環境管理バックナンバー 2013年 10月号

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2013年10月号 特集 環境金融

<特別対談>

日立製作所 川村会長にきく 世界に新たな価値を提供する社会イノベーション事業のグローバル展開
川村 隆 日立製作所 会長/冨澤 龍一 産業環境管理協会 会長
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 およそ100年前、「ベンチャー企業」だった日立が製作した5馬力モータ(電動機)は我が国における革新的なイノベーションとなった。その開拓者精神は約100年後に、鉄道発祥の地であるイギリスに最新鋭車両866台を供給するという偉業も成し遂げた。同社は今後、電力や交通システムなど複数インフラをIT技術で結びつけてエネルギーの低炭素化や省エネを効率的に実現できる「社会イノベーション事業」に取り組み、グローバル社会全体の環境負荷低減を目指す。本記事では、日立製作所・川村隆会長に当協会・冨澤龍一会長とご対談いただき、創業時のエピソードから2009年のV字回復、さらに今後もっとも重要視するグローバル人材教育までを語っていただいた。

<特集>

環境と金融の新しい関係―責任ある経済の構築に向けて
水口 剛 高崎経済大学経済学部 教授
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 今日の環境問題の本質は、人間の経済活動が地球の浄化能力や再生能力を超えてしまったことにある。そこで、社会の資源配分を決定し、経済活動に規範を組み込む金融の機能を活用して、地球環境の有限性への配慮を内在化した「責任ある経済」を実現しなければならない。環境や社会に配慮した金融・投資行動は、すでにさまざまな形で行われているが、資金規模でみるとまだ市場の一部に過ぎない。欧米諸国の例にならって公的年金の運用に責任ある投資を義務づけるとともに、開示制度や教育システムの面でも対応を図っていくことが必要である。
環境融資の実際と将来
竹ケ原 啓介 株式会社日本政策投資銀行環境・CSR部長
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 環境という非財務情報を企業価値評価に反映させ、金融市場を利用して企業の環境経営をサポートする「環境金融」の機能を考えると、間接金融のウエイトが大きい我が国では「融資」が担う役割は特に大きい。これに先鞭をつけたDBJ環境格付は、クラブ型環境シンジケートローンの導入や地域金融機関との連携などが奏功し、環境経営のシグナリング効果を追求する企業ニーズに対応しつつ着実に定着・拡大してきた。不断のファインチューニングを通じて、バウンダリーの拡大やESG構成要素のバランス調整など、環境経営像の変化に適切に対応していくことが課題である。
金融業界の横断的な取り組み―21世紀金融行動原則
金井 司 三井住友信託銀行経営企画部CSR担当部長
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 業態、規模、地域等にとらわれず金融機関が横断的に連携し策定した21世紀金融行動原則の署名機関が188まで拡大している。本原則は、社会を持続可能なものに変えるために、お金の流れをそれに適合したものに変えることを主要なミッションと位置付け、環境産業等の発展と競争力の向上に資する金融商品・サービスの提供、中小企業の環境配慮やコミュニティ活動への支援等について定めている。原則署名機関にはワーキンググループの活動を通じて相互に連携し、実践的な活動を展開することが期待される。
世界のSRI(社会的責任投資)市場―SRIからESGへ
河口 真理子 株式会社大和総研主席研究員
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 世界のSRI市場は13. 6兆ドルにのぼる。その97%は欧米で、日本のシェアは0. 2%にも満たない。欧米では企業の環境・社会・ガバナンス側面(ESG)に着目した投資(ESG投資)はパフォーマンス向上につながるとした、責任投資原則(PRI)の策定をきっかけとして年金基金がSRI運用を積極化させた。その動きは最近では、アフリカやラテン、アフリカ諸国にも広がりつつある。日本では年金基金がSRIに関心が薄いため、現在ではほとんど動きがないが、運用対象資産の広がり、ESG情報の充実、労働組合による責任投資の働きかけなどがあれば浸透は意外と速いかもしれない。
環境リスクと保険の機能
関 正雄 株式会社損害保険ジャパンCSR部上席顧問/公益社団法人損保ジャパン環境財団専務
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 金融機関としての保険会社は、リスクを評価・定量化しソリューションを提供するというユニークな機能をもっている。増大する大規模自然災害など、深刻化する環境リスクへの対応において、保険はますますその役割発揮が求められている。損保会社は早くから環境問題に取り組み、環境関連のさまざまな商品・サービスを生み出してきた。また近年では、持続可能な発展に向けた、保険会社による自主的なイニシアチブも立ち上がっている。こうした流れの中で、環境関連の保険商品・サービスについて具体的事例を挙げながら、特徴を解説する。さらに、今後の課題と展望について述べる。
「環境経営」の深化
辰巳 勝則 株式会社滋賀銀行総合企画部CSR室長
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 滋賀銀行は、地域金融機関として、持続可能な社会の実現に向け、CSR(企業の社会的責任)の実践に努めている。具体的には、環境を主軸とするCSRの追求を「銀行経営の要諦」と位置づけるとともに、経営に環境を取り込んだ「環境経営」を展開、省エネ・省資源に努める「エコオフィスづくり」、お金の流れで地球環境を守る「環境金融」、琵琶湖湖畔の清掃や外来魚駆除・釣りなど「環境ボランティア活動」に全力をあげて取り組んでいる。

