環境管理バックナンバー 2016年 10月号

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2016年 10月号 特集1:公害防止管理者を目指す人へ/特集2:水処理技術・最新情報

<レポート>

江戸時代から現在までの水管理の知恵を展示する「水の歴史資料館」
本誌編集部
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 今から90年程前に活性汚泥法による汚水処理を日本で初めて導入したのは名古屋市である。「水の歴史資料館」は、名古屋市上下水道事業100周年を記念して建設された施設であり、上下水道事業の歴史や役割、そして地震や豪雨など防災についてもわかりやすく学べる入場無料の施設である。
 近くには赤い屋根の東山給水塔がそびえている。この給水塔は昭和5年につくられ、昭和48年まで地盤が比較的高い地域へ配水する役割を担い、当時は東山配水塔と呼ばれていた。浄水場から送られた木曽川の水を高低差を利用し、自然流下で配水していた。短時間の停電でポンプが動かないような場合でも重力を利用して給水ができた。
 本稿では、江戸時代から今日に至る水に係る先人の英知を探ってみる。

<特集1>

公害防止管理者制度とデータでみる公害防止管理者の現状
一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者試験センター
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 平成28年度の公害防止管理者等国家試験が去る10月2日(日)に実施された。本年度の受験者申込み者数は、28,178人であり、ここ数年の受験申込み者は毎年数%ずつ減少傾向にある。受験者の減少の要因はいくつか考えられるが、海外への生産拠点の移転や日本の産業構造の変化で公害防止が必要な工場の減少や環境関連規制の複雑化に伴い公害防止管理体制の人員減少などの影響が考えられる。
 これまで世界をリードしてきた公害防止技術やそれを管理する公害防止管理者が、今後これらを実践する場である事業場や工場の減少、公害防止技術を開発や管理してきた公害防止管理者の減少は、今後の日本の公害防止技術の衰退が懸念される。
 そこで本稿では、公害防止管理者制度の成立時の原点に立ち返り、審議会等の資料からこの公害防止管理者制度がどのような点に重点が置かれたかなどを簡単にレビューした。また、これまでの公害防止管理者の有資格者データを整理し、公害防止管理者等有資格者の状況を報告したい。
 なお、法律の内容について、わかりやすくするため、簡略して記述している部分がある。正確には原文に当たられるようお願いしたい。
公害防止管理者等国家試験の資格取得支援コンテンツ
加々美 達也(一般社団法人 産業環境管理協会 人材育成・出版センター)
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 当センターでは、公害防止管理者等の資格取得を支援するためのコンテンツを用意している。受験者それぞれの受験環境にあわせ、専門講師による座学スタイルの「受験講習会」、自分のペースで学習できる「通信教育」、そのほかテキストや過去問題集、iPhoneアプリなどの受講メディアがある。また、資格取得後の再教育を目的として「公害防止管理者等リフレッシュ研修コース」を開催している。公害防止管理者等国家試験の受験対策や、環境管理担当者の知識のリフレッシュの場として活用していただきたい。
公害防止管理者等国家試験合格体験記化学が苦手な文系でも1か月半の勉強で合格
本誌編集部
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 「誰でも根気強く頑張れば合格できる試験だと思います」――昨年、公害防止管理者等国家試験水質関係第1 種(以下、「公害防止管理者国家試験」「水質1 種」)の国家資格を取得した中村 光さんは、最初にこう切り出した。一度の受験で合格できたコツ、勉強方法について取材した。

<特集2>

省資源と経済性を考慮した産業排水、廃棄物処理技術
大隅 省二郎(大阪ガス株式会社エネルギー事業部ビジネス開発部ESPチーム・グループ統括)
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 民間工場では、排水処理において種々の課題を抱えている。しかし、下水処理と異なり、民間工場での課題は広範にわたり、一つの技術で幅広く解決することが難しい。大阪ガス株式会社では、世の中のきらりと光る技術を見出し、自ら評価した上で、お客さまのニーズに最も合った提案を行うというコンセプトで水処理提案を行っている。その際、省資源と経済性を考慮し、お客さまも気づかない付加価値を付けて提案を行うことを目指している。
 本稿では、大阪ガスが行っている排水・廃棄物処理の改善提案例について概説した。
マイクロ・ナノバブル技術による排水処理の可能性
高橋 正好(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 研究主幹)
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 泡(あわ)は大変になじみ深い存在でありながら、そのサイズを小さくすることで思わぬ効果が発現する。これは単なるサイズ効果を超えた現象であり、工学や医療、農水産など大変に幅広い分野での応用が期待されている。マイクロバブルは水質を浄化し、半導体などの電子部品を綺麗にする。ナノバブルは動・植物を強力に活性化する。内部に含まれる気体種を変えると、感染症の防止に寄与できる。クーラントの効果を高めて超微細加工を可能にする。小さな泡を使うことで広がりつつある新しい技術の可能性について紹介する。
環境調和型技術に貢献するファインバブル技術
秦 隆志 (高知工業高等専門学校・ソーシャルデザイン工学科 准教授)/西内 悠祐(高知工業高等専門学校・ソーシャルデザイン工学科 准教授)
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 ファインバブルとは約100μm以下の微細気泡を意味する。このファインバブルについては近年の研究から、通常のmmサイズの気泡とは明らかに異なる産業的に有用な特性を示すことがわかってきた。特に、内包気体の高い溶解効率性や巨大な気液界面反応の獲得といった特性はそれを含む水環境、例えば下水処理などの高機能化を可能とするなど、水環境の改質、言い換えれば水環境管理手法として期待できる。さらに空気と水からなるファインバブルは環境との親和性や高い安全性をも確保できるため、多くの環境分野への活用が見込まれる。

