環境管理バックナンバー 2008年 3月号

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2008年3月号 特集:環境技術開発最前線

<特集>

期待されるわが国の省エネルギー技術
工藤博之 財団法人省エネルギーセンター技術部部長
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 地球規模での温暖化対策が求められている中で,わが国の省エネルギー技術への期待が高まっている。1970年代のオイルショックを契機に工場等で実施されてきた地道な省エネの努力が,環境面でも経済的にも有効と世界が認めてきている。その背景には,1979年に施行された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」,いわゆる省エネ法が数次にわたって改正され,国と産業界が協力して技術開発と普及に努めてきたことがある。工場に加えてオフィスなどのビルでのエネルギー管理が強化され,家電や自動車でもトップランナー基準と目標年度に合わせた技術開発が成果を挙げている。本稿では,最近脚光を浴びつつある省エネルギー技術と,今後2030年に向けて国が推進しつつある技術開発テーマについて紹介する。

自然由来の土壌・地下水汚染調査について
成沢 昇 財団法人日本ガス機器検査協会環境調査部
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 近年,日本列島の各地において,自然由来の土壌中の有害重金属に対する対処の方法にて,多くのトラブルが生じている。自然由来でありながら,その一部は土壌汚染と判断されて過大な浄化コストとなり,土地取引に大きな影響を与えている。一方で,自然由来か人為的な原因かの判別は容易ではなく,科学的根拠をもって,十分に検討がなされないケースも多い。その他,法律(土壌汚染対策法)の解釈についてもあいまいな部分が存在し,自然由来の土壌汚染に対しては,多くの課題が残されているのが現状である。

紙パルプ産業におけるメタン発酵排水処理技術の利用
濱田 薫 日本製紙株式会社技術研究所
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 メタン発酵処理技術は,排水中の有機物からエネルギーを回収できるだけでなく好気性処理に比べて余剰汚泥の発生が少ないことなどが特徴であり,非常に有用な技術である。この技術は,UASB法の開発などにより処理効率が飛躍的に向上したことから食品をはじめとする多くの産業に導入されている。紙パルプ産業においてもメタン発酵設備は欧州を中心に導入されており,当社でも2004年(平成16年)に勇払工場,2005年(平成17年)には岩国工場に実機設備を導入している。両工場ではメタン発酵処理をクラフトパルプ製造工程で発生する黒液の蒸留液(KPエバドレン)に対して適用しているが,この排水への適用は国内初である。

アクティブノイズコントロール
西村正治 鳥取大学工学部機械工学科教授
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 工場騒音,交通騒音,生活騒音などの各種騒音問題は,単に一過性でなく,精神面への問題が蓄積される重要な環境問題のひとつである。これまで機械の音源対策,伝播経路対策が進み,かなりの静粛化が図れるようになってきたが,従来の受動的対策だけではなかなか革新的低騒音化は期待できない。本稿では,逆位相の音を出して元の音をキャンセル消音するアクティブノイズコントロール(ANC)技術を取り上げ,その原理,基本的手法,開発状況などの概要を紹介した。ANCは決して万能ではないが,その限界も明確になり,騒音対策の道具のひとつとして実用され始めている。今後さらに研究開発が進み,広く活用されることを期待する。

<シリーズ>

【環境法の新潮流49】製品規制・総論―欧州の統合的製品政策
柳憲一郎 明治大学法科大学院教授
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 欧州における製品規制の政策には,廃電気・電子機器指令(WEEE指令)(2002/96/EC),電気・電子機器の特定有害物質使用制限指令(RoHS指令)(2002/95/EC・2005/95/EC)や新化学品(REACH規則)(1907/2006)のように,ある特定製品または原料に対する禁止や制限といった「伝統的な」製品規制があるが,その中心にあるのが,第6次環境行動計画で謳われた統合的製品政策(IPP:Integrated Product Policy)である。その狙いは,ライフサイクルの概念的な枠組みを与えることで既存の製品関連の政策を補完し,IPP政策によって,現在及び将来の環境に係る製品政策手段の調整や統一性を強化することにある。その政策の履行状況は,必ずしも順調とはいえないが,ステークホルダーとの協働とライフサイクルアセスメント(LCA)手法の開発や自主的手法を組み込んだ統合的な製品管理として意欲的な試みであり,今後の発展が期待される。

