環境管理バックナンバー 2011年 3月号

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2011年3月号 特集:環境計測・配慮製品評価の国際標準化最新動向

<特集>

大気・水質環境測定の国際標準化動向(ISO/TC146,TC147)
大野香代 一般社団法人産業環境管理協会環境技術センター技術室室長
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 ISO/TC146(大気の質)及びTC147(水質)では,環境問題のグローバル化に伴い,地球温暖化物質や有害物質等の測定法や測定値の精度評価方法について国際的統一がなされるよう規格作成が行われている。環境計測器の貿易を円滑に行うためにも,その計測器が国際規格に準じた計測法や仕様であることは重要であるため,この分野の国際規格動向を知ることは,企業の海外競争力強化の助けとなる。本紙では近年のISO/TC146及びTC147における環境測定規格の作成動向と日本からの新規提案状況について紹介する。

電気・電子製品の環境側面に関する国際標準化(IEC/TC 111)
市川芳明 株式会社日立製作所地球環境戦略室主管技師長IEC TC 111議長
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 2004年10月に国際標準化機構(ISO)と並ぶデジュール標準の策定機関である国際電気標準会議(IEC)において,電気・電子製品の環境側面を取り扱う専門委員会TC 111が誕生した。当時は電機・電子製品に関わる各国の環境規制が急速に台頭してきており,グローバルビジネスを左右する重要な要因となった製品の環境適合基準は,貿易における公平性を維持するため,WTOのルールに沿ったデジュール標準として開発されることが望まれた。このような期待を背負ってスタートしたTC 111は有害物質,環境配慮設計に関する規格を発行し,さらに,あらたな分野にもチャレンジを始めている。この経験をもとに,日本経済が再び世界市場で復活するための国際標準化の活用について考察する。

固定発生源からのPM2.5/PM10の排出挙動評価法
神谷秀博 東京農工大学大学院工学研究院
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 肺内胞など呼吸器深部まで浸入し肺がん,喘息などの疾患原因とされる粒子径2.5μm以下の粒子(PM2.5)の環境基準が2010年9月に確定し,基準値を超える濃度が都市部などで報告された。人為発生源のうち,車などの移動発生源は対策が進んでいるが,工場など固定発生源は,その排出量測定法もISO化が進んでいる段階で,測定データもあまり公表されていない。本稿では,PM2.5の健康影響や環境濃度に関する報告を紹介した上で,固定発生源からのPM2.5測定法の標準化動向と,その手法を用いた測定事例を報告する。

室内空気にかかわる国際標準化
松原一郎 独立行政法人産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門電子セラミックプロセス研究グループ研究グループ長
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 シックハウス問題による室内空気に関する意識の高まりとともに,信頼性の高い室内空気質の分析方法の確立に対するニーズが増大した。これを受け,1994年にISO/TC 146(大気の質)に室内空気を取り扱う分科委員会SC6が設置され,サンプリング方法,ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)の分析方法等の標準化が進められている。本稿では,ISO/TC 146/SC6での室内空気にかかわる国際標準化の現状を概説するとともに,その中で日本から2009年に提案した新規プロジェクトであるVOC検知器の評価法の内容について詳しく紹介する。

PFOS/PFOAの国際標準分析法ISO 25101の確立
谷保佐知 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門,羽成修康 独立行政法人産業技術総合研究所計測標準研究部門,堀井勇一 埼玉県環境科学国際センター化学物質担当,山下信義 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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 ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は2009年に残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)へ追加された化学物質である。しかし,2005年に行われた国際精度管理試験の結果,異なったインハウスメソッドを用いた分析値の相互比較が困難であることが明らかになり,国際標準分析法の確立が急務となった。そこで,本研究グループで開発したブランクの低い高感度分析法を国際規格として提案,基準認証研究開発事業(2006~2008年)「新規POPs候補物質の分析法の標準化」での研究開発を経て,2009年にISO 25101として規格化した。本報告では本規格の開発経緯と環境分析にかかわる国際規格の意義について解説する。

<総説>

工業ナノ材料の安全性問題の動向(その2)
五十嵐卓也 独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門主任研究員
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 工業ナノ材料の産業応用の急速な進展に伴い,既存の化学物質管理法令がこの状況に対応できていないために,その安全性への懸念が高まっている。3回シリーズの第1回目(先月号)では,工業ナノ材料の安全性問題に関する最近の状況を概観し,我が国政府機関の取組を紹介した。本稿ではOECD/WPMN,ISO/TC229等の国際機関の取組を紹介し,第3回目では欧州連合,米国等の取組を紹介するとともに,今後を展望する。

<シリーズ>

【環境法の新潮流84】自然再生推進法の背景と課題
磯田尚子 明海大学非常勤講師
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 新・生物多様性国家戦略を受け,2002年12月,自然再生推進法が制定された。新戦略には自然保護政策の転換がみられる。この背景には,20世紀初頭の人間中心主義,1970年代以降の自然中心主義を経て,1990年代以降の自然と人間の関わりの重視へと至る環境倫理学の動向がある。以上の視点から,自然再生により再生するものについて,地域における自然と人間の関わりの再生,さらには地域の再生と考える。自然再生事業のあり方については,自然の復元力の手助けに留まる受動的再生を基本に,順応的管理にあたり,多様な主体の参加,伝統的自然利用法の再評価等の課題がある。

【実践マテリアルフローコスト会計66】日本MFCAフォーラムの活動
下垣 彰 株式会社日本能率協会コンサルティングMFCAセンターマネージャー(日本MFCAフォーラム 運営委員,運営委員会幹事)
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 日本MFCAフォーラムは,マテリアルフローコスト会計(MFCA)の普及と進化を図るために,2009年7月に発足した団体である。MFCAの実践,支援,研究を行う多くの企業,研究者等が参加し,セミナー等のMFCAの普及活動だけでなく,交流会,ワーキンググループ:研究会(WG)等の研究活動を行っている。

【日本の環境学部8】東京農業大学
宮林茂幸 東京農業大学東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科教授
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 東京農業大学は,創立以来の教育理念である「実学主義」を掲げて教育を進めてきた。「農業のことは農民にきけ」という初代学長の言葉どおり,実学の精神はいまも大学教育に脈々と受け継がれている。山村,農村,都市の地域環境に焦点をあてた「地域環境科学部」では,どのような実学が行われているのか。多摩川の源流域に設立された「源流大学」で学ぶ源流の知恵とはどのようなものなのか。自分で考えて行動できる「環境学生」育成のあり方を,東京農業大学の宮林茂幸教授に聞いた。

<レポート>

COP16の成果と意義
山口建一郎 三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部
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 気候変動枠組条約第16回締約国会議及び京都議定書第6回締約国会合(COP16及びCOP/MOP6)は2010年11月30日から12月10日にかけてメキシコのカンクンで開催された。この成果と意義についてとりまとめる。

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