2014年5月

 

【中央環境審議会水環境部会】排水規制等専門委員会(第17回)報告
(2014/5/28更新)

カドミウムに係る排水基準等のあり方について

 平成26年5月28日に行われた排水規制等専門委員会(第17回)を傍聴したので審議内容について速報として報告する。
3月に開催された前回委員会(第16回委員会) での審議を経て、修正された『水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の新t脳等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)』につ いて再審議が主な議題となった。本修正案がパブリックコメント案となる予定で、6月中にはパブリックコメントにかけられる予定だ。

審議事項
 1.第16回専門委員会における指摘事項への対応について
 2.カドミウムに係る排水基準等のあり方について
 3.水死汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)
 4.今後の予定

審議事項要旨
 議題3.の報告案については、文言の修正が行われたほかは大きな動きはなく、下記項目が盛り込まれたパブリックコメント(案)を委員長と事務局で最終調整して作成することが承認された。

  (1)カドミウムの排水基準値を現行の0.1 mg/Lから0.03 mg/Lに強化
     ⇒ H23に環境基準が0.01 mg/Lから0.003 mg/Lに強化されたことを受けたもの
  (2)地下浸透基準については、現行据え置き(0.001 mg/L)とする
     ⇒ 暫定的な据え置きである旨が強調されており、今後見直しの可能性がある 
  (3)下記3業種に対して暫定排水基準を設定
     -金属鉱業
     -非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業(亜鉛に係るものに限る)
     -溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)
     ※ 水産食料品製造業(ホタテガイを取り扱う者に限る)は対象から外れた

暫定排水基準の設定が見送られた“水産食料品製造業(ホタテガイを取り扱う者に限る)”について、一部の委員から、法施行までに排水基準を遵守するための対策が間に合うか不安との声があり、毎年度の施行状況調査でフォローしていくことが確認された。

※本取りまとめは本編集部独自によるものです。 ↓委員会資料は『改正内容はこちら』をクリック↓

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【中環審/大気・騒音振動部会 微小粒子状物質等専門委員会(第2回)】報告
(2014/5/27更新)

微小粒子状物質及び光化学オキシダントに関する施策・研究の検討状況について

 平成26年5月26日に行われた中央環境審議会大気・騒音振動部会(第2回)の審議内容について速報として報告する。
 本委員会では、環境基準の達成率の低い“PM2.5”や“光化学オキシダント” の取扱いを検討しており審議動向が気になるところである。委員会資料によると、光化学オキシダントについては8月ごろ、PM2.5については年明け1月 (2015年)に中間取りまとめが行われる予定で、それぞれ、『光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示す指標(案)』及び『PM2.5の国内におけ る排出抑制策の在り方』が示される。

(審議事項)
 1.現象解明に向けた取組(平成26年度)について
 2.PM2.5の越境大気汚染の寄与について
 3.光化学オキシダントのモニタリングデータの解析について
 4.光化学オキシダントの環境改善結果を適切に示す指標案について
 

1.現象解明に向けた取組(平成26年度)について

平成23年度の大気汚染状況が先日環境省から発表され、PM2.5については、その環境基準達成率は30%弱と低い水準にある。平成26年度は、PM2.5汚染の現象解明に向け以下の取組が予定されている。

【PM2.5現象解明に向けた取組】
  1.発生源情報の整備(主要発生源の排出状況の取りまとめ)
  2.二次生成機構の解明(VBSモデル(揮発性基底関数モデル)の導入と試算)
  3.越境大気汚染の定量的な現象解明を行う
  4.上記1.~3.の知見を元にシミュレーションモデルの精緻化を図り、排出抑制対策を検討する

※平成23年度 大気汚染状況について(一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局の測定結果報告)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16648
 

2.PM2.5の越境大気汚染の寄与について

2-1 海洋研究開発機構・金谷委員より、平成26年3月に終了した環境省S7-1調査事業を代表して、福江島サイトでのPM2.5連続モニタリングデータを中心に説明があった。
 (point)
  ■離島でも大陸由来の寄与により環境基準を超えることがある。
  ■季節変動パターンはシミュレーションでも再現できるが、有機エアロゾルは低く評価される点が課題。

2-2 九州大学・鵜野委員より、PM2.5の化学輸送モデルの課題について説明があった。今後の改善点として以下の項目などが提案された。
 (point)
  ■これまでの研究成果とともに、高濃度領域での鉛直方向のシミュレーション解像度を上げること
  ■NH3の排出量推計値に季節変動などを加味すること
  ■ライダーネットワーク、衛星観測データの活用
 

3.光化学オキシダントのモニタリングデータの解析について

 平成2年~23年度の20年以上にわたる大気汚染常時監視データを利用した光化学オキシダントの昼間平均値(年平均値)の解析結果について報告があった。主に指摘された点は以下の通りである。

 (point)
  1.局所的なNO濃度低下によるタイトレーション効果の低下によるオキシダント濃度の上昇
  2.越境汚染による西日本を中心としたオキシダント濃度の増加
  3.NOx・VOC排出抑制による高濃度光化学オキシダント濃度の低減が起こっている

 

4.光化学オキシダントの環境改善結果を適切に示す指標案について

  光化学オキシダントは、気象条件により濃度が大きく変化することもあり、年による変動が大きく経年変化の把握が難しいという問題が指摘されていた。また光 化学オキシダントの環境基準値は、人の健康保護の観点から昼間の最高1時間値(0.06 ppm)で定められており、特異的な高濃度値を拾うことあり、大気汚染に対する施策の効果を的確に判断するのが難しい。そこで、今回環境省より、純粋な環 境改善効果を示す指標として、以下の案が示され、次回第3回部会(8月予定)で議論されることとなった。

(光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示す指標(案))
  1. 光化学オキシダント濃度の8時間移動平均値から日最高値を算出
  2. 1.の年間99パーセンタイル値を年間代表値とし、これを3年移動平均してトレンド評価を行う

 

※本取りまとめは本編集部独自によるものです。 ↓委員会資料は『改正内容はこちら』をクリック↓

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