2020年4月

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     ー次の100年に向けた帝人の「価値創造モデル」と環境ビジョン

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 創立102年を迎える帝人㈱は本年2月、「中期経営計画2020-2022」を発表した。様々な社会課題に対するソリューションを提供する「価値創造モデル」は、100年を超える歴史の中で積み上げてきた技術基盤と、変革と挑戦によって受け継がれてきたDNAによって支えられており、そこから生まれた「Quality of Lifeの向上」、「社会と共に成長します」、「社員と共に成長します」という企業理念は、SDGsが謳われる以前からいわれてきた同社の目標である。本記事では、化学素材メーカーでありながら、物質や素材だけの化学にとどまらず、「人を中心に化学を考える企業」として未来を見据える同社の環境戦略について、CSR 管掌 早川泰宏氏に話を聞いた。

【環境管理|2020年4月号|Vol.56 No.4 より】
聞き手:黒岩進(一般社団法人産業環境管理協会 専務理事)
取材・文:本誌編集部/写真・図:帝人(株)、山崎ワタル、本誌編集部

||| 目 次 |||
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「大学発ベンチャー」が出発点 ──「変革」と「挑戦」の歴史とチャレンジ精神
- 3つのソリューションのSDGsへの位置づけを明確にする
- 化学メーカーとして世界初 ── 2050年度のCO2排出量実質ゼロ目標
「CO2削減貢献>総排出」 ── サプライチェーン全体でCO2削減を促進
負の側面をどこまで最小化できるか
- SDGs的な観点で持てる技術を利用する ── 世界への貢献を前提にしたビジネス
- 企業理念を全社員と共有、実行することがSDGsへの近道

※太字部のみWEB掲載(全編は本ページ下部より、PDFファイルをダウンロードのうえご覧ください。)

「大学発ベンチャー」が出発点 ーー「変革」と「挑戦」の歴史とチャレンジ精神

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黒岩:2月5日に今後3年にわたる「中期経営計画2020-2022」のビジョンを発表されました。まずは、そこに至るまでの御社の歴史や企業理念、企業マインドについてお聞かせください。
早川:当社の設立は1918年、今年で創業102年目になります。当時、日本一の総合商社だった鈴木商店の大番頭・金子直吉が、米沢高等工業学校(現・山形大学工学部)に資金援助して開発したのが化学繊維のレーヨンで、いまでいう大学発ベンチャーのはしりでした。その商業生産のために創業したのが帝人(当時・帝国人 造絹絲)であり、日本の化学繊維工業のさきがけとなりま した。
 レーヨン事業の興隆期はリーディングカンパニーとして牽引しておりましたが、その後競争が激しくなりレーヨンの需要が低下したため、1958年にポリエステル繊維事 業に舵を切りました。そしてポリエステルを主力製品とする一方、ポリカーボネート樹脂やメタ系アラミド繊維、PETフィルムなど、素材を中心とした新事業の開発・事業化に挑戦し、高機能素材メーカーとして事業を拡大していきました。

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  並行して様々な新規事業にもチャレンジしました。 1970年代には「未来事業部」という部署ができ、石油採掘や化粧品、外車の輸入販売、ブラジルでの農園経営、医薬品など、本業の枠を超えて多角化を進めていきました。その大半は失敗したのですが、唯一残ったのが医薬品の分野、ヘルスケアです。長年培ってきた合成化学、高分子化学の知識と経験が活きたわけです。さらにヘルスケア分野を伸ばす過程で加わったのが、酸素選択透過膜の技術を利用して開発した酸素濃縮器で、これにより日本初の在宅酸素療法(HOT)事業を開始しました。こうして医薬、在宅医療の2つを持つヘルスケア事業の現在の形ができ上りました。
 現在は、マテリアルとヘルスケアにITを加えた3つの事業領域の強みを活かして新たな価値を創出することで、さらなる事業変革を進めております(図2)。このように、創業時からのベンチャースピリットのDNAを脈々と受け 継いで、チャレンジ精神で「変革」と「挑戦」を繰り返し、 時代に合わせてポートフォリオを変化させてきたのが帝 人の歴史です。

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【環境管理|2020年4月号|Vol.56 No.4】

20180309163325-0001.gif下記よりPDFファイルをダウンロードのうえ、ご覧ください。
(本インタビュー全編ご覧いただけます。)

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