環境管理バックナンバー 2016年 12月号

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2016年12月号 特集:資源循環技術の未来2016

<巻頭特集>

Hondaの環境経営 つくる、つかう、つながる ── 未来社会へ向けたHonda のエネルギーマネジメント技術
インタビュー:加藤 久( 本田技研工業株式会社 経営企画部 環境安全企画室 開発技師)取材/文:本誌編集部
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 「地域から愛される工場を目指せ」「地域住民に迷惑をかけるな」── Hondaの創業者・本田宗一郎が創業当初から掲げている理念は、Hondaの環境経営の大きな流れをつくっている。一つは工場と地域住民のあり方としての「グリーンファクトリー」の取り組み、さらに「製品以外のものを工場の外に出してはならない」、つまりは企業活動による環境負荷を限りなく低くする取り組みである。
 そしてもう一つは製品自体の環境負荷低減の取り組みである。製品のライフサイクル全体のCO2排出量は「製品使用時」が全体の8割を占める。そこでできることは、製品そのもの環境性能の追求と、新製品開発による新しい価値の創造である。
 本インタビューでは、Hondaがいま「次世代の価値創造」として進める環境戦略にフォーカスして、経営企画部 環境安全企画室 開発技師 加藤久氏に話を聞いた。

<コラム>

トランプ次期大統領の温暖化対策への考え
本誌編集部
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 アフリカのモロッコで開催された地球温暖化対策を議論する国際会議COP22では、アメリカの次期大統領に選ばれた不動
産王トランプ氏が異例の注目を浴びた。アメリカからの数千億円規模の資金拠出がなくなるとパリ協定の枠組み自体への影
響は非常に大きい。
 トランプ氏は温暖化対策に極めて否定的であり、「温暖化はでっちあげ」としてパリ協定からの脱退を示唆している。今回の大統領選の結果は想定外であり世界のマスコミも裏をかかれたことで大きく混乱した。トランプ勝利を導いたツイッター情報を含め、現段階における最新情報をレポートする。
工場廃液による世界最大規模の 海洋汚染が発生
本誌編集部
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 ベトナムで歴史上、最悪かつ最大の海洋汚染事件が2016年4月に発生した。汚染原因は外資系製鉄所の工場廃液である。製鉄工場からシアン化物などを含む有害廃液が海域に排出され、海流の影響で沿岸約200kmにわたり魚介類に大きな被害を与えた。推定で115t以上の大量の魚が浜辺に打ち上げられ悪臭を放った。
 当初は企業側を擁護するベトナム政府により赤潮などが原因とされたが、政府当局は外部の専門家の協力も得て海洋汚染
の原因を本格調査した。本年6月下旬になって政府は汚染の原因が工場側であると断定し、史上最高額である5億ドル(約510億円)もの罰金を工場側に科している。この公害事件が契機となりベトナム政府は外国からの安易な投資や国内の環境管理に対する考えを抜本から見直しているようだ。

