2020年5月

【NO.95】3月10日に大気汚染防止法の一部を改正する法律案が閣議決定され衆議院に提出 他2本
 『機関誌:環境管理2020年5月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より

 2020年5月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の3テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。

1.3月10日に大気汚染防止法の一部を改正する法律案が閣議決定され衆議院に提出

 前回、2014年の石綿飛散防止に係る大気汚染防止法の改正から5年経過後の見直しと2016年の総務省の行政監視・監督のアスベスト対策の勧告も踏まえて、「石綿飛散防止小委員会」において検討が行われ(本誌2020年1月号でパブコメ実施中の答申案について紹介)、2020年1 月9日の第8回小委員会で「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)」が了承された(本誌2020年3月号でパブコメの結果と石綿の大気濃度測定を巡る小委員会の質疑応答を紹介。な お、本誌2020年2月号で労働安全衛生法の石綿則見直しの動きについて紹介)。そして3月10日に大気汚染防止法一部改正案が閣議決定され、同日衆議院に提出された。【全編内 ヘ続く】

2.3月3日に復興庁設置法等の一部を改正する法律案が閣議決定され衆議院に提出――5つの法改正の束ね法案。その第5条が特別会計に関する法律の一部を改正する法律案で、エネルギー対策特別会計について繰入れが規定

 内閣法制局の提出理由(法律案の理由)では、次のとおりとなっている。
 「東日本大震災からの復興の状況を踏まえ、東日本大震災からの復興を重点的かつ効果的に推進するため、復興庁の廃止期限の延長(注:10年間)、復興推進計画及び復興整備計画に基づく特別措置の対象となる地域の重点化、福島県知事による福島復興再生計画の作成及びその内閣総理大臣の認定並びに復興施策に必要な財源を確保するための特別措置に係る期間の延長等の措置を講ずる必要がある」
 つまり、5法案を束ねたのは、「東日本大震災からの復興を重点かつ効果的に推進するため」としている。その中に、予算で定める金額に限り、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定(石油石炭税が原資)から電源開発促進勘定(電源開発促進税<家庭の電気料金等>が原資)に繰り入れることができるようにする特別会計法の改正が含まれている。
 施行は2021年4月1日からとなっているので、来年度の予算からとなろう。【全編内 ヘ続く】

3.3月10日に個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案が閣議決定され衆議院に提出

 デジタルデータ化された大量の個人情報の利活用は人の意思決定をも管理統御し得る。その法的制御の在り方については、環境法の立場からも関心を寄せている。それは、環境法学が課題としてきた不確実性の制御の応用可能性があると考えられるからである。
 デジタルプラットフォームの公正な市場の形成に関し、本誌2020年4月号で「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」(2月18日閣議決定、衆議院提出)の概要(GAFA対応)を経済産業省の報道発表資料により紹介した。今回は、デジタルデータ化された個人情報に関し、3月10日閣議決定、衆議院提出の個人情報保護法等一部改正案(3年ごとの見直し)を紹介する。【全編内 ヘ続く】


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