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<レポート>「チバニアン」って何?――約77万年前に地磁気のS極とN極が逆転
本誌編集部
▼概要文表示2019年6月号
 昔から船乗りは磁石(コンパス)で方位を確認して航海していた。これは地球が北極と南極付近を両極とするいわば大きな棒磁石になっているためである。地球固有の磁場を地磁気というが、過去360 万年で地磁気のS極とN極は15回以上も逆転している。
 すでに全国で報道されている通り、最後に起きた地磁気逆転が千葉県養老川沿いの地層(千葉県市原市田淵)に記録されていた。約77万年前の地磁気逆転の前後の痕跡が国内の地層に残っている、という学術的な価値は極めて高い。
<特別寄稿>「チバニアン」と地質学
岡田 誠(茨城大学 理学部 教授)
▼概要文表示2019年6月号
 市原市田渕の養老川河岸の崖「千葉セクション」(写真1)は、日本初のGSSP(Global boundary Stratotype Section and Point: 国際境界模式層断面とポイント)の候補地である。いまだ無名の「中期更新世」(77万年前〜12万6,000年前の間)に対する地質時代名称として「千葉の時代」を意味する「チバニアン」が提案されている。国際会議で承認されれば、地球誕生以降117に分かれている地質時代の名称として日本の地名が用いられる最初のケースとなる。このため、自然災害の多い我が国において、重要であるがマイナーな「地質学」の認知度を大いに高めるチャンスといえよう。
<巻頭特集2>グリーンイメージ国際環境映像祭
本誌編集部
▼概要文表示2019年4月号
 グリーンイメージ国際環境映像祭とは、環境をキーワードに、アニメーションからドキュメンタリーまで、ジャンルを超えた世界の優れた映像作品を上映する年に1 度のフェスティバル。会場は東京の日比谷公園内にある日比谷図書文化館コンベンションホールで、毎年3 日間にわたり開催されている。映画評論家の佐藤忠男氏が実行委員長を務める映像祭には、厳正な審査によって大賞が決まるコンペティションとしての重要な役割もあり、優れた環境映像が世界へ向けて紹介される場を担っている。本稿では参加作品をランダムに選んで紹介する。
<巻頭特集2>フォード自動車によるブラジル開発事業の破綻――タイヤ用ゴムを自社生産するために建設した巨大ゴム農園
本誌編集部
▼概要文表示2019年4月号
 東京で毎年開催されるグリーンイメージ国際環境映像祭で上映されたフォードのブラジル開発事業の失敗が大変興味深いので、その顚末をレポートする。事業の破綻に向かう当時の意外な事実が明らかになった。
 ジャングルの森林伐採問題は、企業の環境経営のみならずSDGsやESGにも関係する重要なテーマである。フォードの事業が失敗した背景や原因は、目先の利益追求を目指し将来の科学技術の発展を予見しなかったこと、環境専門家などの知見やノウハウを最初に活用しなかったこと、地域住民とその文化を軽視しアメリカ文化を押しつけたこと、そして自然を大規模に破壊したことである。
<特別寄稿>福島第一原子力発電所 廃炉事業の現状とこれから
木元 崇宏(東京電力ホールディングス株式会社 原子力・立地本部長代理 兼 福島第一廃炉推進カンパニー リスクコミュニケーター)
▼概要文表示2019年3月号
 福島第一原子力発電所の事故から8 年が経過した。現在は原子炉の安定した冷却状態が保たれ、廃炉へ向けた作業を着実に進めている。
 事故当時、大量の放射性物質が海洋へ流出したが、その後、流出を抑制する様々な対策を講じた結果、港湾内外の海水の放射能濃度は事故直後と比べ100 万分の1 程度まで低下している。
 その一方で、福島県では事故の影響で今なお4 万人以上の方々が避難生活をされており、ご迷惑ご心配をおかけしている状況にある。当社は廃炉作業を安全かつ着実に進め、地域に戻られる方々の安心に繋げていきたい。
 今回、その廃炉作業の状況や進捗についてご報告させていただく。
<総説>環境汚染対策の進展と今後の課題――35年間を回顧して 第2 回 化学物質対策(国際編)
早水 輝好(環境省参与/国連大学サステイナビリティ高等研究所・客員シニアリサーチフェロー)
▼概要文表示2019年2月号
 私の化学物質に関する国際的な業務は、1993 年末からのOECD事務局(環境保健安全課)での勤務から始まり、帰国後、残留性有機汚染物質(POPs)に関する条約交渉に途中から参加した(2001 年にストックホルム条約として採択)。2009 年からは、SAICM(国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ)のアジア太平洋地域代表のビューローに加え、水銀に関する条約交渉についてもアジア太平洋地域コーディネーターとして政府間交渉委員会(INC)に参加し、製品・プロセスに関する論点の整理などを進めた(2013年に水俣条約として採択)。日本人も国際交渉に長く参加して貢献することが望ましく、若い人たちに期待する。
<総説>平成が終わる新年の幕開け──環境はどう変わるか? 今年も見逃せない環境政策と法令遵守
本誌編集部
▼概要文表示2019年1月号
 プラスチックごみがクジラや大衆魚などの胃袋から次々と発見され、ウミガメに突き刺さったストローの痛々しい映像も全世界で報道された。このように各国世論が世界の環境政策を変えようとしている。廃プラに関して、現状のままでは2050 年までに魚の重量を上回るプラスチックが海に流出することが予測されている。しかもリサイクルの優等生であった日本が、ワンウェイの容器包装廃棄量(一人当たり)が世界で2 番目に多いと厳しく指摘されている。
 さらに中国はじめ、アジア各国による資源ごみ(廃プラ等)の輸入規制が拡大しており、これまで以上に国内資源循環が求められている。日本政府はプラスチック資源循環体制を構築するため新たな戦略を世界に発信する。本稿では昨年末に開催されたCOP24 の状況を最初に報告し、次にプラスチック資源循環戦略案を紹介する。最後に、神社や宮司でさえ書類送検されるという非常に興味深い環境犯罪についてレポートする。
<巻頭レポート>御射鹿池 その生い立ちと水質を調べる!
NPO環境・地理探訪クラブ
▼概要文表示2018年11月号
 多くの観光客を魅了する御射鹿池(みしゃかいけ)を環境面で調査した。池は自然にできた湖沼ではなく、農業用のため池である。この温水ため池は、池に水を一時的に貯留することによって冷たい谷川の水を5℃も高める機能がある。湖面を美しく妖艶な姿にしたのは低温かつ酸性の水質が一つの理由である。鉄イオンの沈殿作用なども含め興味深い御射鹿池の実態を探ってみる。
<特集>工業用水道事業を巡る最近の動向
佐々木 忠則(経済産業省 工業用水道計画官)
▼概要文表示2018年10月号
 産業構造の変化、水の使用合理化等から工業用水需要は減少を背景に事業経営の改善が必要となっている。一方、高度経済成長期に整備され、老朽化した工業用水道施設の更新の必要性は年々増加している。このため、経済産業省は、施設更新・耐震化計画を策定した事業体に対して補助金により支援している。加えて、工業用水道分野において、事業経営の改善や施設更新の促進するため、コンセッション方式の導入促進等を推進している。
<特集>上下水道料金が急激に上昇!
本誌編集部
▼概要文表示2018年10月号
 地方を中心として、全国の自治体で上下水道の料金改定が検討されている。値上げ幅は非常に大きい。施設を新設した当時の経済予測と現在の状況が大きく異なっており、大口事業者の減少や少子高齢化などによって使用量や上下水道の料金収入が大きく減少しているためだ。地方自治体が新たに企業会計制度を導入することで、ユーザー使用料で回収すべき経費が賄われていない状況も明らかになっている。半世紀ぶりに顕在化する上下水道事業の財政危機と料金改定をレポートする。
<特集>上下水道事業の現状と最新動向――人口減少時代の水道料金と官民連携の推移
福田 健一郎(EY新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー)
▼概要文表示2018年10月号
 社会基盤(インフラストラクチャー)の中でも、特に人々の生活に不可欠といえる上下水道事業が、人口減少時代における収益の減少と、老朽化した水道管等施設の更新事業費の増大という経営面での厳しい局面を迎える。今後ほぼすべての水道事業で水道料金の値上げは不可避であり、都市部と地方部での料金格差も拡大していくことが予想されている。経営の持続性確保が不可欠だ。本稿では、我が国上下水道事業が抱える課題は何かを整理するとともに、官民連携の新たな取組(コンセッション方式)を中心に、持続性確保に向けた取組の現状や課題について詳説する。
<トピック>2018年に注目すべき環境テーマ
本誌編集部
▼概要文表示2018年1月号

