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環境管理バックナンバー 2023年 10月号
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2023年10月号 特集1:ITと環境/特集2:異常気象はなぜ起こるか?
<特集1>
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都市の熱環境の予測・対策技術評価のための都市気候モデル開発と社会ビッグデータ活用
髙根 雄也(国立研究開発法人産業技術総合研究所 環境創生研究部門 主任研究員) ▼概要文表示 -
都市気候モデルは、都市部の道路や建物を簡易的にコンピューター上に配置し、都市特有の気候であるヒートアイランド現象等を再現できるツールである。このモデルを活用すれば、ヒートアイランド対策や都市部の脱炭素化に向けた都市計画や様々な対策技術の導入効果を事前に評価できる。また、リアルタイム人口データのような社会ビッグデータを合わせて活用すれば、コロナ禍の行動変容(外出自粛)のようなアクションが、環境・エネルギーへ及ぼす影響も推定できる。本稿では、都市気候モデルの概要とその活用例、そして今後の展開について解説する。
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グリーンITとGX の現在地:次世代への責任と展望
大谷 和利(テクノロジーライター) ▼概要文表示 -
現代社会におけるITは、電気や水道などのライフラインと同様に、私たちの生活に欠かせないものとなっている。日常的に行われているウェブ検索はもちろん、SNSやナビゲーション機能の利用、オンラインショッピング、リモートワークにいたるまで、ITの利便性なしには人々の暮らしが成り立たないといってよいだろう。様々な工場においても、専用端末に加えてスマートフォンやタブレットを利用した工程の管理や監視によって業務の効率化が図られているはずである。しかし、こうした便利さの背後には、見過ごされがちな環境負荷やコストが存在する。ここでは、IT 業界が抱える「不都合な真実」にスポットを当て、サステナブルな世界の構築に貢献するグリーンIT とGX の現状と未来を展望してみた。
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LCA とデジタル化
佐伯 順子(一般社団法人産業環境管理協会) ▼概要文表示 -
製品やサービスがライフサイクルを通して環境に与える負荷を定量化するライフサイクルアセスメント(LCA)の実施方法が、デジタル技術の高度化により変化しつつある。特に分散型台帳技術の登場により、事業者間でのLCAインベントリデータの授受が、信頼性と秘匿性が高められた環境で可能となる。各業界では、この実現に向けてデータ共有ネットワークの構築と実証を進めている。また、トレーサビリティの向上を求める国際的な機運により、カーボンフットプリントを含めた製品のライフサイクルの軌跡に関する情報を載せたデータの集積も加速す
ると考えられる。
<特集2>
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ニューノーマル化する異常気象どうなる地球 どうする人類!
立花 義裕(三重大学 大学院 生物資源学研究科 教授) ▼概要文表示 -
日本は、地球の中で気候学的には、暖かい海と寒い海に囲まれた陸、という特殊な条件下にある国である。このため、偏西風の蛇行や海水温の上昇など、周辺の環境条件の変化で異常気象が起きやすい。長期的で緩やかな変化である地球温暖化と、短期的で大きな変化である異常気象は複雑にリンクしている。地球温暖化自体は実感しにくい現象だが、これと関係が深い異常気象は人々が体感する現象である。本稿で説明する異常気象という切り口を通じ、地球温暖化問題への関心を高める一助となれば幸いである。
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異常気象・気候変動のメカニズムについて
高谷 康太郎(京都産業大学 理学部 教授) ▼概要文表示 -
本記事では気候変動や異常気象の発生のメカニズムを説明する。そのメカニズムの本質を捉えるには、赤道側の暖気と極側の寒気との境目に吹く偏西風の南北蛇行を考えることが重要である。偏西風が強く南北蛇行することにより、通常とは違う気候状況が出現する。例えば、日本付近の異常な寒冬をもたらす偏西風の蛇行の典型的なパターンは2つあり、さらに両者とも、日本付近だけでなく、北半球規模の気候変動をもたらしうる。異常気象が取り上げられる際、地球温暖化との関係がしばしば注目されるが、まずはこの偏西風の蛇行の様子を捉えることが重要である。
<特別寄稿>
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ファッション産業の労働環境と人権
鎌田 安里紗(一般社団法人unisteps 共同代表理事) ▼概要文表示 -
衣食住という言葉もあるように、人間の生活と切っても切れない関係にある衣服。「ファッション」という言葉は、縁遠く感じる人もいるかもしれないが、衣服と無縁であると感じる人はいないだろう。日本で流通する衣類の98%以上が国外生産であり、低価格化が進んでいる。労働集約型産業であることから、従事者は低価格化の影響を受けやすい。本稿では、2013年に発生したラナ・プラザの崩落事故の背景を整理した上で、事故から10年経った現在の状況を概観し、改善に向けて生活者・企業・行政が取りうるアクションについて考察する。
<シリーズ>
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【展望・日本のエネルギー問題を考える62】「大手電力会社1兆円の黒字」のからくり― 電気料金の基礎を知ろう―
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授) ▼概要文表示 -
食品やガソリンなど生活必需品の物価上昇が続き、電気料金にも大きな関心が寄せられている。電気は、生活・経済にとって死活的に重要な財であり、料金上昇は特に弱者に大きな影響を与える。電気料金の変動に関心が高いのは当然だが、原価の構造や既に自由化されていることも十分に理解されておらず、メディアの報道も正確ではないものが多い。
本稿では、消費者からは見えづらい電気料金について、基礎的な点も含めて整理したい。
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【弁護士からみた環境問題の深層/第34回】食品製造副産物に関する未利用資源の活用〜食品残さのアップサイクル〜
宮村 頼光(Beagle 総合法律事務所 弁護士/日本CSR 普及協会・環境法専門委員会委員) ▼概要文表示 -
近年、アップサイクルという手法が持続可能な再利用の手法として注目されている。
アップサイクルは、食品ロス問題のうち、消費の段階における食品ロスではなく、生産から小売の段階における事業者による食品ロスに着目した考え方である。
アップサイクルによって、これまで事業者の負担となってきた食品残さの廃棄物の活用が、利益を生み出す新たな事業として再定義されることで、事業者がより積極的に食品ロスの解消に取り組む効果が期待される。
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【環境コンサルタントの 法令判断/第91回】労働安全衛生法改正 安全対策の責任範囲が拡大?
