環境管理バックナンバー 2017年 9月号

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2017年9月号 特集1:マイクロプラスチックによる海洋汚染の現状/特集2:ISO14001:2015とは何か

<巻頭特集>

JVCケンウッドの環境技術環境素材にこだわったウッドコーンスピーカー開発物語――ブレークスルーの契機は日本酒とスルメ
本誌編集部
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 木でつくられた楽器のような美しい響きをスピーカーで再現したい―― ある開発者の着想から、ウッドコーンスピー
カー開発の歴史がスタートした。着想から30 数年、試行錯誤の連続を経て2003 年、世界初の「天然木の振動板」
を採用したウッドコーンオーディオシステムが完成した。
 その後も現在にいたるまで絶え間ないイノベーションが進められている。開発者である株式会社JVCケンウッドの
今村 智氏に話を聞いた。

<特集1>

大洋を漂流するマイクロプラスチックの現状と今後
磯辺 篤彦(九州大学 応用力学研究所 教授)
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 日本近海の東アジア海域は、浮遊マイクロプラスチックのホット・スポットであることがわかった。海面近くの海水1m3当たりに浮遊する個数(浮遊密度)は3. 7個を数え、この値は他海域と比べて一桁高い。南極海における浮遊密度は、東アジア海域に比べて二桁は少ないものである。それでも生活圏から最も遠い南極海ですらマイクロプラスチックの浮遊が確認されたことは、すでに世界の中でプラスチック片が浮遊しない海など存在しないことをうかがわせる。

マイクロプラスチック汚染の現状と国際動向・対策
高田 秀重(東京農工大学 教授)
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 プラスチックによる海洋汚染は21世紀に入り、マイクロプラスチック問題として新局面を迎えた。汚染は海洋表層水だけでなく、海底堆積物、海洋生態系全体に広がっている。プラスチックに含まれる有害化学物質はプラスチックを摂食した生物に移行し、リモートな海域ではその寄与が大きい可能性が示唆された。国際的には予防原則的な対応がとられ、国際条約の可能性を探る会議も行われている。海洋プラスチック汚染の解決策は、持続的で循環型の社会形成の中で、温暖化、富栄養化などの環境問題全体を解決する中に位置づけて、物質循環の視点から対応を考える必要がある。

<特集2>

ISO 14001:2015でおさえておきたい5項目
伊藤 茂雄(日本検査キューエイ株式会社 審査本部 審査第3部長)
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 ISO 14001:2015は2015年9月15日に発行された。移行期間は3 年間であり、旧規格であるISO 14001:2004で認証取得している組織は2018 年9月14日までに新規格へ移行を完了する必要がある。移行完了とは、移行審査を受け、認証機関によって登録が完了するまでであり、移行期限が残り約1年となる中、移行していない認証組織は急いで準備しなければならない。多くの認証組織の環境マネジメントシステム担当者はISO 14001:2015の規格要求事項について研修機関や認証機関の説明会を通して全体像を理解していることと思う。本稿では移行準備に際してぜひ押さえておきたい5 項目に絞って解説する。

2015年版の特徴を活かした活動事例――働き方改革をケースとして
山田 衛(一般財団法人 日本品質保証機構(JQA) マネジメントシステム部門 環境審査部 部長)
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 ISO 14001:2015では、「リスク及び機会」への取り組みが導入された。これは、組織が設定した「意図した成果」の達成に影響を与える「リスク及び機会」を特定して活動に展開することで、事業運営と一体化した環境マネジメントシステムを運用し、環境パフォーマンスの向上や環境目標の達成を効果的に実現する狙いがある。本稿では、時代のキーワードとして注目を浴びる「働き方改革」を「リスク及び機会」として環境マネジメントシステムに取り込んで活動に展開することで、業務プロセスの効率化や生産性を高め、環境パフォーマンスを効果的に向上させるための取り組みについて紹介する。

