環境管理バックナンバー 2018年 12月号

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2018年12月号 特集:資源循環技術の未来2018

<巻頭特集>

【エネルギーからみた地球温暖化問題シリーズ/特別編】地球温暖化政策財団 ベニー・パイザー氏にきく 英国から考える、気候変動政策の今後
聞き手・構成:竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 地球温暖化問題について分析・発信を続けている英国のシンクタンク「地球温暖化政策財団」(The Global Warming Policy Foundation)のベニー・パイザー(Benny Peiser)所長が来日し、一般財団法人 キヤノングローバル戦略研究所が主催するシンポジウムに登壇した。気候変動の科学の不確実性、その不確実性を踏まえた上で気候変動政策はどうあるべきかを考えるという二部構成で進められたシンポジウムは、わが国の気候変動対策を巡る議論の中では得難い視点と示唆を与えてくれた。
 保守党、労働党双方の代表的な政治家、英国国教会やイングランド銀行から多様なボードメンバーを迎え、「地球温暖化問題について、できるだけ現実的な観点から、政府が採択する政策の評価をする」ことを続けている同シンクタンクの所長として活躍するパイザー氏に、EUおよびイギリスの温暖化政策の今後、IPCCの報告書に対する評価や台頭するESG投資について、そして日本へのアドバイスを伺った。