 年初にあたり、企業経営で注目せざるを得ない今年の環境テーマを予測してみる。
 ① 廃棄物管理の強化(法改正)
 ② 再生可能エネルギーなどエネルギー問題(電気自動車の動向など)
 ③ 温暖化問題
  そして忘れてはならない、
 ④ 不正行為の撲滅・法令順守、環境管理……
 一昨年末に2017年はどのような環境問題が企業・事業所に注目されるか、という予想で同様な意見を読者からいただいた。企業からはダントツで廃棄物問題と温暖化の問題が出た。さらに再生可能エネルギー、省エネ、3R・資源循環、化学物質管理が上位に予測されていた。これらは本年も引き続き重要テーマになる。過去の振り返りを含め重要ポイントを整理してみる。

<巻頭レポート>アラル海の悲劇、その環境破壊とは
本誌編集部
▼概要文表示2017年10月号

 アラル海の悲劇は「20世紀最大の環境破壊」もしくは「地球における最悪の環境破壊の一つ」と呼ばれている。1960年代から水位が極端に低下し、湖水の塩分濃度も驚く程上昇した。緑豊かだった当初の湖岸は、今では乾燥した内陸に位置しており、湖の水辺まで150~170kmも離れてしまっている。かつての漁村の港に係留されていた船の一部が干上がった砂漠の中に取り残され、赤サビに染まった姿は数多く撮影され記録されている。その現況をレポートする。

<巻頭特集>JVCケンウッドの環境技術環境素材にこだわったウッドコーンスピーカー開発物語――ブレークスルーの契機は日本酒とスルメ
本誌編集部
▼概要文表示2017年9月号

 木でつくられた楽器のような美しい響きをスピーカーで再現したい―― ある開発者の着想から、ウッドコーンスピー
カー開発の歴史がスタートした。着想から30 数年、試行錯誤の連続を経て2003 年、世界初の「天然木の振動板」
を採用したウッドコーンオーディオシステムが完成した。
 その後も現在にいたるまで絶え間ないイノベーションが進められている。開発者である株式会社JVCケンウッドの
今村 智氏に話を聞いた。

<総説>東京2020オリンピック・パラリンピック大会の持続可能性に配慮した取組
田中 丈夫(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 大会準備運営第一局 持続可能性部長)
▼概要文表示2017年7月号

 持続可能性への配慮は、国際的な潮流であるとともに、国際オリンピック委員会(IOC)もオリンピック大会の準備・運営のすべてに渡り、この持続可能性への配慮を求めている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、環境や社会、経済に関する目標や施策を盛り込んだ「持続可能性に配慮した運営計画」を策定する。東京2020大会のすべての関係者はこの運営計画をもとにそれぞれの施策を実施する。さらに東京2020組織委員会では、この運営計画の実現に向けて、東京2020大会で調達する物品やサービス等に適応するための「持続可能性に配慮した調達コード」を策定した。東京2020大会をきっかけに持続可能性への配慮が行き届いた社会になることを期待している。

<報告>大型連休に発生した赤潮の原因
本誌編集部
▼概要文表示2017年6月号

 神奈川県茅ヶ崎市や藤沢市、鎌倉市の海水浴場では本年5月の連休に規模が大きい赤潮が発生した。茅ケ崎市沖から鎌倉市沖の約12kmを巡回した海上保安庁の巡視艇が、赤く染まっている海域が点在しているのを確認している。赤潮の発生は、従来、生活排水や工場排水などが海に流れていくことによって、海水中のCODや栄養塩類等が多くなることが原因であると考えられていた。赤潮発生の原因をレポートする。

<特集1>実話に基づく奇跡の汚水処理と避難判断――東日本大震災被災地を歩く
本誌編集部
▼概要文表示2017年3月号

 東日本大震災で被害を受けた宮城県名取市の一般市民が熊本県益城町を訪問して被災者と交流したが、熊
本では過去の震災教訓がほとんど生かされていない現実に大変驚いたという。熊本県など自治体が公開していた地震予測や活断層マップ、ハザードマップは周知されず十分機能していなかったようだ。
 災害時に行政は一般市民の命を守ることを最大の目的にして活動する。一方、企業の事業場に対する支援などは優先度が相当低い傾向にある。そのため工場長など管理職が事前のBCP策定(事業継続計画)や危機管理のリーダーとして意思決定する必要がある。事業所スタッフの命を守り環境を可能な限り保全するのは現場トップや管理部門の責務である。このレポートで取り上げた事例は企業や事業場にも関係し、事前事後の体制作りや避難計画がいかに重要かを示唆している。

<特集1>環境創生につながる復興まちづくりに向けて
戸川 卓哉(国立研究開発法人 国立環境研究所・福島支部・研究員)/中村 省吾(国立研究開発法人 国立環境研究所・福島支部・研究員)/大場 真(国立研究開発法人 国立環境研究所・福島支部・主任研究員)
▼概要文表示2017年3月号