<特集>

一般社団法人 産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター 表彰事業・3R 先進事例発表会 実施報告
一般社団法人 産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター
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 一般社団法人 産業環境管理協会資源・リサイクル促進センターは、資源の効率的な有効利用の促進、循環ビジネスの振興を目的として、廃棄物のリデュース、リユース、リサイクルの先進的な取組を顕彰するために毎年、「資源循環技術・システム表彰」、「リサイクル技術開発本多賞」を広く募集、表彰するともに受賞内容を紹介する「3R先進事例発表会」を開催している。
 本年は、平成28年10月14日に機械振興会館ホール(東京、芝公園)において、経済産業省産業技術環境局長末松広行様をお迎えして「平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)表彰式」、「平成28年度リサイクル技術開発本多賞(第21回)表彰式」および「平成28年度3R先進事例発表会」を開催し、約200名の参加を得た。
【平成28年度リサイクル技術開発本多賞受賞(第21回)】連続向流泡沫分離法によるガリウムの 選択回収及び亜鉛精錬残渣への適用
二井 晋(鹿児島大学 理工学域工学系)
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 ガリウムは半導体、発光ダイオードや太陽電池パネルの製造に必須なレアメタルであり、省エネルギーや低エネルギー化がグローバルな課題となっている現在、我が国にとって重要な資源である。我々はガリウムに高い選択親和性を持つ界面活性剤を発見して有機溶媒を用いずに、泡を使って金属溶液から簡単に選択的分離回収を行う手法を開発した。亜鉛精錬残渣はガリウム以外の多種の金属を高濃度で含む、困難な対象であるが、開発した手法によれば、含まれるガリウムを回収率100%で単離できた。本稿ではこの手法の開発経緯と特徴についてまとめる。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)経済産業大臣賞受賞】ケミカルリサイクルによるPETボトルの循環利用
中町 浩司(東洋製罐株式会社)/吉村 祐美(東洋製罐株式会社)
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 国内の使用済みPETボトルは、80%以上のリサイクル率を維持している。そのほとんどは材料リサイクルと呼ばれるようなシートや繊維などに使われる手法が一般的であるが、これら2次製品はそれ以降のリサイクルシステムが確立していないものが多く、使用後は焼却処理となり、資源を消費している。東洋製罐グループのペットリファインテクノロジーでは、ケミカルリサイクルと呼ばれる手法で再度PETボトルに使用できる樹脂を再生しており、半永久的に循環できる。今回、味の素ゼネラルフーヅ株式会社の協力もあり、すべてのPETボトルの仕様に適用可能な技術の開発に成功した。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)経済産業省産業技術環境局長賞受賞】電装品のリユース化
寺門 義則(日立オートモティブシステムズ株式会社)
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 当社は、純正品の製造メーカーとしての利点を生かし、自社製電装品(オルタネータ、スタータ)の設計、製造に係る技術をもとに、これら様々な機種の電装品を自動車ディーラー、整備工場から回収し、専用工程で高度な技能を保有する多能工社員が、分類~解体~点検~再生~組立~検査を一貫して行うことにより、新品純正品と同等の外観・機能に再生するリビルト技術システムを開発して、再び、自動車の補修部品として自動車ディーラー、整備工場に再度、循環販売する事業を22 年間継続して、自動車用電装品の高品質なリユースに貢献している。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】 用途不能廃棄衣類を有効活用した軍手「特殊紡績手袋 よみがえり」
窪田 恭史(ナカノ株式会社)
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 ナカノ株式会社が受賞した「用途不能廃棄衣類を有効活用した軍手「特殊紡績手袋 よみがえり」」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】石炭灰(既成灰)を原料とした道路用砕石「FRC砕石」の開発
阿部 勉(酒井鈴木工業株式会社)
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 酒井鈴木工業株式会社が受賞した「石炭灰(既成灰)を原料とした道路用砕石「FRC砕石」の開発」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】クリンカアッシュを100%活用した環境創造型多機能舗装の普及事業
楳木 真一(株式会社 環境緑化保全コンサルタント)
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 株式会社 環境緑化保全コンサルタントが受賞した「クリンカアッシュを100%活用した環境創造型多機能舗装の普及事業」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】長寿命及び資源再生原料配合のコンベヤベルト開発
小林 英治(横浜ゴム株式会社)
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 横浜ゴム株式会社が受賞した「長寿命及び資源再生原料配合のコンベヤベルト開発」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞・コラボレーション賞受賞】使用済み鉛蓄電池(自動車用バッテリー)の国内循環事業
衣笠 誠(株式会社 アクト)
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 株式会社アクト/一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 大阪府支部が受賞した「使用済み鉛蓄電池(自動車用バッテリー)の国内循環事業」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)奨励賞受賞】建設産廃タイルを再生するリユース技術の開発
吉田 真悟(株式会社 竹中工務店 技術研究所)/森田 翔(株式会社 竹中工務店 東京本店)/松原 道彦(株式会社 竹中工務店 東京本店)/鈴木 貴大(株式会社 竹中工務店 東京本店)/山本 正人(株式会社 竹中工務店 技術研究所)/髙橋 拡(株式会社 竹中工務店 技術研究所)
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 株式会社 竹中工務店が受賞した「建設産廃タイルを再生するリユース技術の開発」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)奨励賞受賞】し尿等からの助燃剤とリン同時回収システム「Pデニライトシステム」
石川 隆雄(水ing株式会社)/増山 貴明(水ing株式会社)
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 水ing株式会社が受賞した「し尿等からの助燃剤とリン同時回収システム「Pデニライトシステム」」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)奨励賞・コラボレーション賞受賞】建設再生資源の巡回回収システムの開発
竹尾 健一(大成建設株式会社)