<特集>

3R動向と平成30年度「資源循環技術・システム表彰」について
中村 崇(東北大学 名誉教授)
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 現在の3Rに関わる大きな課題は、低炭素を実現するための真の循環型社会を構築することである。従来は単に廃棄物処理の高度化、その結果による廃棄物処分場の延命が大きな目的であった。それが地球温暖化の問題が大きくなったためにエネルギー・資源効率の増大が目標となり。より具体的な目的として循環経済(Circular Economy:CE)の実現が挙げられるようになってきた。これにIoT 技術が加わり3Rにも大きな変革の時代になりつつある。
 そのような状況の下、平成30 年度の「資源循環技術・システム表彰」は資源効率を大幅に上げることができるタイヤのリユース事業が経済産業大臣賞を受賞した。大幅な資源使用量の削減が評価されたものといえる。また、できるだけ循環の輪を短くすることを目指すとのメッセージも含まれている。そのほかにも本年度はアップグレードリサイクルを実現した醤油粕からのセラミドの製造など、特徴あるテーマが選定された。
一般社団法人 産業環境管理協会「資源循環技術・システム表彰」「リサイクル技術開発本多賞」「3R 先進事例発表会」実施報告
一般社団法人 産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター
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 一般社団法人産業環境管理協会は、資源の効率的な利用の促進、循環ビジネスの振興を目的として、廃棄物のリデュース、リユース、リサイクルの先進的な取組を顕彰するために毎年、「資源循環技術・システム表彰」、「リサイクル技術開発本多賞」を広く募集、表彰するともに受賞内容の広報を目的として「3R先進事例発表会」を開催している。
 本年は、平成30年10月11日に機械振興会館ホール( 東京、芝公園)において、経済産業省大臣官房審議官(産業技術環境局ご担当)渡邊昇治様をお迎えして「平成30年度資源循環技術・システム表彰( 第44回)表彰式」、「平成30年度リサイクル技術開発本多賞( 第23回)表彰式」および「平成30年度3R先進事例発表会」を開催し、140名の参加を得た。
【平成30年度リサイクル技術開発本多賞受賞(第23回)】金属配位水溶性ポリマーを基盤とした簡便かつ高回収レアメタル捕集材料の開発
永井 大介(群馬大学 大学院理工学府)
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 我々は、金属配位ユニットとしてチオカルボニル基と、水溶性ユニットとしてアミノ基を有するポリマーを合成することにより、簡便かつ高回収でのレアメタル捕集ポリマーの開発に成功した。ポリマーは金属塩水溶液に溶解するため金属イオンを効率良く吸着でき、吸着量増加に伴い沈殿するため、ろ過操作により簡便に分離できるシステムの開発に成功した。例えばパラジウム回収の場合、ポリマー1gあたり0.508gのパラジウムを捕集できる極めて高い捕集能を有している。
【平成30年度リサイクル技術開発本多賞受賞(第23回)】石炭火力発電所脱硝触媒の劣化メカニズムと化学洗浄技術の適用
服部 雅典(中部電力株式会社 技術開発本部 電力技術研究所 研究副主査)
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 石炭火力発電所の脱硝触媒は長期間の使用により性能が低下するため、定期的な取替が必要となる。しかし、取替時に多くの廃棄触媒が発生すること等が課題となっていた。そこで、化学洗浄による性能回復技術を適用することで、脱硝触媒のリユースを検討した。本研究では、脱硝触媒の劣化メカニズムを検討し、従来とは異なる新たなメカニズムが存在することを見出すとともに、化学洗浄により劣化原因である表面付着物(ケイ素)を除去することで触媒性能をリユースすることが可能であることを検証した。このことにより、取替に伴う廃棄触媒の大幅な削減ができた。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回) 経済産業大臣賞受賞】使用済み(トラック・バス用)タイヤ再利用によるリユース事業
須藤 克己(ブリヂストンBRM株式会社 代表取締役社長)
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 当社では、使用済みのトラック・バス用タイヤを用いてリトレッドタイヤを製造し、販売している。このリトレッドタイヤは、廃棄される使用済みタイヤの削減、資源の有効活用、タイヤの原材料調達、生産、流通、使用、廃棄する過程で発生する温室効果ガス排出量の削減が図れることから、資源の循環利用と環境負荷低減に有効なタイヤということができる。
 当社は毎年50 万本を超えるリトレッドタイヤを製造・販売しており、それだけ廃棄される使用済みタイヤが再利用されたことになる。加えて、リトレッドタイヤの自社台方式®「Customer's Own Casing」を拡大してきたことにより、さらなる資源の循環利用にも貢献している。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回)経済産業省産業技術環境局長賞受賞】醤油粕からの世界初となるフリーセラミドの素材化
宮鍋 征克(株式会社 ジェヌインアールアンドディー 代表取締役社長)
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 全国で大量に排出される醤油の搾り粕から、世界で初めて天然物由来のフリー体セラミドを高純度で素材化し事業化した( 特許第5013348号(平成24年))。セラミドとは人の皮膚や神経系などで非常に重要な役割を持つ成分で、健康食品や美容業界でも近年非常に注目されている素材である。これまで一般的に流通していた非ヒト型の天然セラミドや化学合成セラミドとは異なる、天然物由来の高機能セラミドである。弊社はそのセラミドを福岡県の醤油粕から製造し、さらにセラミド抽出後の醤油粕は牛の飼料として有効であるという、資源循環
システムを構築した。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回)経済産業省産業技術環境局長賞受賞】循環型社会に向けた建設機械の部品再生事業のグローバル展開
坂入 哲也(日立建機株式会社 営業統括本部 ライフサイクルサポート本部 部品事業部 部品開発部開発グループ)
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 従来、建設機械の油圧機器等における使用済ユニットは鉄スクラップ扱いされ、溶解処理のあと資源として再利用されていた。しかし、使用済みユニットを再生してもう一度使えるようにすれば、さらなる省資源や省エネにつながる。顧客の休車時間をできるだけ短縮しつつ、新品ユニットと同等の機能を確保、リーズナブルな価格で提供、これらをすべて実現した形で生まれてきたのが部品再生事業である。このビジネスモデルは顧客から幅広い支持を得て、現在世界8か国で事業展開を行っている。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回)経済産業省産業技術環境局長賞受賞】複動金型及び製品ビードによるスクラップ削減