 東日本大震災の被災地域では、人口減少・少子高齢化や産業衰退等の地方都市が直面する諸課題に対応した地域社会の創生が求められている。国立環境研究所・福島支部は、福島県新地町において復興まちづくり支援の研究を進めており、産業との共生を実現する地域エネルギーシステムのデザインや情報通信技術を活用したエネルギーマネジメントシステムの社会実装の支援等に取り組んできた。本稿ではこれらの取り組みの概況について紹介する。

<特集1>福島再生可能エネルギー研究所(FREA)の研究開発
中岩 勝(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所 所長代理)
▼概要文表示2017年3月号

 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)は、政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」(2011年7月)を受けて、産業技術総合研究所(産総研)の新たな研究開発拠点として2014年4月に福島県郡山市に開所した。FREAは、「世界に開かれた再生可能エネルギー研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を使命とし、様々な人々の集う拠点を目指している。ここではFREAの研究開発の現状と、我が国が直面するエネルギー状況を視野に入れた今後の方向性を概説する。

<コラム>「雲上の楽園」松尾鉱山――大気汚染防止対策で閉山
本誌編集部
▼概要文表示2017年1月号
 岩手県・北上川の支流の一つである赤川の上流、八幡平の中腹に位置している旧松尾鉱山は、硫黄の生産により一時は「雲上の楽園」と呼ばれ、隆盛を極めた。その後、回収硫黄の流通により経営が悪化し昭和47(1972)年に事実上閉山したが、鉱山からの大量の強酸性水は北上川を汚濁し、大きな社会問題となった。数奇な運命をもつ松尾鉱山をレポートする。
<総説>旧松尾鉱山坑廃水の中和処理業務について
佐藤 直樹(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 松尾管理事務所)
▼概要文表示2017年1月号
 全長249kmと東北随一の大河である北上川は、岩手県の豊かな自然環境の象徴であり、秋になると鮭が遠く太平洋から遡上し、盛岡の秋の風物詩として親しまれる清流を誇っている。しかしながら、この北上川がかつて旧松尾鉱山から流出した強酸性水によって濁り、魚が住めない時代があった。当時、大きな社会問題となり、この問題に対処するため、岩手県は国の支援を得て旧松尾鉱山に新中和処理施設を建設し、強酸性水を中和処理することで北上川は清らかな流れを取り戻した。本稿では、当時から現在まで休むことなく続いている北上川の清流を守る取組を紹介する。
<巻頭特集>Hondaの環境経営 つくる、つかう、つながる ── 未来社会へ向けたHonda のエネルギーマネジメント技術
インタビュー:加藤 久( 本田技研工業株式会社 経営企画部 環境安全企画室 開発技師)取材/文:本誌編集部
▼概要文表示2016年12月号
 「地域から愛される工場を目指せ」「地域住民に迷惑をかけるな」── Hondaの創業者・本田宗一郎が創業当初から掲げている理念は、Hondaの環境経営の大きな流れをつくっている。一つは工場と地域住民のあり方としての「グリーンファクトリー」の取り組み、さらに「製品以外のものを工場の外に出してはならない」、つまりは企業活動による環境負荷を限りなく低くする取り組みである。
 そしてもう一つは製品自体の環境負荷低減の取り組みである。製品のライフサイクル全体のCO2排出量は「製品使用時」が全体の8割を占める。そこでできることは、製品そのもの環境性能の追求と、新製品開発による新しい価値の創造である。
 本インタビューでは、Hondaがいま「次世代の価値創造」として進める環境戦略にフォーカスして、経営企画部 環境安全企画室 開発技師 加藤久氏に話を聞いた。
<レポート>江戸時代から現在までの水管理の知恵を展示する「水の歴史資料館」
本誌編集部
▼概要文表示2016年10月号
 今から90年程前に活性汚泥法による汚水処理を日本で初めて導入したのは名古屋市である。「水の歴史資料館」は、名古屋市上下水道事業100周年を記念して建設された施設であり、上下水道事業の歴史や役割、そして地震や豪雨など防災についてもわかりやすく学べる入場無料の施設である。
 近くには赤い屋根の東山給水塔がそびえている。この給水塔は昭和5年につくられ、昭和48年まで地盤が比較的高い地域へ配水する役割を担い、当時は東山配水塔と呼ばれていた。浄水場から送られた木曽川の水を高低差を利用し、自然流下で配水していた。短時間の停電でポンプが動かないような場合でも重力を利用して給水ができた。
