環境管理バックナンバー カテゴリ:ニュースから読み解く環境刑法

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<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第15回(最終回)】罰則から考える環境法令の基本的視座――環境リスクの早期予防
渡辺 靖明 (法政大学 人間環境学部 兼任講師/明治学院大学 法学部 非常勤講師)
▼概要文表示2019年10月号
 2018 年8 月号から始まった本連載も、今回が最終回となります。今回は、連載のまとめとして、各回の内容を振り返り、必要な補充をしつつ、環境刑法の特徴や罰則適用の現状を説明します。そのうえで、環境法の基本的視座(環境リスクの未然防止・予防の原則)と罰則との関係などについて考えます。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第14回】再審と刑事補償
今井 康介(法政大学 兼任講師/早稲田大学 比較法研究所 招聘研究員)
▼概要文表示2019年9月号
 前回解説したとおり、有罪判決が確定すると、罰金などの刑が執行されます。また判決が確定すると、これ以上裁判で争うことは許されません。しかしながら例外的に、判決を取り消して裁判の審理をやり直す「再審」という制度があります。
 今回は、コンクリート板の不良品を無許可業者に処理委託して有罪になったものの再審で無罪となった豊商事件、木くずの処分を無許可業者に委託したとして有罪判決を受けたあとに再審請求が認められた水戸木くず事件を取り上げて、再審制度を具体的に解説します。同時に、なぜ再審が行われることになったのかという背景から、刑事実務の抱える問題も考えていきたいと思います。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第13回】有罪判決のあとに――刑の確定・控訴・上告など
今井 康介(法政大学 兼任講師/早稲田大学 比較法研究所 招聘研究員)
▼概要文表示2019年8月号
 前回は、刑事裁判の流れがどのようなものかを概観しました。今回は、刑事裁判の最後に言い渡される判決と、その判決に不服がある場合の、控訴・上告などの手続きについてみていきたいと思います。具体的には、青森・岩手の県境で起きた日本最大規模の不法投棄事件を取り上げ、控訴や上告の背景をみていきます。また、この事件では有罪判決後に、別途、措置命令が下されています。この措置命令は、不法投棄を行った処理業者だけでなく、その処理業者に処理を委託をした排出事業者にも出されています。そこで、排出事業者側の注意点もみていきたいと思います。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第11回】環境犯罪の捜査
今井 康介(法政大学 兼任講師/早稲田大学 比較法研究所 招聘研究員)
▼概要文表示2019年6月号
 どのような行為が犯罪なのかは、あらかじめ法律によって定められています。例えば、廃棄物の不法投棄が処罰されるのは、廃棄物処理法が、廃棄物をみだりに捨てる行為を処罰すると定めているからです。
 法律の罰則規定に違反する行為は、どのようなプロセスを経て、違反者が逮捕され、裁判にかけられるのでしょうか。今回の連載では、環境犯罪の捜査に着目します。会社、事業所あるいは違反者のところに、どのような捜査機関が、どのタイミングで、どのようなことをしにやってくるのでしょうか。さらに、
傷害事件のような通常の刑法犯の捜査と環境犯罪の捜査との違いについても説明します。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第10回】気をつけたい省エネ対策
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師/明治学院大学 法学部 非常勤講師)
▼概要文表示2019年5月号
 日本は、主なエネルギー源である化石燃料の大半を輸入に頼っています。これらの天然資源は有限で、その確認埋蔵量による可採年数は、石油・天然ガス約50年、石炭約150年ともいわれています。また、日本の石炭火力発電は、高効率化技術による低炭素化が進んでいるとはいえ、化石燃料焼却によるCO₂ 排出量の削減には、エネルギーを効率的に節約して使用する「省エネ」も不可欠です。そこで、国内のエネルギー確保および地球温暖化対策の観点から「省エネ」を実現するために、省エネ法を中心に様々な法制度が整備されています。今回は、これらの法令の罰則を中心に説明をします。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第8回】気をつけたい労働環境
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師/明治学院大学 法学部 非常勤講師)
▼概要文表示2019年4月号
 第4回から前回までは、環境汚染防止の法制度とその罰則を中心に説明してきました。これらは、主に企業外部の生活環境や公衆衛生を守ることに重点がありました。今回は視点を変えて、企業内部の人々(従業員)の生命・身体・健康に関わる「労働環境」をテーマに、労働安全衛生法上の罰則や、刑法上の業務上過失致死傷罪の成否などを実際の事件を挙げて説明します。まずは企業内の従業員が安心して働ける環境(労働安全衛生)を整えることが、企業外の人々の環境も保護する第一歩になると思われます。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第8回】気をつけたい環境犯罪対策──組織犯罪処罰法と課税通報
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
▼概要文表示2019年3月号
 前回は、環境犯罪の動機はお金や利益であることが多く、経済的な動機による環境犯罪を防ぐ規定が廃棄物処理法内部に用意されていることを解説しました。今回は、廃棄物処理法だけでなく、他の法律や制度も、廃棄物の適正な処理を実現するために重要な役割を果たしていることを説明したいと思います。今回は、最近の環境犯罪( 特に廃棄物事犯)において注目されている「組織犯罪処罰法」と、警察から税務署への「課税通報」について紹介し、不適正処理など環境犯罪による不当な利益を残さない制度を解説します。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第7回】環境犯罪をさせない制度づくり──廃棄物処理法を例に