川口 恵司(ホンダエンジニアリング株式会社 専任技員)
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 ホンダエンジニアリング(EG)が開発した生産技術、企画した生産ラインは全世界のHonda 生産拠点に導入され、製品の品質や生産性の向上、製造工程の環境負荷低減に貢献している。
 Hondaの環境取り組みの基本方針は“Blue Skies for Our Children(子どもたちに青空を)”である。Hondaはこのグローバル環境スローガンを掲げ、「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」を実現すべく、環境に取り組んでいる。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】焼却灰溶融処理の再資源化システム
菊野 孝則(中央電気工業株式会社)
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 従来、社会生活の中で排出された一般廃棄物の可燃ごみ等はクリーンセンター等で焼却し、残渣である焼却灰は最終処分場への埋め立て処分が一般的であった。しかし近年、最終処分場の逼迫及び天然資源の枯渇が懸念され、再資源化の重要性が高まっている。
 当社は合金鉄事業で培った電気炉の操業技術を活かし、1995年に民間企業として初めて廃棄物溶融リサイクル事業を開始した。その後2000年初頭に廃棄物処理専用炉2炉の操業を開始、2018 年には3号炉を新設し、高まる循環型社会のニーズに応えている。
 本技術では、焼却灰や産業廃棄物を原料として廃棄物専用の電気炉で溶融し、メタル、人工砕石(登録商標:エコラロック)、飛灰として全量再資源化している。ダイオキシン等の有害物質は1,500℃以上の高温により無害化され、環境安全性の高い、性状の安定した資源として供
給できる。これにより、埋め立て処分量の削減のみならず、都市鉱山に埋もれていた貴重な資源を有効に利用し、天然資源の採取削減による環境保全にも貢献している。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】還元溶融による焼却灰の再資源化
小島 久典(メルテック株式会社)
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 従来は、焼却灰などを最終処分場で埋立て処分するのが一般的であったが、近年の最終処分場の逼迫と資源循環型社会構築の必要性から、廃棄物の再資源化が促進されている。
 当社では、還元溶融炉と徐冷設備を組み合わせることで、焼却灰を溶融して製造した溶融スラグを、道路用路盤材や駐車場などの整地材向け石材として販売している。また、焼却灰中の貴金属(金、銀、銅、プラチナ、パラジウム)や重金属( 亜鉛、鉛など)の回収、販売も行い、最終処分場の延命化と焼却灰の再資源化に寄与している。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回) 一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】金属切削屑(ダライ粉)のブリケット化
米丘 賢(横浜ゴム株式会社 長野工場)
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 当社は、長野県南信地域にて、高圧ホースアセンブリの組立とそれに用いる金具の製造を行っている。
 ホースアセンブリ用の金具を製造する際に発生する金属切削屑(ダライ粉)について、従来はそのまま金属屑の回収業者に引渡しを行っており、有価引取りではあるものの産業廃棄物として排出量の計上を行っていた。
 金具の切削加工は主に多軸自動盤、NC旋盤を用いて行っているが、当時、工場で発生する産業廃棄物の70%以上をダライ粉が占めていた。
 多軸自動盤から排出されるダライ粉を圧縮・成型して付加価値を付け、鉄鋼原料用のダライ粉ブリケットとして製鉄会社に直接販売することで、産業廃棄物の削減、鉄スクラップの資源循環に繋がる仕組みが確立できた。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回)一般社団法人 産業環境管理協会会長賞受賞】もみ殻連続炭化装置の開発
古川 承元(エスケイ工業有限会社)
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 米の収穫後に大量に発生するもみ殻は、従来、廃棄物として廃棄される場合が多く、また燻炭にする場合でも、①煙が多い、②臭いが強い、③もみ殻燻炭にタール分が多い、④製造に時間がかかる等の課題が多かった。
 当社は、煙や臭いを削減させる技術について改良を繰り返した結果、もみ殻炭の装置の燃焼部分(もみ殻炭化部分)の上部に2 次燃焼装置を設置することにより、燃焼効率が良くなり、当初課題となっていた煙と臭いがなくなる装置を開発した。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回) 奨励賞受賞】拡張パイル工法による建築物の地盤補強における投入資源の削減
木下 友和(パナソニックホームズ株式会社 品質・環境部 環境企画課)
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 パナソニック ホームズは、パナソニックグループの住宅事業を担う企業として、快適な住生活を追求し、事業活動を行っている。「エコライフ住宅宣言」(2003年)から環境活動を本格的にスタートし、パナソニックグループによる「エコアイディア宣言」(2007年)の発信に合わせて、環境経営を加速させてきた。近年、当社は、長期環境行動計画「パナソニック環境ビジョン2050」(2017年6月制定)を受け、2050年度に向けて、全事業活動及び住宅性能における環境負荷の低減活動において、一層の発展を目指して取り組んでいる。
 この度パナソニック ホームズは、軟弱地盤の地盤補強に用いる杭状補強材として、鋼管を筒状にし、加圧注水により膨張させる独自の技術「拡張パイル工法」を開発。これにより、従来の工法と比べ、杭状補強材として投入される資源を大幅に抑制し、かつ将来においては建替え(解体時)に発生する地盤補強材の廃棄物の削減にも寄与している。
 以下、「拡張パイル工法」の技術概要および実施事例について紹介する。
【平成30年度資源循環技術・システム表彰(第44回)レアメタルリサイクル賞受賞】リチウムイオン電池の高度リサイクル
阿部 知和(本田技研工業株式会社)
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 本稿では、自動車の電動化に伴い使用量が大幅に増加している三元系(NCM)リチウムイオン電池(LiB)において、資源回収率が高く、処理費用が低減できるリサイクル技術の研究に関して説明する。
 LiBの正極材には、レアメタルであるニッケルやコバルトが使用されているが、現在は適切な回収と利用がなされていない。本研究ではバッテリーを徹底分解することで、各部品を高品位な状態で回収し、リユースや素材として活用する技術の検討を実施した。特に正極材に使用されているニッケルとコバルトに関し、合金化することで付加価値の高い水素吸蔵合金の原料としての活用ができることを見い出した。本研究では大量処理設備検討のための基礎条件の定量的な把握を目的とした。