 本稿では、江戸時代から今日に至る水に係る先人の英知を探ってみる。
<特集1>「奇跡の湖」水月湖の年縞と環境問題
本誌編集部
▼概要文表示2016年9月号
 福井県の三方五湖の中で最も大きな水月湖は「奇跡の湖」といわれる。湖の底に7万年の歳月をかけて積み重なった「年縞」と呼ばれる縞模様の堆積物が発見され、長年の研究により地質学上の「世界標準時計」として認められたからだ。年縞により年代測定の精度は従来の精度から飛躍的に高まり、考古学や地質学などさまざまな研究に貢献し、まさに「地質時代にとってのグリニッジ天文台」(中川 毅教授)となった。
 年縞の研究は年代測定だけでなく、連続する縞模様を分析することで過去の気候や自然環境、洪水や地震、噴火の発生年を正確に確認することもできる。こうした研究は、地球温暖化や自然災害のメカニズムなど、現在の環境問題の解明にもつながるものとして期待されている。
 本レポートでは、過去7万年分の年縞ができたメカニズムを解説し、年縞を活用した興味深い研究成果も紹介する。さらに、懸濁粒子の排水処理に係る沈降速度と固液分離(自然沈殿)など処理技術の基礎理論を水月湖・三方湖と対比して解説する。
<特集1>水月湖年縞の発見と研究の進展 ── 鳥浜貝塚の発掘調査から近年の動向について
小島 秀彰(若狭三方縄文博物館主査(学芸員))
▼概要文表示2016年9月号
 福井県三方五湖のうち、最大の湖である水月湖底には年縞が残されている。この水月湖年縞発見の端緒となった鳥浜貝塚は、1962 年から1986 年まで発掘調査が行われた縄文時代草創期から前期の低湿地性貝塚である。環境考古学を考える上で両者は不可分な関係にある。本稿では、鳥浜貝塚の発掘調査、水月湖年縞のボーリング調査、研究の経緯、他分野研究への活用について学史を振り返り、今後を展望する。
<特集1>気候変動メカニズム解明の鍵となる 水月湖年縞堆積物の高精度な環境変動記録
北川 淳子(福井県 里山里海湖研究所 研究員)
▼概要文表示2016年9月号
 水月湖の年縞堆積物は、更新世から完新世への移行期の気候復元で世界の研究者の注目を集め、また2013年には炭素14年代測定法の較正年代曲線に水月湖のデータが加わり、炭素14年代測定の精度を飛躍的に向上させた。このことにより、水月湖周辺の詳細な環境変化の研究のみならず、他湖沼の堆積物に詳細な年代を与え、地域間で正確に比較することができるようになり、古環境の研究のさらなる発展が期待できる。ここでは、水月湖の湖底堆積物の正確な年代と環境変動の指標となる花粉記録が地球規模での気候変動メカニズムの解明に一躍買っていることを紹介する。
<巻頭コラム>四日市公害の歴史と教訓
本誌編集部
▼概要文表示2016年4月号
 昭和30年代に発生した四日市公害。その歴史と教訓を次世代に伝えるために2015年3月21日に開館した「四日市公害と環境未来館」は1周年を迎えた。展示エリアは六つに分かれており、小学校高学年から大人まで、わかりやすいようにいろいろな工夫がされている。情報検索コーナーでは、公害健康被害者、司法関係者、企業担当者など、さまざまな立場から四日市公害に関わった人々の40人を超える証言映像により目や耳で体感することができる。特に四日市公害裁判シアターでの映像などは必見である。「四日市公害の経験を通して、もう一度四日市市の環境を見つめなおし、自分達の身の回りから、環境に配慮した行動をとるにはどうしたらいいか」。展示物はそう訴えているようだ。
 1967年、広がる公害問題をなんとかしようと磯津地区の公害認定患者がコンビナート企業を相手に裁判を起こす。当時の映像や、新たに撮影した関係者の証言を交えた映像からは四日市公害裁判とその判決がもたらした影響を知ることができる(約20分)。
<巻頭特集>日頃の備えと命がけの誘導で全員避難 ── 日本製紙の危機管理
本誌編集部
▼概要文表示2016年3月号
 本誌1 月号に掲載した仙台市役所の「震災復興」取材記事に続き、宮城県石巻市にある日本製紙(株)石巻工場の事例を紹介する。工場は津波の直撃を受け壊滅したが直前に避難することができ、1,306 人全員が無事であった。この事例は今後の貴重な教訓となるだろう。
<巻頭特集>あの日、大川小学校で 何が起きたのか? ── 危機管理の徹底と「三次避難」の重要性
本誌編集部
▼概要文表示2016年3月号
 2011 年3月11日、東北地方太平洋沖にマグニチュード9.0という未曽有の大地震が起こった。それに伴い発生した巨大な津波は多くの犠牲者を生み、沿岸の地域に壊滅的な被害を与えた。
