環境管理バックナンバー 2016年 4月号

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2016年 4月号 特集1:日本の適応計画/特集2:平成28年度環境政策

<巻頭コラム>

四日市公害の歴史と教訓
本誌編集部
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 昭和30年代に発生した四日市公害。その歴史と教訓を次世代に伝えるために2015年3月21日に開館した「四日市公害と環境未来館」は1周年を迎えた。展示エリアは六つに分かれており、小学校高学年から大人まで、わかりやすいようにいろいろな工夫がされている。情報検索コーナーでは、公害健康被害者、司法関係者、企業担当者など、さまざまな立場から四日市公害に関わった人々の40人を超える証言映像により目や耳で体感することができる。特に四日市公害裁判シアターでの映像などは必見である。「四日市公害の経験を通して、もう一度四日市市の環境を見つめなおし、自分達の身の回りから、環境に配慮した行動をとるにはどうしたらいいか」。展示物はそう訴えているようだ。
 1967年、広がる公害問題をなんとかしようと磯津地区の公害認定患者がコンビナート企業を相手に裁判を起こす。当時の映像や、新たに撮影した関係者の証言を交えた映像からは四日市公害裁判とその判決がもたらした影響を知ることができる(約20分)。

<特集1>

気候変動に対する適応策の展開
三村 信男 茨城大学 学長
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 昨年、世界の注目の中で開かれたCOP21は「パリ協定」を採択した。その目的である気候変動に対するリスク管理は、緩和策と適応策を二つの柱としている。気候変動の影響が顕在化し、国際的にも適応策への関心が高まっている中、昨年11月に我が国で初めての「気候変動の影響への適応計画」が閣議決定された。気候変動への適応策には、不確実性下の意思決定や影響の地域性を反映して地域が主体となるといった他の政策にない特性がある。こうした背景と特性を踏まえて、社会のレジリエンス(強靱性)の構築を目指す適応策の展望を述べる。
国土交通省気候変動適応計画について
小川 智 国土交通省 総合政策局 環境政策課 交通環境・エネルギー対策 企画官
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 地球温暖化に伴い、短時間強雨や大雨の発生頻度の増加、海面水位の上昇、台風の激化、干ばつ・熱波の増加などが懸念されており、これらに対処する適応策の検討が喫緊の課題となっている。国土交通省は、国土の保全、まちづくり、交通政策、住宅・建築物、気象など多様な分野を所管し、安心・安全な国土・地域づくりを担うなど、適応策に果たす役割が大きいことから、平成27年11月に、自然災害、水資源・水環境、国民生活・都市生活、産業・経済活動など様々な分野の適応策を取りまとめた国土交通省気候変動適応計画を策定・公表した。
農林水産省の気候変動適応計画について
酒井 一有 農林水産省 大臣官房政策課 環境政策室 環境企画官
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 地球温暖化は確実に進んでおり、今世紀末までの約100年間で世界の気温は最大4. 8℃、海面水位は82cm上昇するとの予測がある。既に我が国でも米や果実の品質低下、害虫の北上、豪雨の発生頻度の増加傾向などがみられており、今後もこのような被害や極端な気象現象が増加すると予測されている。
 このため農林水産省では、水稲において高温耐性品種や高温不稔耐性を持つ育種素材の開発、果樹において優良着色品種等への転換など、特に気候変動の影響が大きいとされる品目への重点的な対応、山地災害発生の危険が高い地区のより的確な把握等の災害対策の推進、将来影響の知見が少ない人工林や海洋生態系等に関する予測研究の推進などを盛り込んだ総合的な気候変動適応計画を策定した。
 本稿では、農林水産省の気候変動適応計画の概要について紹介する。

<特集2>

当面の経済産業省における環境政策について
経済産業省 産業技術環境局 環境政策課
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 経済産業省においては、地球温暖化対策や循環型社会の構築(3R(リユース、リデュース、リサイクル)政策)、環境負荷物質対策といった課題に引き続き取り組んでおり、本稿では現在の施策や当面の取組について述べる。
当面の環境省の重要政策について
環境省 大臣官房政策評価広報課
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 当面の環境省の重要施策は、①除染、中間貯蔵施設の整備、指定廃棄物等の処理等の東日本大震災からの復旧・復興に向けた取組、②徹底した省エネと再エネの最大限の導入、二国間クレジット制度の推進等を通じた国内外での低炭素社会の構築、③廃棄物の適正かつ円滑・迅速な処理体制の確保等による循環型社会の実現、④森・里・川・海のつながりの回復等の自然共生社会の実現、⑤ PM2. 5 対策、水銀対策を中心とした国民の健康と良好な環境の確保等である。