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 大成建設株式会社/ネットワーク・アライアンス株式会社が受賞した「建設再生資源の巡回回収システムの開発」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)レアメタルリサイクル賞受賞】炭素熱還元法による磁石工程内スラッジからの希土類リサイクルプロセス
古澤 克佳(日立金属株式会社)
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 日立金属株式会社/日本重化学工業株式会社が受賞した「炭素熱還元法による磁石工程内スラッジからの希土類リサイクルプロセス」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)レアメタルリサイクル賞受賞】使用済産業用モーターからの高性能レアアース磁石リサイクル技術開発
水野 末良(株式会社 東芝)/清水 敏夫(株式会社 東芝)/金村 祥平(株式会社 東芝)/水口 浩司(株式会社 東芝)
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 株式会社 東芝が受賞した「使用済産業用モーターからの高性能レアアース磁石リサイクル技術開発」について紹介する。
【平成28年度資源循環技術・システム表彰(第42回)レアメタルリサイクル賞受賞】セメントプロセスを活用したリチウムイオン電池からのコバルト回収実証事業
境 健一郎(松田産業株式会社)/本多 威暁(松田産業株式会社)/石田 泰之(太平洋セメント株式会社)/田村 典敏(太平洋セメント株式会社)
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 太平洋セメント株式会社/松田産業株式会社が受賞した「セメントプロセスを活用したリチウムイオン電池からのコバルト回収実証事業」について紹介する。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第9回】米国大統領選挙に揺れた COP22を振り返る
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 米国大統領選挙の結果、事前の大方の予想を覆し、共和党トランプ候補が圧勝した。また、同時に行われた議会選挙の結果、共和党が上下両院ともに過半数を占めることとなった。エネルギー・環境政策については選挙期間中もメインイシューにはなっておらず、今後の政策を占うに十分な手掛かりがあるとは言い難いが、新政権が気候変動対策に積極的ではないことだけは明らかだ。昨年のパリ協定採択に大きな役割を果たした米国の方向転換が確実視されるとあって、協定発効に湧いていたCOP22 の会場も冷や水を浴びせかけられた格好だ。交渉関係者は冷静さを保っていた印象ではあるが、NGO 関係者などからは多くの不安や批判の声が聞かれた。
 トランプ氏は強いアメリカを取り戻すことを公約として掲げ、国内の石炭・石油産業を保護し、エネルギー自給率を高めていくとしている。EUもエネルギー政策のプライオリティをエネルギー安全保障に置き、米国とのエネルギー価格格差に対しても神経をとがらせている。米国も欧州も、気候変動という地球規模かつ科学的な不確実性の高い課題に取り組むよりも、目の前に確実に存在する国内経済や外交についての課題に対処し、足元を固めることを望む大衆の声が勝ってきているのだろう。翻って考えるに、エネルギー自給率わずか6%の日本で、そのことへの問題意識があまり聞かれないことには、強い危機感を抱かざるを得ない。
 トランプ氏がどのような政権運営を行うのか、まずは冷静にその舵取りを注視すべきであり、今後の米国のエネルギー・環境政策がどう動くかを語るには時期尚早であるが、選挙期間中の発言や選挙後の動きから、今後想定される米国のエネルギー・環境政策を占うとともに、わが国のとるべき影響などを俯瞰したい。
【新・環境法シリーズ/第58回】二酸化炭素回収・貯留(CCS)に関する法政策研究 その4――中国におけるCCS/CCUSの取り組み
柳 憲一郎(明治大学法科大学院 教授・明治大学環境法センター長)/小松 英司(明治大学環境法センター 共同研究員)/中村 明寛(明治大学環境法センター 研究推進員)
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 近年、中国によるCarbon Capture and Storage(CCS)/Carbon Capture, Utilization and Storage(CCUS)(以下、CCS/CCUSという)の導入・普及に向けた著しい取組みが世界で注目されている。しかしその一方で、中国には包括的なCCS/CCUSの法規制が確立されていない。ここでは、中国によるCCS/CCUSの普及・促進の動向、CCS/CCUSに関する法政策の歴史的背景及び法制度の動向を概観しつつ、CCS/CCUSに特化した具体的な課題を検討する。
【産廃コンサルタントの法令判断/第9回】廃棄物から有価物を抜き取ることは認められている?──有価物拾集量について考える
佐藤 健(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 環境情報ソリューショングループマネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第9回)。
【環境刑法入門/第4回】循環型社会における「廃棄物」概念のジレンマ
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師)
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 大量生産、大量消費、大量廃棄を続けて「廃棄物」を単に適正処分するだけでは、地球の有限な天然資源はやがて枯渇して、人は生きていけなくなる。そこで循環型社会形成推進基本法(以下「循環基本法」)では、いわゆる3R(廃棄物の排出抑制、再使用、再利用)を進めて、廃棄物をできる限り出さない社会が目指されている。廃棄物をそもそも出さなければ、天然資源を新たに開発・獲得して環境を破壊することを防げるからである。既に排出された廃棄物を事後に適正処分して環境保全を図るというのは、もはや時代遅れである。刑事裁判例にも、循環型社会の推進との観点から、再生利用されていれば「廃棄物」ではないとするものが現れた。しかしながら、それにより廃棄物の概念の相対化が認められて、廃棄物に当たるか否かの判断も複雑になっている。今回は、この点について裁判例の当否を考える。
【まるごとわかる環境法/第16回】土壌汚染対策法(前編)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第16回は「土壌汚染対策法」(前編)。
 
 1.土壌汚染とは
【先読み! 環境法/第54回】POPs廃棄物処理制度化に向けた検討が開始
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 2004年5月に発効した「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の規制対象物質(POPs)は、現在までに計26物質群が指定されており、POPs廃棄物について環境上適正な方法で処理すること、原則としてPOPsの特性を示さなくなるように分解すること等が求められている。国内におけるPOPs 廃棄物処理の制度化に向けた検討の動きについて紹介する。

❶ POPs廃棄物処理制度化に向けた検討が開始――POPs廃棄物適正処理推進に関する検討委員会の設置
❷ 10月18日の第7回土壌制度小委員会で答申案を検討
環境法改正情報(2016年10月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◉高圧ガス保安法
◉省エネルギー法

<書評>

図解超入門! はじめての廃棄物管理ガイド 『これだけは押さえておきたい知識と実務』
佐藤 泉(弁護士)
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坂本 裕尚著
図解超入門! はじめての廃棄物管理ガイド
『これだけは押さえておきたい知識と実務』
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