2015年版 環境ISOの正体
水上 浩(株式会社 日本環境認証機構 審査本部 取締役 審査本部長)
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 環境ISO(ISO 14001)は、2004 年版が運用されてきたが、2015 年9月に改訂版が発行された。移行期間は2018年9月までの残り1年である。そこで本稿では、ムダな手間をかけずに移行を行うために知っておくべき、2015 年版環境ISOの正体(本質)について、「『当たり前』ができる」、「『やめてみる』のススメ」、「『視点を変える』に挑戦」の三つのテーマで解説する。正体を知ったうえで、2015年版を活用することによって、環境ISOは見違えるほど使い勝手の良いツールとなることをぜひ知っていただきたい。

日本規格協会セミナー「ISO 14001:2015年版移行まるわかりコース」の概要
内田 守彦(ウチダテクノサイエンス技術士オフィス 代表/技術士:機械部門)
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 2015年版の特徴は、新規に「組織の状況」や「リスク及び機会への取組み」が追加されたことである。また、組織の環境マネジメントシステムを組織の事業プロセスに統合することを明確にしている。ISO 14001:2015 年版が2015 年9月に発行され、移行期間は発行から3 年間のため、残り約1年間となった。移行審査を済まされていない組織の多くが受審の準備を進めている。移行審査が済んだ組織でも、規格解釈の誤りに気づいた、プロセスの改善方法がわからないなどの悩みがある。そこで、2015 年版への移行について、「ISO14001:2015 年版移行まるわかりコース」から重要ポイントを絞り、規格の内容及び移行の対策の要点を簡単に説明する。

徹底した「学生主体」による環境マネジメント
岡山 咲子(千葉大学高等教育研究機構 特任助教)
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 千葉大学は2005年にISO 14001を取得した。当初から「環境ISO学生委員会」が主体となり環境マネジメントシステムを構築・運用し、ISO 14001の2015 年版への対応も学生が主導した。本稿ではその学生主体の環境マネジメントシステムの仕組みである「千葉大学方式」と効果について紹介する。また、ISO14001の取得経験のある大学は全国で60校以上あるが、現在も継続している大学は25校程度である。継続における課題は大学特有のものも含めて多々ある。本稿ではそれらの課題を整理し、「千葉大学方式」と対比させて言及する。