 中でも宮城県石巻市の大川小学校では、校庭にいた児童76名のうち72名、教職員11名のうち10名死亡という多くの犠牲者を出した。多くの学校が被害に遭う中、ここまで大きな犠牲が出たのは大川小学校だけである。この悲劇が「なぜ起きたのか」という原因究明
と再発防止のために検証委員会が開かれ、「大川小学校事故検証報告書」( 以下、「報告書」)がまとめられた。報告書の冒頭で「この事故は決して大川小のみの特殊なものではなく、また起こり得る事故である。だからこそ、そこからの教訓を最大限に引き出して今後の防災対策につなげていくことが、失われた命に報いることとなる」と述べている。
 本稿では報告書を主に抜粋引用し、新聞・書籍、各種資料などの公開情報を参考にして事件の経緯とポイントを報告する。
<巻頭特集>除染推進活動の状況 ――東京電力福島復興本社除染推進室における取り組み
高野 隆彦 東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染企画グループ伊藤 圭  東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染企画グループグループマネージャー瀧澤 孝一 東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染技術開発担当
▼概要文表示2016年3月号
 東京電力(株)は、国・市町村が実施する放射性物質に汚染された土壌等の除染に、事故の当事者として人的・技術的協力を実施している。モニタリングや除染事業への協力に加え、適切な除染実現のための各種技術を網羅的に集積、検討、開発し、除染現場に適用している(放射線理解促進ツールの開発、個人線量計測技術の開発、除染効果解析プログラムの開発と活用、移動型モニタリングの開発、指向性モニタリングの開発等)。累計活動人数は2015年末現在で14万人を超えるが、いまだ取り組むべき課題も多く残されており、引き続き協力を実施していく。
<新特別春対談>「産業技術総合研究所中鉢良治理事長にきく」 社会的価値を生み出すイノベーションと日本の競争力
中鉢良治 産業技術総合研究所理事長×冨澤龍一 一般社団法人産業環境管理協会会長
▼概要文表示2015年1月号
 産業技術の向上で持続可能な社会を実現し、社会的・経済的な価値を創造する── この方針の下、産業技術総合研究所は、長年日本のテクノロジーの進化を牽引してきた。そしていま、革新的なイノベーション創出に向けて新たな展開を進めている。本記事では、産業技術総合研究所・中鉢良治理事長に当協会・冨澤龍一会長とご対談いただき、企業が抱える環境経営の課題、環境技術が持つ国際競争力のポテンシャル、そして産業技術総合研究所と当協会がこれから果たすべき役割まで、多岐にわたり語っていただいた。
<総説>再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する最近の動向
小林 寛 長崎大学大学院准教授
▼概要文表示2014年8月号
 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が2012年7月1日に施行されてから、2年が経過した。同法に基づく再生可能エネルギーの固定価格買取制度の施行後、太陽光を中心として再生可能エネルギーに係る発電設備の導入は進んでいる一方で、認定取り消し事例などいくつかの課題も浮かび上がってきた。
 そこで本稿は、導入状況など固定価格買取制度の最近の動向を検討するものである。筆者は、再生可能エネルギーの利用促進が一層図られるために、固定価格買取制度を安定的に維持する必要があると考える。
<特集1>ひ素の基礎知識
大脇正人 一般社団法人産業環境管理協会環境技術・人材育成センター研修室室長
▼概要文表示2013年11月号
 ひ素は、古くから人とのかかわりが深い元素である。ひ素というと「暗殺に使われる薬物」のイメージだが、薬品に使われた時代もあり、有用な元素のひとつである。ここでは、ひ素の基礎的な情報を提供し、人とのかかわりから生じた事件事故なども取りまとめた。なお、本稿は、ひ素に関連する情報をまとめた形になるため、他の文献を引用することが多くなることをご容赦願いたい。
<特集1>アジアにおける地下水ひ素汚染の実態とひ素除去技術の現状
横田漠 特定非営利活動法人「アジア砒素ネットワーク」代表宮崎大学名誉教授同大学国際連携センター客員教授
▼概要文表示2013年11月号
 ヒマラヤ山脈にその源を発する大河川の各流域におけるひ素汚染の状況に関して、ガンジス川下流域のインド・西ベンガルとバングラデシュが最も広域かつ高濃度に汚染されており、ほかのインダスやメコンの流域ではスポット的に高濃度汚染が見られるが、汚染レベルは比較的低いなどが述べられている。代替水源としてのひ素除去技術に関しては、鉄による吸着・沈殿、活性アルミナやセリウムによる吸着について紹介されており、安全な飲料水の持続的な確保のために、利用者組合によるひ素除去装置の管理運営や技術の現地企業化などの必要性が述べられている。
