環境管理バックナンバー 2020年 2月号

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2020年2月号 特集:SDGs時代における企業の変革

<巻頭レポート>

工場火災と森林火災
本誌編集部
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 アメリカにある日系大手化学会社の工場で、2018年5月に火災が発生した。この工場火災で火傷など身体的または精神的傷害を受けた外部委託の作業員など160名超が、損害賠償を求め会社を提訴した。テキサス州の巡回裁判所に提起されていた訴訟に関し、日本にある本社は一部の原告と約289億円(2億6,500万米ドル)で和解した(2020/1/6 発表)。
 当記事では、上記を含めた最近の火災関係の事件を紹介する。
 

<特集>

横浜市にきく SDGs 未来都市・横浜の実現に向けて──ヨコハマSDGsデザインセンターの取り組み
本誌編集部
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 横浜市は、2008年に「環境モデル都市」、2011年に「環境未来都市」に選定され、環境問題や超高齢化問題など世界共通の都市課題に取り組んできた。その先進的なまちづくりをさらに推し進めるとともに、世界が合意した「持続的な開発目標(SDGs)」の達成に貢献するため、2018 年6 月に「SDGs 未来都市」に選定され、一層の先鋭的な取り組みを求められることとなった。
 本稿では、企業や団体との「連携」により事業を創出し、SDGs未来都市を実現するために創設された「ヨコハマSDGsデザインセンター」における具体的な取り組みについて、横浜市 温暖化対策統括本部 SDGs 未来都市推進課 小林 武担当係長に話を聞いた。
ビジネスの道しるべとしてのSDGs
佐野 郁夫(SOMPOリスクマネジメント株式会社 顧問/北海道大学大学院 公共政策学連携研究部附属公共政策学研究センター 研究員)
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 2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に示された持続可能な開発目標(SDGs)は、今日の地球社会が抱える問題を解決し、地球と社会を持続可能なものにするために取り組むべき具体的な課題と目標を示している。企業にとってSDGsは、現在世界で求められているビジネスが何かを示す手がかりとしての意味を持っている。
 政府の策定した「(拡大版)SDGsアクションプラン2019」や、環境省が示した地域循環共生圏」構想では、特にSDGsを地方創生に生かすことが示されており、日本国内において期待されているSDGsに関するビジネスを示す重要な示唆となっている。
SDGs 統合型ビジネスの要諦とサーキュラーエコノミー
山田 太雲(モニターデロイト スペシャリストリード(サステナビリティ)/加藤 彰(モニター デロイト マネジャー)
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 世界的にSDGsの進捗が芳しくない中、今後ステークホルダーの企業に対する監視はさらに厳しくなる。SDGsが企業経営に投げかける問いの本質は、「事業が成長すればするほど社会がよくなる」収益モデルの確立であり、外部不経済を積極的に内部化することで経済的にも勝つという、難易度の高い戦い方ができるかどうかである。
 その新たな戦い方でカギとなるのが、外部ステークホルダーとの「エコシステム」で社会親和性の高い市場を創造することだ。「サーキュラーエコノミー」は、潜在的市場規模が非常に大きく、かつエコシステム型競争に適した領域である。
SDGsは実行段階へ、問われる企業の対応の巧拙
村岡 元司(株式会社 NTTデータ経営研究所 社会基盤事業本部 本部長/エグゼクティブコンサルタント)
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 SDGsが採択されて4年以上が経過し、SDGsへの取組みを具体化し成果を生み出している企業も増加しつつある。成功した企業では、社会課題や環境課題をビジネスチャンスとして捉え、企業の本業としてビジネスによって課題解決を図ろうとしている。SDGsへの取組みは企業活動のソーシャルビジネス化を促進しており、中小企業やベンチャー企業は企業そのものがSDGsの担い手である。今後は、ビジネス生態系を視野に入れた戦略的連携が重要になるだろう。また、SDGsへの取組みは、人材獲得の面からも重要である。
SDGsを経営のど真ん中へ!――長野県におけるSDGs達成に向けた取り組み
長野県 産業労働部 産業政策課
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 長野県では、中小企業におけるSDGs達成に向けた取り組みを後押しするため、2018年5月に関東経済産業局と連携し、「地域SDGsコンソーシアム」(NAGANO×KANTO 地域SDGsコンソーシアム)を立ち上げ、SDGsを活用した地域中小企業の企業価値向上と競争力強化のために効果的な手法を検討し、新たな支援の仕組みづくりを行った。
 そして、具体的な支援として、2019年4月に「長野県SDGs推進企業登録制度」を創設し10月末の時点で162 者の企業等を登録した。