<総説>

COP21 合意後の日本のエネルギー政策
黒﨑 美穂 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス
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 気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)のパリ合意で、日本は比較的意欲的なINDC(自主的に決定する約束法案)目標を提出した。これは主に原子力発電が電力供給の20%から22%を占めるという内容であるが、原子力に関して政府はまだ国民の理解を得ることができておらず、現状の枠組みでは2030年には原子力は電力供給の10%にも満たないと予想される。
 本稿では、原子力、火力、再生可能エネルギーの各発電量、発電コストについて分析し、この10%の差を埋めるための再生可能エネルギーの導入と、その出力を安定化させるために有望な天然ガス火力の実情について解説し、日本企業がとるべき施策を検討する。さらに再生可能エネルギーの導入を阻む固定価格買取制度の設計と環境アセスメント等の規制枠組みの問題についても触れたい。
投資家のESG情報の活用について
金井 司 三井住友信託銀行 理事・CSR担当部長
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 2015年の日本の責任投資残高は27兆円を超えた。特定のファンドではなく既存の運用にESG要素を取り入れることで市場が急拡大した欧州と同じ構図だが、日本の場合、長期的な企業価値を追求する点で共通するスチュワードシップ・コードが導入された影響が大きい。
 投資家はESGの中でも特にG(ガバナンス)を重視する。しかし、S(社会)やE(環境)、特にEは超長期の視点では遥かに大きなインパクトを企業価値に与える可能性が高い。世界の資本市場はその点に気付き出しており、企業側もこのパラダイム変化に対応する必要がある。
ISO 14001:2015の改訂内容について(前編)
吉田 敬史 合同会社グリーンフューチャーズ 社長
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 昨年9 月15 日にISO 14001 の2015 年版が発行された。改訂のポイントとして「組織トップのリーダーシップを求める」、「環境改善と事業戦略の一体化」、「事務局任せでは許されない」、「トップマネジメントの説明責任」の四つが挙げられる。本稿は2015 年改訂の経緯、変更点、要求事項等改訂内容の全般について、ISO/TC207/SC1( ISO14001)日本代表委員である吉田敬史氏にご講演いただいた内容をまとめたものである。
(一般社団法人 産業環境管理協会発行「CEAR」誌掲載「CEAR 講演会講演録」より内容を一部変更の上、転載)

<報告>

原子力発電所1 基分の火力発電所を内陸に建設――神戸製鋼所・コベルコパワー真岡
本誌編集部
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 温暖化ガス削減や電力自由化といったあわただしい動きの中で電力インフラの強靭化に資する日本初の本格的な内陸型ガス火力発電所の建設が話題になっている。この発電所は2015年に内閣官房がとりまとめた「国土強靭化 民間の取組事例集」においても先導的事例の一つと
して取り上げられた*1。また、経済産業省 関東経済産業局による「エネルギー基盤強靭化事例集」にも選定された。従来型の大規模火力発電所が立地している東京湾岸や太平洋岸と比較して地震の発生確率が低く、津波被害に遭遇する危険のない内陸部に立地する日本初の大規模火力発電所である。
廃棄物処理法施行令改正(水銀廃棄物処理関連・4月1日施行)および水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令改正
本誌編集部
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 水銀を含む廃棄物はすべて特別管理産業廃棄物になるのか、古い水銀計や割れた蛍光ランプなども規制の対象かなど具体的な質問や疑問がある。廃掃法改正施行令を環境省の情報をベースに報告する。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第1回】  オバマ政権クリーンパワープランはどう動くか──パリ協定後の石炭火力発電
竹内 純子 NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員
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 「エネルギー」と「環境問題」の現場を歩き、地球温暖化を論考するシリーズ。
【新・環境法シリーズ/第50回】 鉱物資源開発の最近の動向
黒坂 則子 同志社大学 法学部 教授
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 鉱物資源はわれわれの日常生活に欠かせないものである。しかし先進工業国の発展とともに鉱物資源の枯渇が懸念されており、鉱物資源の恒久的確保は国家の枠を超えた全人類共通の喫緊の課題となっている。また、開発途上国における鉱物資源による環境汚染が深刻化しており、資源ナショナリズム及び紛争鉱物問題の影響も懸念される。本稿は、このような鉱物資源をめぐる諸問題と開発の動向について包括的に概観するものである。鉱物資源開発をめぐる諸問題とその対応策の検討は、環境法の基本理念たる持続可能な社会の構築を模索するうえで、今後の重要な課題となるものと思われる。
【産廃コンサルタントの法令判断/第1回】 京都の名門2大学で問題勃発?──少量排出事業者の管理実態を探る
佐藤 健 株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 環境情報ソリューショングループマネージャー
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ。
【まるごとわかる環境法/第8回】 化管法(PRTR法)(中編)
見目 善弘 見目エコ・サポート代表
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第8回は化管法(PRTR法)(中編)
 4.化管法(PRTR法)はどのような法律ですか?
【先読み! 環境法/第46回】 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)改正案が2月9日に国会に提出
小幡 雅男 神奈川大学大学院法務研究科 講師
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 先月号で紹介した「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書」の内容を踏まえて、一部入札制度を導入する再エネ特措法の改正案が国会に提出された。賦課金の減免要件、入札制度、再生可能エネルギー発電事業計画の認定等、重要なポイントについて解説する。ほか、二つの動きについて紹介する。
 
❶ 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特
措法)改正案が2月9日に国会に提出
❷ ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の改正案が
3月1日に国会(衆議院)に提出
❸ 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案が3月8日に国
会に提出
【環境法改正情報】(2016年2月改正分)
見目 善弘 見目エコ・サポート代表
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◉ 労働安全衛生法
◉ 高圧ガス保安法
◉ 消防法
◉ 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律
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