<特集1>光触媒のひ素除去技術への応用
猪野大輔 パナソニック株式会社R&D 本部先端技術研究所
▼概要文表示2013年11月号
 インドのような発展途上国では、共沈法と化学吸着法が地下水のひ素除去技術として広く用いられている。これら除去技術の持つ能力を最大限に発揮させるには、除去工程の前に地下水を酸化処理し、亜ひ酸(As(Ⅲ))をひ酸(As(Ⅴ))へ変換する必要がある。二酸化チタン光触媒は、汚染物質を分解するための消費薬剤が不要で太陽光のような自然エネルギーを利用可能な新しい水浄化技術である。本稿では光触媒の最新の実験結果をもとに、光触媒のひ素酸化技術への応用を検討した。
<特集>微小粒子状物質に関する問題の背景と現状
坂本和彦 埼玉県環境科学国際センター 総長
▼概要文表示2013年6月号
 物質の燃焼により直接粒子として排出される一次生成粒子や種々の大気汚染物質の光化学反応や中和反応などにより生成される二生成次粒子の多くは2μm以下の微小粒子である。微小粒子は呼吸器系の奥深くまで吸入されて人の健康に影響を与えるため、我が国では微小粒子状物質(PM2.5:空気動力学的粒径2.5μmで50%がカットされた2.5μm以下の微小粒子)に係る環境基準が2009年9月に設定され、その濃度低減が求められている。ここでは大気粒子状物質(PM)の生成・消滅や健康影響を概説するとともに、浮遊粒子状物質(SPM)汚染とPM組成の変化、PM2.5環境基準の設定と大気環境監視体制の整備、PM2.5問題の現状並びに今後の低減対策に必要とされる課題について述べる。
<特集>2013年中国激甚大気汚染事件の顛末
小柳秀明 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)北京事務所長
▼概要文表示2013年6月号
 2013年初、中国大陸で観測史上最悪といわれる大気汚染が発生した。主要汚染物質はPM2.5で、2月末からは黄砂も飛来してPM10濃度も上がり、複合汚染の様相を呈した。北京市政府等は大規模工場の一時操業停止など緊急対策を講じたが、不利な気象条件が続いてなかなか改善されなかった。事態を重くみた中央政府はモニタリング体制の整備等を加速するとともに、大気汚染対策特別行動計画の策定に着手した。日本でも越境汚染の不安が広がり、2月末環境省は注意喚起の暫定指針を策定した。また、4月には日中共同で北京にて大気汚染対策セミナーを開催し、新たな環境協力の道を模索し始めた。
<特集>PM2.5をめぐる海外の報道
大岡 健三 一般社団法人 産業環境管理協会 出版・広報センター所長
▼概要文表示2013年6月号
 日本の広い範囲で微小粒子状物質PM2.5が観測されたというニュースが本年1月に全国で報道された。九州のみならず本州でも観測され、1月31日には全国155か所の測定局のうち31%で、環境基準値である1㎥あたり35μg(1日平均)を超過した。これらは中国の大気汚染による影響だとされている。さらに黄砂の飛来も加わり、都道府県はモニタリングを強化し監視している。
 本号では二人の専門家からPM2.5に関して的確な情報を提供いただいている。そこで、英米ではどのような情報が一般向けに提供されていたのかを英文情報をベースに概観してみる。
<総説>科学と社会とのギャップ―リスコミがなぜすすまないか
西澤 真理子 リテラジャパン(株式会社リテラシー)代表取締役
▼概要文表示2012年12月号
 科学技術が発展するにつれ、その社会での応用化、実用化には、安全性や倫理面での科学技術の専門家と一般とのギャップが顕著になってくる。その要因の一つには、二者間のコミュニケーションがうまく機能していないことが挙げられる。本論文では、リスクコミュニケーションがなぜ進まないかということを切り口に、この問題を分析する。そして人々が安心して生活するための信頼の確保にリスクコミュニケーションがどう活きるか。その改善についての提言を行っていく。
<特別寄稿>環境問題、これからの50年と産業環境管理協会
▼概要文表示2012年10月号
 産業公害から地球環境まで、環境問題の変遷とそれに伴う社会のニーズに対応して当協会は50年間、活動を続けてきた。本特集ではその歴史をひも解くとともに、現在、そして未来の環境問題に対してどのように取り組んでいくべきかを考えていく。そこでまず環境関係の各界の識者の方々に、「これから50年の環境問題」をテーマとしていま日本に必要な戦略と、当協会に課された使命について執筆いただいた。
 
