環境管理バックナンバー 2022年 5月号

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2022年5月号 特集1:粉じん・粒子状物質に関する 最新動向/特集2:脱炭素の現状と戦略

<特集1>

微細な粉じんによる環境汚染と火災爆発 新東工業株式会社 環境事業部 取材レポート
本誌編集部
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 製造工場や作業場において、量や質の違いはあるが粉じんが必ず存在する。したがって、微粒子の粉じんは全産業に共通する環境課題ともいえる。半導体など電子産業でも粉じんによる火災が過去に数回発生し、製品へのコンタミ(異物混入)で不良品の発生も起こりえる。燃焼や発煙に関するもの以外でも、原材料の受け入れ、鋳造や鍛造、切断やプレス、研磨、仕上げ作業、清掃など様々な工程で粉じんが発生する。

粒子状物質の基礎
遠藤 小太郎(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 所長/本誌編集長)
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 環境白書によれば、大気中の浮遊粒子状物質の濃度は近年、すべての測定地点で環境基準を達成するに至っている。より健康影響が大きいとされる微小粒子状物質(PM2 .5)についても、環境基準の達成率は98%を超えている。自動車排ガス浄化技術の高度化などきめ細かな対策が効果をもたらしたと考えられるが、大気中での二次生成や大陸からの長距離輸送など、必ずしも発生源が明らかではないものもある。
粒子状物質の特徴は他の大気汚染物質とは異なり、混合物であることである。一口に粒子状物質といっても、その発生源、サイズ、化学組成などはさまざまであり、計測や濃度表示の方法に加えて、その大気挙動や除去方法も大きく異なる。今後の更なる排出削減や規制強化に対応するために、本稿では粒子状物質の基礎としてその諸特性を概観する。

<特集2>

脱炭素の潮流と日本企業にとっての脱炭素戦略策定の要諦
鵜飼 成典(KPMG FAS 執行役員 パートナー)六田 康裕(KPMG FAS シニアマネジャー)
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 世界における脱炭素化の潮流は一過性ではなく、中長期的に継続する不可逆なものとなっている。国内に目を向けると、KPMGで調査・評価を行った、脱炭素への準備度合いを示すNet Zero Readiness Index(NZRI)では、相対的に日本は上位に位置づけられるものの、一層の脱炭素化の道は平坦ではない。今や脱炭素戦略は業界を問わず求められる重要な経営課題であるが、目標達成の難度の高さに頭を抱える企業も少なくない。本稿では、NZRIレポートのポイントを紐解きながら日本企業の置かれた位置づけを再確認するとともに、全社的な脱炭素戦略と、戦略実現のロードマップ作成のステップと、戦略を成功に導くカギについて概説する。

パリ協定第6条の決定とその留意点
髙橋 健太郎(公益財団法人地球環境戦略研究機関 気候変動とエネルギー領域 副ディレクター)
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 パリ協定第6条の大枠ルールをめぐる交渉は、2016年に開始し、2018年に合意されるはずであった。各国で政治的かつ技術的な議論で合意ができず、新型コロナウィルスの感染拡大によるCOP延期も重なり、合意までに3年を要する結果となった。この間、パリ協定に参加する国は、自国の温室効果ガスの排出削減目標(NDC)を新規に作成、または更新し、さらに2050年カーボンニュートラルを発表する国も大幅に増加した。これにより、民間セクターでもカーボンニュートラルを目指す動きが増え、炭素クレジットにも関係するパリ協定6条への関心が高まっている。本稿では、パリ協定第6条の決定とその留意点について解説する。

<総説>

脱炭素におけるライフサイクルアセスメント
佐伯 順子(一般社団法人産業環境管理協会LCA 日本フォーラム事務局 主査)
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 近年の脱炭素へ動きが活発になる中で、ライフサイクルアセスメント(以下、「LCA」という)が注目されている。LCAは、環境への負荷を定量的かつ総合的に評価する手法である。LCAでは、評価範囲や目的を明確にしたうえで、必要なデータ(投入材料、エネルギー量など)を収集する。二酸化炭素排出量算定の場合、得られた各データを二酸化炭素排出係数と乗じ、最終的にライフサイクル全体での二酸化炭素の総排出量へと積み上げる。評価結果は、炭素排出削減対策の分析、目標設定、コミュニケーションツールなどで活用できる。このため近年では、環境経営などへ活用範囲が拡大している。