<総説>

欧州バイオサイド製品規則の概要―新たに規制対象となった処理成形品に対する義務とは
石川 太郎 一般社団法人 産業環境管理協会 国際化学物質管理支援センター登録業務室主査/戸笈 修 一般社団法人 産業環境管理協会 国際化学物質管理支援センター所長
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 1998 年に施行されたバイオサイド製品指令98/8/EC(BPD)にかわり、2013 年9月1日より、「バイオサイド製品規則(Regulation(EU)528/2012)」がEUで施行された。バイオサイド製品規則(BPR)は、従来のバイオサイド製品指令(BPD)と同様、消毒剤、保存剤、缶内保存剤、木材防腐剤等の保存剤、殺鼠剤、殺虫剤等の有害生物抑制剤、防汚剤等の「バイオサイド製品」に加え、当該バイオサイド製品で処理をされた成形品(処理成形品:Treated article)をも新たな規制の対象としていることが大きな特徴である。本稿ではバイオサイド製品規則における処理成形品に関する義務に焦点をあて概観する。

<シリーズ>

【環境法 法令違反から学ぶCSR経営/第18回】公海航行中のコンテナ船上で、積載貨物が発煙した場合の荷送人(商社)の責任
浅野 明子 弁護士/日本CSR普及協会・環境法専門委員会委員
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 公海航行中のコンテナ船で、積載貨物(危険物)が化学反応を起こして高熱、発煙した事故において、製造者から危険物と知らされていなかった貨物の荷送人(商社)には、どこまで予見可能性と注意義務があるのか。ほかの貨物の荷受人や運送人、裸傭船者(船舶賃借人)、損害保険会社等から起こされた当該荷送人への損害賠償請求訴訟で、地裁判決が失火責任法を適用して荷送人には重過失がないとして免責したのに対し、高裁判決は、国際海上運送の安全確保のため荷送人に危険物分類、表示義務を課す船舶安全法等の趣旨に照らし、失火責任法の適用を否定して、荷送人には過失があるとして賠償を命じた。
【先読み! 環境法/第16回】「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」施行に向けて
小幡雅男 神奈川大学大学院法務研究科/国際基督教大学教養学部 講師
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 フロン回収・破壊法全面改正のポイントである「再生フロン類の活用」のため、改正法施行に先立って「第一種フロン類再生業者」の位置づけが明確化された。その具体的な内容と今後の措置を解説する。石綿飛散防止対策強化の動きも概観する。
❶ 第一種フロン類再生業の許可基準等に係る省令公布と改正法一部規定の施行
❷ 大気濃度の測定等について検討を始めた石綿飛散防止専門委員会
【実践マテリアルフローコスト会計96】MFCAの国際的研究動向:EMAN2013報告論文の分析
中澤 優介 神戸大学大学院経営学研究科 博士課程前期課程/天王寺谷 達将 広島経済大学経済学部経営学科 助教/國部 克彦 神戸大学大学院経営学研究科 教授
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 2013 年3月、ドイツ・ドレスデンにおいて開催された環境管理会計の国際学会であるEnvironmental Management Accounting Network(EMAN)では、マテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting:MFCA)がテーマとして設定された。本学会では、MFCAの実践的な活用可能性やほかの手法との統合的な利用による適用範囲の拡張について考察した研究や、中小規模の企業でのMFCAの適用分析した研究が多数報告された。本稿ではこれらのMFCA 関連の研究について、理論研究とケース研究に分類し、それぞれ
の概要の説明と特徴的な研究の紹介を行う。
環境法改正情報(2013年8月改正分)
見目 善弘 エコ・サポート代表
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◉労働安全衛生法
◉フロン回収破壊法
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