佐藤健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部コンサルタント/マネージャー) ▼概要文表示 -
改正労働安全衛生法が2023年4月1日に施行されたことはご存知でしょうか?
この改正は、石綿則、粉じん則、特化則等など、多くの関連規則も同時に改正されていて、広い範囲に影響する内容となっています。
主な内容は、危険・有害な作業を行う現場での安全を確保するための規制強化です。
規制対象は、工場内や建設工事現場での作業を想定しています。
規模の大きな工場等では、協力会社など様々な企業の従業員が構内で作業をしています。
生産ラインの一部を外部委託している場合や、設備の改修や解体などで建設工事に関与している業者も存在します。
こうした複数の企業が絡む業務に関して、安全配慮措置の義務範囲が法改正により変わっています。
法の概要を把握し、自社の業態でチェックしなければならない範囲、反対に管轄行政等からチェックを受ける範囲も明確にしておきましょう。
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【環境担当者のための基礎知識/第67回】リサイクル促進の落とし穴 ―リサイクルを勝手に行うと5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金の可能性
岡 ひろあき(環境コンサルタント) ▼概要文表示 -
企業からの相談がきっかけで、リサイクル促進について改めて考えてみた。ところが、リサイクルは廃棄物の処理に該当し、再生資源である事業系一般廃棄物の回収(収集運搬)を全国で行うには1,700 を超える市町村等の許可が必要となり、回収費用など処理手数料も自由にならない。しかも市町村等の許可は簡単に与えられない実態もあり、広域認定や再生利用認定なども手続きやルールが面倒で対象も限られている。本稿の後半では家電リサイクル法の違反事例もレポートし、運用の難しさを示唆する。昨今、資源の少ない日本ではサーキュラーエコノミーを目指しているが、既存の法規制による数々の障害もありスムーズに進まない現状もある。
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【新・環境法シリーズ/第140回】CITESにおける木材規制
遠井 朗子(酪農学園大学) ▼概要文表示 -
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)では、2000年代以降、違法伐採への対応として木材規制が進展している。本稿はオオバマホガニーとローズウッドの事例を通してCITESにおける木材規制の意義と課題を検討し、オオバマホガニーについては、中南米諸国が受け入れに転じた背景を明らかにする。ローズウッドについては、中国の巨大市場に誘発されてアフリカの木材の違法取引が拡大する中で、類似種を含む広範な規制が導入され、「注釈」により実務への影響の軽減が図られたことを明らかにするとともに、CITESの規制は米国の違法木材に関する法執行にも一定の影響を及ぼしていることを指摘する。
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【先読み! 環境法/第136回】第53回総合資源エネルギー調査会基本政策分科会開催、GX推進戦略を 閣議決定、第7回GX実行会議での総理発言
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授) ▼概要文表示 -
第53回総合資源エネルギー調査会基本政策分科会開催、GX推進戦略を閣議決定、第7回GX実行会議での総理発言について、さらに、第6次生物多様性国家戦略における生物多様性と企業の事業活動について解説する。また、2022年4月1日施行された「プラスチック使用製品設計指針」の内容やプラスチック資源循環法に含まれている修理する権利、欧州グリーンディール、気候中立と循環経済の両立を目指す循環経済行動計画についても解説する。1 第53回総合資源エネルギー調査会基本政策分科会開催、GX推進戦略を閣議決定、第7回GX実行会議での総理発言
2 第6次生物多様性国家戦略における生物多様性と企業の事業活動
3 プラスチック使用製品設計指針
4 修理する権利
5 欧州グリーンディール(本号)、気候中立と循環経済の両立を目指す循環経済行動計画(次号)
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環境法改正情報(2023年8月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与) ▼概要文表示 -
◆労働安全衛生法関係(1)~(3)