2020年3月
【NO.93】福島第一原発敷地内の多核種 除去設備等処理水(ALPS処理水) の処分方法について 他1本 『機関誌:環境管理2020年3月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より |
2020年3月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の2テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。
1.福島第一原発敷地内の多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の処分方法 について―― 2020年 1月31日の多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 (第 17回)配布資料よりCOP25の結果について
処分方法は、技術的には、実績のある水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択である。ただ、心理的な消費行動等による社会的な影響が大きいので、社会的観点から優劣を比較することは難しい。
海洋放出は、これまで通常炉で行われてきた実績や放出設備の容易さ、モニタリングの在り方を含めて、水蒸気放出に比べると、確実に実施できる。ただし、排水量とトリチウム放出量は、福島第一原発の事故前 と同等にはならない。
政府には、本報告書の提言に加え、地元自治体やの農林水産業者を始め幅広い関係者の意見を丁寧に聴き、透明性のあるプロセスで、方針を決定することを期待する。方針決定には、処分方法とともに風評被害対策の拡充・強化も併せて取りまとめられるべきである。【全編内 ヘ続く】
2.石綿の大気測定義務を求める小委員会での議論と答申案に対するパブコメの 主な内容――1月9日の第8回石綿飛散防止小員会で了承された「今後の石綿飛散防止対策の 在り方について(答申)」に係る前回の第7回石綿飛散防止小委員会(2019.11.14)での大気測 定義務の議論と寄せられたパブコメ意見の主な内容
本誌2020年1月号「先読み! 環境法」で、2019年11月14日開催の第7回石綿飛散防止小委員会に提示された「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」の内容を紹介した。その後、この答申案についてパブリックコメントが2019年12月13日まで行われ、494通(意見数3,611件)が提出された。答申案が了承された本年1月9日の第8回小委員会にその結果が報告され、第7回小委員会の議事録も資料として提出されている。
そこで、筆者が第7回小委員会議事録で注目した、石綿の大気測定義務を巡る質疑と494通(3,611件)にのぼったパブコメのうち提出件数が多かった事項の概要を紹介する。【全編内 ヘ続く】