【実践マテリアルフローコスト会計30】林業経営における原価計算システム導入とマテリアルフローコスト会計への拡張可能性
梶原 晃 あずさサスティナビリティ株式会社
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 日本の林業経営では,特定の期間の経営成績や時点の財政状態を適正に把握することを意図する原価計算は行われてはこなかった。そこで,不透明であった林業の経営成績と財政状態を明らかにするためのツールとして,単位あたりの具体的な立木生産原価の計算過程を明らかにしその計算方法を新たに提案すること,および,その延長としてマテリアルフローコスト会計(MFCA)の導入可能性について検討することを本稿の目的としたい。こうした新しい業績評価方法を導入することによって,ライフサイクルを通じた収益費用構造を明らかにすることができれば,林業事業体の経営効率が高まり,より環境負荷の低い林業経営が可能になると考える。

<総説>

COP/MOP3の成果と意義
山口建一郎 株式会社三菱総合研究所環境・エネルギー研究本部地球温暖化対策研究グループ主任研究員
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 COP/MOP3(気候変動枠組条約第13回締約国会合兼第3回京都議定書締約国会合)は,2007年12月3日から14日までインドネシアのバリで開催された。議長はインドネシアのウィトゥラル(Rachmat Witoelar)環境大臣であった。 COP/MOP3の最大の成果といわれるのが「バリ行動計画」(Bali Action Plan)である。「バリ行動計画」を中心として,COP/MOP3の意義について解説したい。

<報告>

アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)の平成19年度の活動状況および今後について
アーティクルマネジメント推進協議会事務局(一社)産業環境管理協会化学物質管理情報センター
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アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)は,製品が含有する化学物質等の情報を円滑に開示・伝達できる仕組みをつくり普及させ,サプライチェーンを通じて製品が含有する化学物質の適切な管理を可能にすることが,我が国の産業競争力の確保には不可欠であるとの認識に立ち,平成18年9月11日に発足した任意団体である。国際的な化学物質管理の潮流に適切に対応するためには,製品含有化学物質の適切な管理の実践,サプライチェーンを通じて利用可能な情報記述シートの作成と普及および情報共有の効率化に資するインフラの構築が不可欠と考える。JAMPは,平成19年度の活動を通じて,「製品含有化学物質管理ガイドライン」および物質・調剤の含有化学物質等の情報を記述するシート「MSDSplus」を策定し,平成19年度内の公表を目指している。加えて,物質・調剤から作られる成形品の含有化学物質等の情報を記述するシート「AIS」については,その原案の策定作業を終え,平成20年度6月の公表に向けた会員内検証に取組んでいる。さらに,情報共有の効率化に資するインフラに関しては,JAMPが提案するグローバルポータルを中心に据える情報授受システムの基本的概念が提案され,具体的な議論が始まった。

【先進企業に聞く!】モスフードサービスにおける環境への取り組み―エコリーフ環境ラベル取得にあたって
中山卓三 株式会社モスフードサービスCSR推進室社会貢献グループグループリーダー
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 昨年7月,「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは,生鮮野菜の配送システムにおいて,当協会が推進する「エコリーフ環境ラベル」を取得した。これは外食産業ではじめての取得であり,また,配送システムでの認証でもはじめてとなる。 今回,積極的な環境情報の開示を進めるその姿勢や,環境問題への取り組みについて,同社担当者中山氏にお話をうかがった。 モスフードサービスは,どのような背景から「エコリーフ」を取得したのか,そしてそれはどのように業務に生かされているのか。当協会のエコリーフ事業室長が詳しく聞いた「モスフードサービス」の取り組み。

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