2017年2月

【NO.56】モントリオール議定書  第28回締約国会合(MOP28)の結果 他2本
『機関誌:環境管理2017年2月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より

 2017年2月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の3テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。

1. モントリオール議定書第28回締約国会合(MOP28)の結果――キガリ改正の採択

 2016(平成28)年10月10日から14日にかけて、ルワンダ・キガリにおいて、モントリオール議定書第28回締約国会合(MOP28)が開催された。
 今次会合において、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の生産及び消費量の段階的削減義務等を定める本議定書の改正(キガリ改正)が採択された。改正議定書は20か 国以上の締結を条件に、2019年1月1日以降に発効する。次回MOP29は、2017年カナダ・モントリオールで開催される予定。【全編内 キガリ改正の採択 ヘ続く】

2.「フロン類対策の今後の在り方に関する検討会」第1回が平成28年12月13日に開催

 モントリオール議定書のキガリ改正が発効する2019年1月1日までに国内法令を整備する必要から、環境省は急遽、検討会を立ち上げた。なお、現行「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」は、平成13年にフロンネットが推進力となり議員立法で成立した廃棄時回収のいわゆるフロン回収・破壊法について、回収率が向上しないこと、使用時の漏えいが多いこと、要望の強い再充塡による再使用を認めること、ノンフロン化を進めること等のライフサイクル全体の対策に法の性格を変えて、平成25年に政府提案で改正したものである。それによって主担当となった経産省側の動きが注目される。
 これまでのところ、産業構造審議会の検討会立ち上げの動きはみられない。HFC問題の影響を限定的とみているのか、カーボンプライスを掲げる環境省の長期気候変動戦略への対応と同じく、フロン税等の経済的手法導入を構想する環境省の報告書がまとまるのを見据えて対応する構えのようにもみえる。
 中心はノンフロン化であるが、同法は、経済産業省が積極的に採用してきている「判断基準方式」を用いて使用の合理化を進める措置をとっている。事業者の自主的促進を狙った「誘導的規制手法」で巧みに工夫された優れものではあるが、かえって行政の権限と裁量の範囲を拡げ、そのための行政資源も必要となる。むしろ基本は経済的手法の導入であろう。【全編内「フロン類対策の今後の在り方に関する 検討会」設置要綱(案)へ続く】

3. バーゼル法見直しに係る環境省・経済産業省合同会議の報告書(案)まとまる
――廃棄物が国際的には資源となり、資源循環経済システムを形成しているという認識を示した報告書

 バーゼル法の施行状況等の課題の確認及びそれを踏まえた規制の在り方について検討を行うため、平成28年10月31日に第1回の中央環境審議会循環型社会部会特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会有害廃棄物等越境移動ワーキンググループ合同会議が開かれた。そして同年12月8日に第2回目の合同会議において報告書(案)がまとまった。【全編内 報告書(案)へ続く】


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