<報告>

令和元年度(第49回)公害防止管理者等国家試験結果について
一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者試験センター
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 令和元年度公害防止管理者等国家試験は、令和元年10月6日(日)に全13種類の試験区分につき全国9か所(札幌市、仙台市、東京都、愛知県、大阪府、広島市、高松市、福岡市、那覇市)の試験地において実施した。この結果の概要は次のとおりである。
令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰――表彰式の開催報告
一般社団法人 産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター(リデュース・リユース・リサイクル推進協議会事務局)
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 一般社団法人 産業環境管理協会が事務局を務めるリデュース・リユース・リサイクル推進協議会は、平成4年度から、循環型社会の形成に向け、長年、廃棄物等の3Rに率先して取り組み、資源の有効利用、環境への負荷の低減に継続的な活動を通じて顕著な実績を挙げている個人・グループ・学校・事業所・地方公共団体等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」を毎年実施し、本年度で28 回を迎えた。本表彰は3Rに関係する7省(財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が後援し、内閣総理大臣賞をはじめ、各大臣賞、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞が授与される。
【令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞受賞】「藤工環境活動プロジェクト」で取り組む多様な3R 活動
富岡 賢洋(群馬県立藤岡工業高等学校 教諭/群馬県地球温暖化防止活動推進員 群馬県環境アドバイザーエネルギー管理士(熱・電気))
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 藤岡工業高校では、10年以上前から紙のリユース・リサイクルなどの環境保全活動に取り組み、平成20(2008)年度にはリデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰において会長賞を受賞した。そして平成28(2016)年度からは、それまでの活動に加えて新たに授業や課外での環境活動・環境学習をプログラム化した「藤工環境活動プロジェクト」をスタートさせた。このプロジェクトは、環境に配慮した行動の実践をとおして、生徒の課題発見力と解決力、主体的・協働的な行動力、および道徳心を向上させることを目的とし、あわせて学校の発信力も高めることも目指している。ここでは、プロジェクトで展開している「多様な3R活動」について紹介する。
【令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞受賞】製品濃縮化とつめかえ・つけかえ化による包装容器におけるプラスチックの継続的削減
柴田 学(花王株式会社 ESG活動推進部 ESG活動マネジメントグループ 担当部長)
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 花王は、衣料用洗剤やシャンプー、全身洗浄剤など、プラスチック包装容器を使用した生活者に身近な製品を提供している。家庭ごみの55%程度(容積比)を占める包装容器の使用量を削減するために、特にプラスチック包装容器を対象に、製品の濃縮化、つめかえ・つけかえ製品の提供を中心とした3R活動を継続的に行っている。2017年にはつめかえ製品をつめかえずそのまま使用することを可能とした「スマートホルダー」を提供。これらの結果、プラスチック使用量を73%削減(2018 年実績)。さらに5自治体において、使用済みつめかえパックを回収・リサイクルし、地域で活用する「RecyCreation」活動を、地域住民やパートナー企業と協働で実施している。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第41回】気候変動国際交渉を巡る三つの乖離――COP25を終えて考える、温暖化問題に「本当に必要なこと」
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 昨年12月、スペインのマドリッドで開催されたCOP25は、12月15日(日)まで延長され閉幕した。正式な会期である2週目の金曜日までに議論が終わらないのは毎年のことなので、筆者は余裕をみて14日(土)に現地を発つ旅程にしていたが、それでも最終決着はみられなかった。筆者の記憶が正しければ、日曜日まで延長するのは南アで開催されたCOP17以来であり、これまでで最長の会期となった。交渉しなければならなかった論点がほぼパリ協定第6 条の運用ルールのみであることを考えれば、この国連交渉プロセスの非効率性と、合意を得ることの難しさは以前にも増しているようにも思われる。
