環境管理バックナンバー 2021年 2月号

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2021年2月号 特集:菅・バイデン政権と地球温暖化問題

<巻頭レポート>

地熱発電――日本初の地熱発電所
本誌編集部
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  地熱は有望な再生可能エネルギーの一つで、天候に左右されず24時間発電できる優れものである。日本では石油や石炭の枯渇に備える代替熱源のため、1919年に海軍中将・山内万寿治氏が別府で噴気孔の掘削に成功し1925年には東京電灯が日本で初めて1.12kWの地熱発電を実証した。
 そして1966年に岩手県で松川地熱発電所が国内初の商業運転を開始し、翌年には大分県の大岳発電所も稼働した(写真1)。歴史がある松川地熱発電所の取材を参考に、地熱発電についての概要をレポートする。
 
最近の気になるニュース・クリッピング
本誌編集部
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 脱炭素社会の切り札である太陽光発電所に関して導入支援する自治体は多い。しかしメガソーラー新設などに歯止めをかける条例は全国100以上の自治体で導入され、改正も含め関連する条例は増加傾向にある。しかも、その規制内容や改正は厳格化しつつある。国が進める再エネ促進などの環境政策に対し、地元は近隣住民の強い反対に対応するため、条例で事前手続きを強化する動きもある。脱炭素政策が自然破壊・災害リスク増加の免罪符とはならないはずだが、今回、宮城県と山梨県の紛争事例をレポートし、関係するアセス条例と太陽光条例について解説する。
 

<特集>

バイデン政権下の米国の気候変動対策――2030 年目標、グリーンリカバリー、カーボンプライシング・国境炭素調整を中心に
上野 貴弘(一般社団法人 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員)
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 バイデン大統領は選挙戦中に掲げた気候変動公約の実現に向けて動き出す。多岐にわたる論点の中で、日本に影響を及ぼしうるものとして、「① 2030年目標」「②グリーンリカバリー」「③カーボンプライシングと国境炭素調整」を取り上げ、①については、2005年比で40~50%の削減が今後の検討の目安となるであろうこと、②については、民主党が上院の多数派を奪取したことで成立の可能性が出てきたこと、③については、部門別の規制措置が優先され、カーボンプライシングの導入機運は高まっていないことを論じた。
温暖化関連ビジネスに潜むリスク
杉山 大志(キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)
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 再生可能エネルギーや電気自動車など、温暖化関連ビジネスに乗り出す企業が増えている。だがそこにはいくつものリスクが潜んでいる。事業戦略決定の参考として提示したい。
 ①2050年CO2実質ゼロは実現不可能な目標であり、これを目指すことによって、日本はいっそう高コスト体質になる危惧がある。②かかる極端な対策を正当化するほど強固な科学的知見は存在しない。以上2 点から実質ゼロ目標がいずれ取り下げられることは必定である。③いま投資家はCO2に注目しているが、やがて脱中国の圧力が一層強まるとみられ、事業者は対応を迫られるだろう。④実質ゼロを目指すことと経済成長と両立するには「実質」の意味を弾力的に解釈し、国内では高コストなCO2削減策を避け、海外における日本の技術の利用によるCO2削減を広範に勘定するほかない。
中国のグリーン発展政策
倪 悦勇(三菱電機(中国)有限公司 ゼネラルマネージャー博士)/卢 春陽(中国情報通信研究院 博士)
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 中国は経済発展最優先から経済と環境の両立へ発展方針を変更し、グリーン発展を提唱している。深刻な環境問題を解決するための環境規制の強化と遵法管理の厳格化は国策として推進されているため、企業の環境コンプライアンスリスクは高まっている。一方、中国は積極的に温暖化対策に取り組んでおり、責任ある大国として温室効果ガス削減の中長期目標を表明し、グリーン製造をはじめとした、社会を全面的にグリーン転換させる政策を計画、展開している。中国における環境ビジネスチャンスが潜んでいるといえる。

<報告>

令和2年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰――表彰式の開催報告
一般社団法人 産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター(リデュース・リユース・リサイクル推進協議会事務局)
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 一般社団法人産業環境管理協会が事務局を務めるリデュース・リユース・リサイクル推進協議会は、平成4年度から、循環型社会の形成に向け、長年、廃棄物等の3Rに率先して取り組み、資源の有効利用、環境への負荷の低減に継続的な活動を通じて顕著な実績を挙げている個人・グループ・学校・事業所・地方公共団体等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」を毎年実施し、本年度で29 回を迎えた。本表彰は3Rに関係する7省(財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が後援し、内閣総理大臣賞をはじめ、各大臣賞、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞が授与される。
【令和2年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞受賞】世界遺産白神山地の麓で、環境教育と地域貢献のリサイクル形成を目指すリサイクル活動
佐藤 貴行(深浦町立岩崎中学校 教頭)
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 本校は過疎化、少子高齢化が進む青森県深浦町で、30年以上リサイクル活動を継続、浸透させ、地域のごみの減量化や3Rの推進に貢献してきた。この活動で得た収益金を郷土芸能の承継に役立て、学校行事等で披露して郷土芸能の振興にも努めている。さらに地域の高齡者を文化祭に招待して交流することで、高齢者福祉の増進にも努めている。また、白神山地ブナ林の保全調査、小学校や地域と合同の海岸清掃で環境保全にも努めている。これらの活動を通じ、郷土への愛着や参加意識を地域と共に育み、持続可能な地域づくりに貢献している。
【令和2年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞受賞】ミルクだけじゃない!! バイオガスプラントによる家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスの有効活用
城石 賢一(北海道鹿追町 農業振興課 主幹)
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 鹿追町は、基幹産業である農業から排出される家畜排せつ物や市街地住民が排出する生ゴミや下水汚泥等の廃棄物を適正処理するとともに、有効なバイオマス資源として活用することを目的にバイオガスプラントを核とする「鹿追町環境保全センター」を整備し、再生可能エネルギーの活用による低炭素社会及び廃棄物の再資源化・省資源化による地域循環型社会の構築を目指している。
令和2年度(第50回)公害防止管理者等国家試験結果について
一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者試験センター
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 令和2年度公害防止管理者等国家試験は、令和2年10月4日(日)に全13種類の試験区分につき全国9か所(札幌市、仙台市、東京都、愛知県、大阪府、広島市、高松市、福岡市、那覇市)の試験地において実施した。この結果の概要は次のとおりである。