ISO/TC207環境マネジメント規格の最新動向 ― ISO14030グリーン債の規格発行
大野 香代(一般社団法人産業環境管理協会 国際協力・技術センター 所長)
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 近年、ISO/TC207(環境マネジメント)では、従来の組織の環境マネジメントの枠を超え、持続可能な発展にむけた気候変動対策や、環境保全への取り組みのための枠組みおよびそれを実行するためのツールとなる規格開発を行っている。その中で、環境保全に貢献するプロジェクト等に限定して融資を行うグリーンボンドおよびグリーローンの原則や手順を規定するISO14030(グリーン債)シリーズ規格が開発された。本稿では、これらの大野 香代(一般社団法人産業環境管理協会 国際協力・技術センター 所長)大野 香代(一般社団法人産業環境管理協会 国際協力・技術センター 所長)規格の開発経緯、概要、期待される活用について紹介する。

<シリーズ>

【弁護士からみた環境問題の深層/第17回】 カーボンクレジット取引の法的その他の問題点
北島 隆次(TMI総合法律事務所 弁護士/日本CSR普及協会 環境法専門委員会委員)
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地球温暖化問題が深刻化する中、カーボンクレジット取引が注目を集め始めている。これは、温室効果ガス(以下、「GHG」という)排出量を取引するという意味では、従来の排出量取引制度に類似しているが、排出規制の裏づけや排出枠といった概念が不要で、GHG排出量の削減や吸収したぶんに応じて金銭的価値が得られる特徴がある。各企業がカーボンニュートラルをはじめとする脱炭素目標を設定する中、達成のための経過的対策として検討する企業が増えているだけでなく、最近ではカーボンクレジットを組み合わせた商品・サービスを展開する事例も出てきている。もっとも、カーボンクレジット制度はまだ歴史が浅いため、カーボンクレジットの法的性質や取引に関する法的安定性の議論が不十分であり、詐欺的取引も横行している。
本稿では、カーボンクレジット制度の概要について触れたうえで、制度の問題点とその対応について検討する。

【産廃コンサルタントの法令判断/第74 回】 「 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の 廃棄物管理への影響 〜一般製造業に対する義務〜
佐藤健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部コンサルタント/マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第74回)。

【環境担当者のための基礎知識/第51回】水質関連法の基礎を学ぶ ―水質汚濁防止法、水質環境基準と排水基準、さらに地下水汚染を復習
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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日常の事業活動で環境法に接する新人担当者はもちろんのこと、ベテランの方も知っておくべき水質汚濁防止法などの基本事項を解説する。日本では様々な環境汚染や悲惨な公害病が起きて、事後的に法律が制定されてきた。そこで、四日市ぜんそくやイタイイタイ病、さらに製紙排水にかかわる大乱闘事件なども解説する。

【新・環境法シリーズ/第123回】ナノテクノロジー規制の近年の国際的動向 ─ 2014年以降のアメリカとEUの規制比較を中心に─
中山 敬太(早稲田大学社会科学総合学術院 助手)
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本稿は、萌芽的科学技術であるナノテクノロジーの科学的不確実性をともなうリスクに対する法的予防措置に関する近年の国際的動向を概観し、日本における規制状況や今後の立法政策上の課題等を示した内容である。具体的に、関連する先行研究を踏まえ、2014年以降のアメリカとEUの規制動向を比較検討した結果、2013年までの当該法的予防措置に対する規制アプローチの構造に関して大きな方針転換がなかったことおよびアメリカにおいて「予防原則」の制度趣旨や考え方をより援用した動きが一部見受けられることが明らかとなった。

【先読み! 環境法/第119回】農林水産省と環境省の連携強化
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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 農林水産省と環境省の「コロナ後の経済社会の再設計(Redesign)に向けた「農林水産省×環境省」の連携強化」(2020年10月23日)について、また、みどりの食料システム戦略の策定(2021年5月)とみどりの食料戦略法案、植物防疫法の改正案、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(2022年2月22日衆議院提出)について、及び有害な動植物の発生予防を目的に追加した植物防疫法(昭和25年法律第151号)の一部を改正する法律案(3月1日衆議院に提出)について解説する。
 
 1 農林水産省と環境省の連携強化
 2 みどりの食料システム戦略の策定とみどりの食料戦略法案、植物防疫法の改正案
 3 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(2022年2月22日衆議院提出)―「みどりの食料システム法案」―
 4 有害な動植物の発生予防を目的に追加した植物防疫法(昭和25年法律第151号)の一部を改正する法律案(3月1日衆議院に提出)―発生予察事業から有害動植物の発生予防

 

環境法改正情報(2022年3月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◆大気汚染防止法
◆労働安全衛生法 
◆土壌汚染対策法
◆容器包装リサイクル法
◆化審法
◆PRTR法
◆地球温暖化対策推進法
◆省エネルギー法
◆瀬戸内法
◆環境配慮促進法
◆再生可能エネルギー電気特措法
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