 そもそもCOPの役割は、パリ協定の採択・発効により大きく変質したと考えるべきだろう。パリ協定の下では、各国は「自国で決定する貢献(Nationally Determined Contribution:NDC)」という削減目標を掲げる。京都議定書の下では、各国の目標が交渉を経て決められたが、パリ協定は各国の自主性を前提とする枠組みである。パリ協定の締約国は、NDCを作成して国連事務局に提出し、その後達成に向けた国内対策をとることを義務づけられている。条約事務局は5年ごとに全体の進捗を評価する「グローバル・ストックテイク」を行い、各国はこれを踏まえて5年ごとにNDCを再提出することが義務づけられているが、評価の仕方などに関するルールも策定されてしまえば、あとは運用に委ねられることとなる。
 そうなると、COPで何が交渉されるのか。詳細ルールについての議論はまだ少し残るものの、その役割を既に変えつつある。COP25の会場内外の雰囲気や議論の流れをお伝えしつつ、雑感的にまとめてみたい。
【産廃コンサルタントの法令判断/第47回】13号分析が改正――その影響は?
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第47回)。
【新・環境法シリーズ/第96回】CCS実施政策の経済評価
板岡 健之(九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授)
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 CCS(二酸化炭素回収貯留技術)は温暖化対策の有望な選択肢と考えられているが、設置者にとっては温暖化対策のみに効果をもたらすコスト増の技術であるため、その推進には何らかの政策的措置が必要となる。CCSはエネルギーインフラに影響を与えうる大規模事業であり、そのような社会に大きな影響を与える事業にかかわる法規制の実施においては、事前評価を行ことが必要となっている。CCS実施政策の経済評価のための、規制影響経済評価手法の日本における適用の可能性について、CCS実施政策によるCCS普及シナリオを想定し、温暖化対策の便益評価の不確実性を考慮ながら、費用便益分析、費用対効果分析を実施するとともに、現状のCCS 関連法規制の改正の方向性について、CCS 事業への影響をキャッシュフローの分析により分析した。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第17回】「計画」の巻
横山 英史/長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 第17回目は、各種「計画」について取り上げます。今回の担当は、某自治体で環境行政の中核を担うY先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第26回】気候変動や異常気象の犯人は水蒸気か――大気の構造から地球環境を考える
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 未来を暗示するかのように、大気組成の一覧でCO2の割合が0. 03%から0. 04%( 400ppm超)に表示が変わってしまった。温暖化の原因となる温室効果ガスに関し、地表の全温室効果に対する割合は水蒸気と雲の合計で67%、CO2が21%である。CO2より水蒸気などの割合がはるかに大きい。温暖化の議論であまり話題に出ない水蒸気だが、地表で熱エネルギーを水平垂直方向に移動させ気象や気候を左右する重要な機能がある。
 本稿では、水蒸気など大気の基本的事項や大気循環について解説する。気体-液体-固体の状態変化に関与する熱エネルギー、潜熱を解説し、大気の構造なども簡単に説明する。水蒸気が気候変動の根幹に関わる重要因子であること、さらに金星や火星と比較すると、奇跡の惑星と呼ばれる地球の大気がより理解できる。
【先読み! 環境法/第92回】COP25の結果について
小幡 雅男(前・神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 日本が海外の環境NGOから「化石賞」を贈られたことばかりが話題になった昨年12月のCOP25の結果について報告する。また、先月号で紹介した「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」に続き、建物解体現場において本来はばく露防止措置として一体化し、遵守していくべき大気汚染防止法の石綿飛散防止規制と労働安全衛生法の石綿則の今後の方向性について解説する。
 ❶COP25の結果について
 ❷建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等の見直しの方向性(案)――2019年12月3日厚生労働省労働基準局の「第5回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策検討会」の中間とりまとめ
環境法改正情報(2019年12月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉労働安全衛生法
 ◉オゾン層保護法
 ◉廃棄物処理法及びPCB 処理法
 ◉資源有効利用促進法
 ◉容器包装リサイクル法
 ◉家電リサイクル法及び自動車リサイクル法
 ◉PRTR法
 ◉消防法
 ◉農薬取締法
 ◉高圧ガス保安法
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