 ◉今後の環境管理は何が求められているのか? 石谷 久 東京大学 名誉教授
 ◉グリーンからエシカルへ 山本良一  東京都市大学 環境情報学部 教授/国際グリーン購入ネットワーク会長
 ◉製造業に求められる化学物質管理 北野 大 明治大学大学院 理工学研究科新領域創造専攻 安全学系 教授
 ◉環境エネルギー戦略と地球的危機 安井 至 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長
 ◉環境からサステイナビリテイへ 稲葉 敦 工学院大学工学部 教授
 ◉新しい3Rの展開を目指して—市場と制度の間で 細田 衛士 慶應義塾大学 経済学部 教授
<部門歴史①>環境問題の変遷と産業環境管理協会の50年そして今後
指宿堯嗣 一般社団法人産業環境管理協会常務理事
▼概要文表示2012年10月号
 産業環境管理協会は1962年にその前身である大気汚染防止工業協会が設立されており、今年は50周年という大きな節目を迎えている。ここでは産業公害から製品環境、地球レベルの環境へと展開する当協会のこれまでの歩みを環境問題の変遷とあわせて振り返るとともに、当協会の活動状況を紹介しながら今後の展開についても考えてみたい。
<会員・関係者寄稿>産業環境管理協会 創立50周年によせて
▼概要文表示2012年10月号
 協会設立以来50年のあいだにお世話になった方々は数知れず、また現在も会員企業、団体、各界の諸先生方より多大なご援助、ご協力をいただいている。そんな方々の声を通して50年を振り返るとともに、いままさに協会に求められている期待と策励の言葉をお届けしたい。
 