<シリーズ>

【合理的環境主義者の視点/第9回】これからの省エネ政策のありかたは?
杉山 大志(一般社団法人 キヤノングローバル戦略研究所 上席研究員)
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 トップランナー制度等で知られる省エネ法は、日本の省エネ政策の支柱として重要な役割を果たしてきた。だが、かつての日本の家電業界の黄金時代は終わり、また今、AI・IoT 等の新技術の波が、工場、オフィス、家庭に押し寄せている。省エネ法のありかたも変わっていかねばならないが、どうすれば良いか?
【産廃コンサルタントの法令判断/第33回】有害物質が含有する普通産廃とは?――特定有害産業廃棄物の判断基準
佐藤 健(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第33回)。

【新・環境法シリーズ/第82回】アイスランド・ヘリシェイデイ地熱発電所探訪
柳 憲一郎(明治大学 法学部 教授)/小松 英司(明治大学 環境法センター 専門研究員)、岡松 暁子(法政大学 人間環境学部 教授)
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 アイスランドの首都レイキャビックから東南に32kmに位置するヘリシェイデイ(Hellsheidi)地熱発電所では、EUのプログラムによって、CarbFixプロジェクトを実施している。これは、アイスランドのReykjavik Energy社、アイスランド大学、フトゥールーズ国立科学センターとコロンビア大学などの共同研究チームにより、地熱発電所から出る二酸化炭素を玄武岩層に注入し、炭酸塩鉱物(carbonate mineral)化を意図する実践的かつ経済効率化に向けたCCS実証実験プロジェクトであり、2012 年から開始されたものである。2018 年9月17日にヘリシェイデイ地熱発電所を訪問する機会を得たため、現在取り組まれているCarbFixプロジェクトを紹介しつつ、欧州のCCS導入に関する法制度に焦点を当て、将来の玄武岩への炭酸塩鉱物化貯留技術の実用化に向け、関連規制についても考察するものである。
【ニュースから読み解く環境刑法/第5回】気をつけたい大気の汚染
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
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 前回は、「気をつけたい水の汚染」というテーマで、刑法や水質汚濁防止法が水質汚染の防止のために様々な罰則を規定していることを説明しました。
 今回は、水と同じように我々の生活に欠かせない「空気」(大気)の汚染に対して、企業活動で注意すべき法律「大気汚染防止法」とその罰則について、最近の事件を用いながら説明します。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第3回】建設廃棄物の巻
長岡 文明/廃棄物処理法愛好会
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 みなさんこんにちは。
 このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 聞き手は、某企業の廃棄物管理部門に配属されて3年目、廃棄物処理法を鋭意勉強中のBUNさんです。
 第3回目は、「建設廃棄物」について、リサイクルとの関係に触れながら取り上げます。今回の担当は昭和の時代から建設業に携わり、その関係から廃棄物処理法にも造詣の深いK棟梁さんです。
【環境担当者のための基礎知識/第12回】会社役員が酒酔い運転で人身事故――欠格要件で産廃許可が取消し
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 大手の事業所では子会社などで産廃処理業の許可を保持し、さらに破砕・圧縮や汚泥脱水など施設設置の15 条許可を得ているケースも多い。大手企業向け研修で、廃棄物関連の事業や施設設置の許可が取り消しになる「役員等の酒酔い事故」を警告したところ、某ベテラン法務担当から「役員の個人的罰則と会社の業務は一切関係ない」と一喝された。廃棄物規制の厳しさをご存じない法務担当や弁護士、経営層が少なくないことに改めて驚いた。
 その研修のあとで、残念なニュースが世界に発信された。ヒースロー空港で酔っ払った日本人パイロットが逮捕された事件である。最近になっても酒酔い運転やあおり運転など危険運転に関するニュースが目につく。産廃の許可を持つ法人の役員等が、酒酔い運転の事故や危険運転などで禁錮刑(執行猶予含む)、もしくは廃棄物処理法などで罰金刑が確定すると、勤務先の業許可や施設設置許可も取消処分になる。今回は酒酔い運転と産廃関連許可の取消しについて解説し、さらに、罰則が強化されたばかりのマニフェストと難しい欠格要件のポイントを説明する。
【先読み! 環境法/第78回】プラスチック資源循環戦略(案)が11月13日の第4回プラスチック資源循環戦略小委員会で了承――海洋プラスチックごみの汚染防止とプラスチック廃棄物の国内資源循環化の徹底
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 プラスチック問題に対する世界の動きを受け、中環審循環社会部会・プラスチック資源循環戦略小委員会で了承された「プラスチック資源循環戦略(案)」を紹介し、当問題に対する政府の認識とスタンスについて解説する。10月に仁川(韓国)で開催されたIPCC総会で承認を受けた特別報告書の政策決定者向け要約(SPM)の概要についても紹介する。
 ❶プラスチック資源循環戦略(案)が11月13日の第4回プラスチック資源循環戦略小委員会で了承―― 海洋プラスチックごみの汚染防止とプラスチック廃棄物の国内資源循環化の徹底
 ❷IPCC(気候変動政府間パネル)が「1.5℃特別報告書」を公表――温暖化の進行は予想より早く、対策は2℃から1.5℃目標に
環境法改正情報(2018年10月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉オゾン層保護法
 ◉公害防止管理者法
 ◉毒劇法
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