<シリーズ>

【弁護士からみた環境問題の深層/第2回】アスベスト ~「古くて新しい問題」── 企業が行うべきリスク対応とプロの活用
北島 隆次(TMI総合法律事務所 弁護士)
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 アスベスト(石綿)は、かつては広く用いられていたが、肺がん等の疾病を引き起こすことから多くの規制がなされ、現在は製造・使用が原則禁止されているとともに、建物解体等におけるアスベスト対応についても2021年4月より厳格化される。アスベスト関連疾患の罹患者は増加傾向にあり、近時最高裁判所の判断がなされるなど判例法理も蓄積されている。企業は、改めてアスベストが自社にもたらすリスクを把握し、対応策の策定や見直しを進めることが求められている。
【産廃コンサルタントの法令判断/第59回】コロナ禍で環境教育がストップしてもよいのか?――知識不足が招いた現実の事例を考える
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第59回)。

【環境倫理の基礎講座/第2回】現代社会の環境倫理学「エコエティカ」
佐藤 建吉(一般社団法人 洸楓座 代表理事)
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 私たちが暮らしている環境は、時代とともに変化している。かつて、私たちは自然に抱かれ、その包容力にまもられていた。人間の利便性への欲求は、科学技術を進展させ、確かに便利な暮らしや国際的な活動の場を創り出した。結果、科学技術は巨大となり、私たちの暮らしばかりでなく、自然環境にも影響を及ぼした。哲学者・今道友信は、複合した科学技術社会を「技術連関」と呼び、私たちの暮らしの環境とした。「エコエティカ」(生圏倫理学)は、技術連関が関わる社会や集団が身に着けるべき倫理学である。本稿では、持続可能な未来のために必要な要点について解説する。
【新・環境法シリーズ/第108回】苫小牧におけるCCS大規模実証試験
中山 徹(日本CCS調査株式会社 技術企画部 部長)
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 2012年度から北海道苫小牧市において開始されたCCS大規模実証試験において、2019年11月に目標である二酸化炭素(CO2)の累計圧入量30万tを達成した。CO2の圧入は停止したが、貯留地点周辺地域における微小振動観測や海洋環境調査、圧入したCO2の挙動等の監視(モニタリング)等を現在も引き続き実施中である。2020年5月、幅広い分野の専門家による議論も踏まえて、30万t圧入時点での成果と課題を「苫小牧におけるCCS大規模実証試験30万トン圧入時点報告書」として取りまとめ、公表した。この報告書を基にして、苫小牧におけるCCS 大規模実証試験の概要と成果概要、そして現況を紹介する。
【環境担当者のための基礎知識/第38回】活性汚泥と食物連鎖――腐食連鎖を含む食物網とはどのような概念なのか
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 はじめに活性汚泥処理の基礎的知識を簡単に解説し、頻発するバルキング問題にも触れる。次に一般的な食物連鎖を干潟や陸上を例にして説明する。生態系の食物連鎖を観察すると、そのプロセスが複雑に重複して枝分かれして互いに錯綜している。これが食物網である。有機物に富む土壌のでき方についても議論し、最後に人間がカエルやバッタを主食にした非常に興味深いケーススタディを紹介する。
【先読み! 環境法/第104回】カーボンプライシングの制度検討について小泉環境大臣・梶山経産大臣の記者会見での 発言(2020年12月21日)
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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 地球温暖化対策推進法の平成31年までの見直し規定に基づき、昨年末、環境省の検討会は報告書を取りまとめた。その内容を解説するとともに、カーボンプライシングの制度検討についての大臣発言、3月に失効する公害財特法の今後の取り扱いについて紹介する。
 
 ❶カーボンプライシングの制度検討について小泉環境大臣・梶山経産大臣の記者会見での発言(2020年12月21日)
 ❷第4回地球温暖化対策の推進に関する制度検討会が開催(2020年12月21日)――地球温暖化対策の更なる推進に向けた今後の制度的対応の方向性について
 ❸公害財特法が2021年3月末をもって失効
環境法改正情報(2020年12月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉労働安全衛生法
 ◉食品リサイクル法
 ◉水質汚濁防止法
 ◉地球温暖化対策推進法
 ◉再生エネルギー電気特措法
 ◉(その他)押印の廃止関連
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