<総説>

「官民連携」による地球環境保全推進と継続的な財政支出削減
西 喜士(工学修士、川崎市港湾局埋立・基盤整備担当担当係長)/上田 奈那子(川崎市港湾局埋立・基盤整備担当 土木技術職員)
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 川崎市港湾局は、現在、浮島地区埋立作業で生じる粉塵対策として、散水車による散水作業を行っている。その散水用水として浮島地区内の自然池水を使用していたが、土地造成の進捗に伴い、平成27年度中にてその自然池水がなくなる。そこで、製造過程で使用し、海へ放流している処理済工業用水(不用水)の無償提供に関して、川崎区浮島町に在地する十数社の民間企業等へ協力をお願いしたところ、東洋製罐株式会社川崎工場の合意を得ることができ、「官民連携」の協定書を平成27年8月24日に締結した。
 本稿では、「官民連携」にて地球環境保全推進と継続的な財政支出削減を達成した事例を紹介する。
環境責任者と会社が各50万円の罰金刑となった最近の排水事件
本誌編集部
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 排水基準の違反容疑で工場の役職者など6人と会社が昨年夏に書類送検され、今年になって有罪が確定した。過去10年超にわたり環境データの改ざんなど国を挙げた不祥事撲滅・再発防止に多くの会社が真剣に取り組んだが、以前にマスコミを騒がせたものと同じような不祥事が再度繰り返された。そこで再度、再発防止のため実際に起きた事件をもとにストーリーを作成し、なぜ違反が起きてしまったのか、その経緯と原因、公害防止管理者の活用も含む今後の対策や改善策についてレポートする。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第7回】 わが国の省エネはどこまで期待できるか
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 昨年示されたわが国の長期エネルギー需給見通し( 以下、エネルギーミックス)は、5,030 万kLという大幅な省エネの進展を前提にしている。2030年度にかけて35%という大幅なエネルギー効率の改善が期待されているわけだが、これは1970年代からの20 年間にわが国が達成した効率改善と同程度である。しかしわが国のエネルギー需要の価格弾性値はいずれの分野においてもオイルショック当時より大幅に縮小しており、価格による省エネ促進効果は薄れている状況にある。こうした状況を踏まえて、今後エネルギーミックスで期待されている省エネを実現していくためには何が必要かを考える。
【新・環境法シリーズ/第56回】 二酸化炭素回収・貯留(CCS)に関する法政策研究 その2
柳 憲一郎(明治大学法科大学院 教授・明治大学環境法センター長)/小松 英司(明治大学環境法センター 共同研究員)/中村 明寛(明治大学環境法センター 研究推進員)
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 本稿では、CO2の貯留方法の一つの鉱物化手法を取り上げる。将来、玄武岩への炭酸塩鉱物貯留技術が世界的なCCS技術の導入・普及に向けての有効な手段の一つと考えられ、実例として、アイスランドのCarbfi x 実証プロジェクトを紹介する。一方、玄武岩への炭酸塩鉱物貯留に関する法制度については、いまだ広く議論されていない。そこで、欧州のCCS 導入に関する法制度に焦点を当て、将来の玄武岩への炭酸塩鉱物貯留技術の実用化に向けての関連規制について考察した。CCS 技術による玄武岩層への炭酸塩鉱物貯留については、CCS指令による地下層貯留の定義によると、将来的に利用可能な貯留サイトとして位置づけており、特定の禁止や排除の要件はなく、実用化へのプロセスは他の地下層貯留と同様である。
【産廃コンサルタントの法令判断/第7回】重大な排出事業者責任──責任の所在を正しく定義する
佐藤 健(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 環境情報ソリューショングループマネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第7回)。
【環境刑法入門/第3回】「廃棄物」とは何か?
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師)
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 私たちは、毎日大量の「廃棄物」を排出しないと生活できない。それゆえ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」)は、市民生活に最も身近な環境法である。また、環境法の罰則は多数あるが、環境白書によれば、平成27 年の「環境犯罪」の検挙件数5,741 件中の4,979 件が廃棄物処理法違反の罪(内2,479 件が不法投棄罪)である。環境刑法の実務も、主に廃棄物処理法違反の罪をめぐって動いている。そこで「環境刑法入門」でも、廃棄物処理法違反の罪を中心に説明していきたい。今回はその基礎として「廃棄物」とは何かを考える。廃棄物処理法は「廃棄物」を対象とするので、何がこれに当たるのかが最重要の出発点になる。個人が使用・保管している物も、有償譲渡できないと「廃棄物」に当たるのか。所有権と環境法益との対立が論点となる。
【まるごとわかる環境法/第14回】 フロン排出抑制法(中編)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第14回は「フロン排出抑制法」(中編)
 
 8.第一種特定製品の管理者が守るべきことは何ですか?
【先読み! 環境法/第52回】第5回廃棄物処理制度専門委員会が9月1日に開催
小幡 雅男(神奈川大学大学院法務研究科 講師)
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 9月1日に開催された中環審・循環型社会部会廃棄物処理専門委員会(第5回)で整理された「廃棄物処理制度における論点の検討」は今後の検討の方向性を示している。その内容を紹介する。また、今後の土壌汚染対策について、年内に予定している答申案の検討経過を取り上げる。

❶ 第5回廃棄物処理制度専門委員会が9月1日に開催―― 「廃棄物処理制度に関す
る論点整理について」が議題に
❷ 今後の土壌汚染対策の在り方について(答申骨子案)が9月2日の第6回土壌制度小委員会に提出
環境法改正情報 (2016年8月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◉ 消防法
◉ 悪臭防止法
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