情報事業センターエコリーフ事業室主査
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 (一社)産業環境管理協会は内閣府からの委託により,「平成19年度先駆的省資源・省エネルギー実践活動等推進事業」の一環として,エコラベルの普及活動と理解促進のための教育ツール(エコラベルゲーム)を開発したものである。また同時に、エコラベルの普及活動と理解促進に携わる人材の育成・充実を目的とした講座を実施した。講座では,エコラベルを解説するのに必要なラベルの基本的知識,環境問題,またラベルの環境情報を的確に伝えるためのコミュニケーションスキルや,増え続けるエコラベルの学習方法・情報収集の仕方など,必要と思われる知識やノウハウを習得できるような内容とした。

JICA中国企業環境監督員制度推進プロジェクト(第2年次)―基本設計書案、教材大綱案等の枠組み固まる
鶴崎克也 一般社団法人産業環境管理協会環境技術部門技術顧問
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 2006年当初,中国国家環境保護総局(SEPA:2008年3月に環境保護部に改組)は,日本の「公害防止管理者制度」を参考にして,「企業環境監督員制度」を確立することとし,(独)国際協力機構(JICA)に協力を求めた。JICAは,同年4月より,「企業環境監督員制度の推進」について2年間の協力を開始し,11月に,その実施を当協会に委託した。本プロジェクトの経緯や第1年次の活動については,すでに紹介した(本誌2007年8月号)。本稿では,本プロジェクトの第2年次の活動経過と中国側と協力して作成した「基本設計書案」,「ガイドライン案」,「試験・研修カリキュラム案」,「標準テキスト案」等の成果について紹介する。

VOC自主的取組普及・促進調査の成果について
遠藤小太郎 一般社団法人産業環境管理協会環境技術部門環境技術センター技術室主幹
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 改正大気汚染防止法による法規制と自主的取組を組み合わせた揮発性有機化合物(VOC)排出規制が開始され2年が経過した。本事業は、(一社)産業環境管理協会が経済産業省委託を受け、自主的取組の参加者を増やすためには地域に根ざした普及啓発が必要との観点から、東北・関東・中部・近畿の4地域での啓発セミナーと、地域ごとに委員会(地方連絡会)を設置・運営して検討を行ったものである。当協会は自主的取組支援のため別途「自主的取組支援ボード」を設置し、平成20年2月からは自ら自主行動計画の提出を開始した。なお、本稿における意見や見解は基本的に筆者の個人的見解である。

<シリーズ>

【エコイノベーション5】環境と金融
中村吉明 経済産業省環境指導室長
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 金融の環境化は、企業の環境情報とその評価結果を公表し、それに応じて金融上のメリットを与えるという手法が中心であるが、これは、市場メカニズムの中で、環境負荷の低減を助長することを目指しており、End of Pipe(出口)規制型の環境規制よりも効果的であると考える。産業公害から地球環境へと環境問題の広がりに呼応し、環境規制の形態が変化している。具体的には、環境規制の代替策として「金融の環境化」が進んでいるが、このような動きは、政府系金融機関、大手銀行にとどまらず、地方銀行、非営利組織(NPO)にも波及している。

【環境法の新潮流54】自動車からのNOx・PM及びCO2規制―日米欧における最近の動向
及川敬貴 横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
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 本稿は、日米欧における自動車由来の窒素酸化物(NOx)・粒子状物質(PM)及び二酸化炭素(CO₂)規制の最近の動向を俯瞰しようとしたものである。具体的には、自動車排出ガス、燃費、燃料の順に三極の規制動向を整理し、ごく簡単な説明を加えた。日米欧ではそれぞれ規制の強化が進んでいるが、規制の対象や強度の設定、経済的措置の導入具合、罰則の程度などはバラエティに富んでいる。なお、強化された規制システムを総合的に評価するためには、いわゆる「環境正義」の観点が今後益々重要になると考えられる

【実践マテリアルフローコスト会計35】木工製品へのMFCA適用と中小企業におけるMFCAのシステム化検討事例
下垣 彰 株式会社日本能率協会コンサルティングMFCAセンターマネージャー
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 日本の木工製品分野において、マテリアルフローコスト会計(MFCA)が適用されたのは、本事例が初めてと思われる。樹脂や金属などの工業材料は均質な材料であり、重量による物量計算が比較的容易である。それに対し、木が材料の場合、重量による物量計算が難しい。本事例は、この分野におけるMFCA適用において、物量計算を容量単位(m³)で行うことにより、効果的な適用が可能なことを示している。一方、MFCAの継続的活用には、システム化が課題となる。本事例では、生産管理システムにMFCAをどのように組み込むかの検討も、併せて行っている。

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