2017年4月
近隣住民へのリスクコミュニケーション
平成40年度にかけて、施設の老朽化に伴い、アスベストを含む建築物の解体工事数が増加することが予想されている。アスベストについては、中皮腫などの健康被害が発生していることもあり、今後の解体工事においては、近隣住民への適切な情報提供が重要となってくる。
この度環境省では、表記ガイドラインを事業者のリスクコミュニケーションの一助とすべく公開した。ガイドラインでは、リスクコミュニケーションの具体的な手順から、“悪い例”と“良い例”などの比較や実際の個別事例の紹介などかなり具体的な内容となっており、これから解体工事を控える事業者には参考となるはずだ。(右図:解体等工事の一般的な流れとリスクコミュニケーションの実施時期(同ガイドラインより))
【環境省報道発表資料】
「建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に係るリスクコミュニケーションガイドライン」の公表について
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【NO.58】第193回国会(常会)への環境関係法案・条約の提出状況 他2本 『機関誌:環境管理2017年4月号 シリーズ連載|先読み!環境法』より |
2017年4月号の『環境管理(機関誌)』では、下記の3テーマについて、最新動向を解説している。各テーマの概要について紹介する。
1. 第193回国会(常会)への環境関連法案・条約の提出状況
3月22日現在、第193回(通常)国会に提出された環境関連の法案・条約・承認は、以下のとおりとなっている。2月28日に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案と遺伝子組換え等の使用の規制に生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案がそれぞれ提出(いずれも衆先議)。なお、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書の締結について承認を求めるの件が2月24 日に提出(衆先議)。さらに同じ日に生物多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公平かつ衡平な配分に関する名古屋議定書の締結について承認を求めるの件が提出(衆先議)(注:国内措置は「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針」で対応(本誌3月号の「先読み!環境法で紹介」))。【全編内 ヘ続く】
2.化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案
――少量/低生産量新規化学物質確認制度の合理化と特定新規化学物質・特定一般化学物質の管理の強化
この法案は、昨年12月27日の「第3回化審法見直し合同会合―第11回産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会制度構築ワーキンググループ第3回中央環境審議会環境保健部会化学物質対策小委員会―」においてまとめられた「今後の化学物質の在り 方について」を踏まえたもので、その内容は、上記副題で示した①少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の合理化と、②毒性が非常に強い新規化学物質の管理、そして、③その他関連事項として「化審法の枠組におけるWSSD2020年目標の具体的イメージとその具体的な方策」となっている。【全編内 化審法施行状況検討会報告書 ヘ続く】
3.土壌汚染対策法の一部を改正する法律案
平成29年3月3日「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」が第193回国会に提出された。それは、平成28年12月12日の中央環境審議会答申(第8回(平成28年12月7日)土壌制度小委員会でまとまった報告)を踏まえたもので ある。
平成21年改正法附則の見直し規定により平成22年4月1日の施行から5年が経過したことから、今後の土壌汚染対策の在り方について、平成27年12月に土壌環境部会に「土壌制度小委員会」が設けられ、平成28年3月から、自治体、産業界等からのヒアリングも行いつつ、検討が進められた。そして同年12月7日の第8回においてまとまり、名称を「今後の土壌汚染対策の在り方について(第一次答申案)」に変更されて答申された。【全編内 平成21年改正法の施行状況点検での課題と法律案の改正事項 ヘ続く】