<レポート>

実録・香川県豊島の産廃不法投棄事件 その2
本誌編集部
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 第1回(先月号)では事件の発端や行政の対応、排出者責任および廃棄物該当性などについて述べた。今回は地下水汚染に関する問題を取り上げる。大量不法投棄が起きた豊島では産業廃棄物が島から撤去され搬送先の直島で無害化処理が完了した。しかしながら地下水汚染が大きな課題として残る。地下水の浄化目標が排水基準か環境基本法の環境基準かという議論、自然の浄化作用、30mメッシュの区画、空中写真判定、岩盤の風化、宙水の存在などについても論じる。専門家のコメ
ントも入れて現場目線で実情を具体的に述べるが、土壌地下水汚染にかかわる企業にとって教訓になる事項も少なくない。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第16回】天然ガスにもダイベストメントの波が来るのか?──TCFD最終報告書を踏まえて考える気候関連財務ディスクロージャーの展望と課題
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 トランプ大統領は正式にパリ協定を離脱する旨を国連に通告したが、投資家がESG投資への関心を高め、エンゲージメント、ダイベストメントという形で低炭素化社会への移行を促す動きに陰りはみえない。
 そんな中で最近、天然ガスの座礁資産化*1を警告する論が台頭してきている。環境性が高いとされる天然ガスではあるが、それは石炭や石油との比較においての話でしかない。パリ協定が掲げた長期目標達成のためには、天然ガス関連施設も遠からずお蔵入りさせねばならない(発電設備については、バイオガスを代替燃料として利用することも言及されている)というのが「天然ガス座礁資産化論」の指摘だ。
 燃焼時にCO2 を排出することが理由で石炭関連産業からのダイベストメントを主張するのであれば、天然ガスと石炭はまさに五十歩百歩。これまで石炭だけを悪者としてきた議論がバランスを欠いていたのであり、こうした論が出てくることは当然の流れであろう。参照シナリオによって座礁資産の定義は変わるのであり、これは企業が「気候変動関連リスク」の情報開示をするにあたっての課題の一つともなっている。
 そして石炭も天然ガスも、IEA(国際エネルギー機関)の予測等を参照すれば、今後も途上国の経済発展を支えるエネルギー源であると考えられている。それらが近い将来座礁資産と化すとの論は果たして現実的なのであろうか。可能性は無視すべきではないが、確率の問題を無視した議論になっているという懸念は指摘せざるを得ない。
 これまでこの連載でも繰り返し指摘してきた通り、気候変動による企業の財務・金融リスクの情報開示は、いわば理念先行、議論が未成熟であることは確かだ。しかし、そうした情報開示を企業に求める動きがこれまで以上に活発になっていることは指摘しておきたい。具体的には、オイルメジャーなど複数の会社が今年の株主総会において、2℃シナリオを前提とした各社の事業見通し、長期ポートフォリオの評価を行うことを求められ、決議されているのだ。今後彼らは、2℃シナリオを前提に個社の事業見通しや長期ポートフォリオを分析し、財務・金融リスク情報を開示することになるわけだが、2℃シナリオというグローバルでマクロなシナリオと企業の活動を整合的に分析しうるのかが注目される。
 企業の気候関連財務ディスクロージャーを求める動きとその課題、7 月15 日に公表された「気候関連財務ディスクロージャータスクフォース( Task Force on Climate-related Financial Disclosures,TCFD)の最終報告書等を整理し、企業活動に大きな影響を与えうるこの議論の動向を占う。

【新・環境法シリーズ/第67回】環境法制における放射性物質適用除外規定の削除について
奥主 喜美(環境省 参与)
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 東日本大震災による福島第一原発事故は広範な環境汚染を引き起こした。環境汚染への対応は放射性物質汚染対処特措法に基づき実施されることとなったが、これは、従来原子力基本法等に委ねられていた放射性物質による環境汚染対策を環境法の体系の下で行うという環境法制にとって大きな転換を意味する。これを受けて環境基本法をはじめ放射性物質適用除外規定を削除する改正が進められたが、適用除外規定の削除の議論は、放射性物質による環境汚染対策の一般的な仕組みのあり方議論に直結するなど、大きな課題を含んでいる。

【産廃コンサルタントの法令判断/第18回】実は他人事ではない!――水銀廃棄物に関する法改正
渡山 夏代(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 マーケティンググループ)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第18回)。

【まるごとわかる環境法/第25回】労働安全衛生法(第1回)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第23回は「労働安全衛生法」(第1回)
 
 1.労働安全衛生法の基本的な仕組みについて
 2.化学物質による疾病等はどのくらいあるでしょうか。
 
【先読み! 環境法/第63回】エネルギー基本計画の見直し検討開始――2050年80%削減実現に向け「エネルギー情勢懇談会」を新設
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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  2014年に策定したエネルギー基本計画は見直しの時期が来ているため、経済産業省は8月に新たに委員会を立ち上げ、検討を開始した。その概要を紹介するとともに、見直しのポイントとなる再生可能エネルギーのこれまでの論点を経済産業省が取りまとめたので、そのポイントと注目課題を解説する。

 ❶エネルギー基本計画の見直し検討開始――2050 年80%削減実現に向け「エネルギー情勢懇談会」を新設
 ❷ 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会が本年7月にまとめた「これまでの論点整理」
環境法改正情報 (2017 年7月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉高圧ガス保安法
 ◉省エネルギー法
 ◉地球温暖化対策推進法
 ◉化審法
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