 新井直樹 元・帝人株式会社常務理事(環境・エネルギー分野担当)
 石井俊昭 JX日鉱日石エネルギー株式会社環境・品質本部社会環境安全部長
 岡崎照夫 新日本製鐵株式会社環境部部長
 小島圭二 東京大学名誉教授/地圏空間研究所
 田尾博明 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門長
 高橋庸一 株式会社日立製作所地球環境戦略室副室長
 竹ケ原啓介 株式会社日本政策投資銀行環境・CSR部長
 並木 裕 大成建設株式会社環境本部環境開発部資源循環開発室主事
 柳憲一郎 明治大学法科大学院教授
 松村弓彦 弁護士
 横山隆壽 財団法人電力中央研究所環境科学研究所特別嘱託
 井深成仁 東京エレクトロン株式会社環境推進室部長
 岩間芳仁 社団法人日本経済団体連合会環境本部長
 影山嘉宏 東京電力株式会社執行役員環境部長
 齋田正之 NECファシリティ─ズ株式会社取締役執行役員
 則武祐二 株式会社リコー審議役
 向阪 浩 一般社団法人産業環境管理協会名誉顧問 
 須田 茂 一般社団法人産業環境管理協会名誉参与
 中山哲男 一般社団法人産業環境管理協会名誉参与 
 山田和彦 公益財団法人日伊協会専務理事
<部門歴史②>産業と環境の会の活動と小史
中村健太郎 一般社団法人産業環境管理協会産業と環境の会センター主幹
▼概要文表示2012年10月号
 産業と環境の会センターは、2012 年(平成24 年)4月1日に発足した。50周年を迎える一般社団法人産業環境管理協会の中にあってまだ1年生のセンターだが、前身である社団法人産業と環境の会は、環境政策の意見交流の場として長年活動を続けてきた歴史がある。本稿では、その歴史を振り返るとともに、産業と環境の会の活動について紹介する。
 
産業と環境の会センターによせて【特別寄稿】
◉「産業と環境の会センター」の魅力 西崎 宏 JFEスチール株式会社専務執行役員
◉「産業と環境の会」のスピリッツを活かしてください 西尾哲茂 明治大学法学部教授
<付録>環境年表─環境史と産業環境管理協会50年の歩み
▼概要文表示2012年10月号
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