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
▼概要文表示2019年2月号
 窃盗罪、傷害罪、強制わいせつ罪といった刑法典に規定されている犯罪(刑法犯)が、復讐や快楽といった非経済的な動機により行われることが少なくないのに対し、環境犯罪は利益追求や経費節約といった経済的な動機によって行われることが多いようです。例えば、自分の母親を罵倒する者がいたので殴りかかるということはある程度想定できますが、山にハイキングに行ったところ穴につまずいて怪我をしたので、穴に復讐するため、後日つまずいた穴に廃油を投棄し汚染するといったことは通常考えられません。
 それゆえ法的な観点からすると、環境犯罪を行う者への経済的な「ムチ」、例えば高額な罰金制度を整備することで、犯罪への強い抑止力を生み出すことが重要になります。
 日本では、豊島事件や青森・岩手県境不法投棄事件など、組織による大規模な廃棄物の不法投棄が発覚し、そのたびに「どのようにすれば廃棄物処理のルールを守らせることができるのか」が議論されてきました。そこで今回は、廃棄物処理法の内部にどのような「ムチ」が整備されているかをみていきます。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第6回】気をつけたい土壌汚染
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
▼概要文表示2019年1月号
 水、大気、土、これらはいずれも我々の周りにある重要な環境媒体です。というのもこれらの環境媒体は、人間のまわり、それも直接的に接するところにあり、汚染が生じると、それを飲んだり、吸い込んだり、皮膚などから吸収し、健康被害が発生するからです。注意すべき点は、土の汚染行為への対応は、水や大気の汚染行為とは異なる法的対応が必要な点です。というも、水や大気は、汚染を放置しておいても自然の力で回復し、あるいは希釈や分解して汚染の程度が軽くなることがあります。しかし、土壌汚染の場合、水や大気とは異なり、土は移動しないため、自然の浄化は容易ではありません。
 一般的に水や大気は、原則としてみんなのもの、つまり我々の共有財産ですが、土地にはそれぞれ所有者がいます。そのため、土壌汚染を規制する法律の罰則は、水や大気の汚染とは異なる構造となります。今回は「土壌汚染対策法」を取り上げて、罰則を中心に検討していきたいと思います。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第5回】気をつけたい大気の汚染
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
▼概要文表示2018年12月号
 前回は、「気をつけたい水の汚染」というテーマで、刑法や水質汚濁防止法が水質汚染の防止のために様々な罰則を規定していることを説明しました。
 今回は、水と同じように我々の生活に欠かせない「空気」(大気)の汚染に対して、企業活動で注意すべき法律「大気汚染防止法」とその罰則について、最近の事件を用いながら説明します。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第4回】気をつけたい水の汚染
今井 康介(法政大学 兼任講師/国立国会図書館 外部専門調査員)
▼概要文表示2018年11月号
 前回までは、環境刑法の基本的な考え方や用語、他の法分野との関係などを中心に説明してきましたが、今回からは、環境犯罪の具体例を説明していきます。
 今回のテーマは、「水」に関する環境犯罪です。水の利用方法には様々なものがあります。その中でも、我々が生きていく上で欠かせない「飲み水」を汚染する場合と、工場からの排水等による川などの「水質」を汚染する場合の二つが特に重要です。今回は、水の汚染と水質汚濁のニュースを取り上げて、これに関する罰則について説明します。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第3回】罰金を払ったのに損害賠償もしなくちゃいけないの?
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師)
▼概要文表示2018年10月号
 環境にかかわる犯罪行為をすると、刑法上の刑事罰を科されるだけではなく、行政法上の処分を受けたり、民法上の損害賠償を請求されることもあります。しかも、これらの法的責任は、各法の目的が異なるために三つ同時に生じることがあります。このことは既に第1回でお話しましたが、今回は、この点についてもう少し掘り下げて解説をします。ともかく、どれか一つの責任を果たせばそれで済むということにはなりません。この点が重要です。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第2回】罰則は法律だけじゃない! 条例違反にもご注意
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師)
▼概要文表示2018年9月号
 前回は、環境保護に関する公的ルールの違反をすると、刑法をはじめとする「法律」で処罰されることがあるということを説明しました。しかし、これらの違反行為への罰則は、「法律」だけではなく、「条例」にも規定されています。また、刑事罰以外にも「過料」と呼ばれる金銭罰が存在します。環境保護に関する条例では、この過料が罰則とされることもあります。今回は、法律のほかにも注意していただきたい「条例」に関するニュースを取り上げて、刑事罰と過料との違いや、刑事罰が科される場合の手続きなどについて説明し、身の回りの環境問題を考えたいと思います。
<シリーズ>【ニュースから読み解く環境刑法/第1回】スタート環境刑法
今井 康介(法政大学 人間環境学部 兼任講師/国立国会図書館外部調査員)
▼概要文表示2018年8月号
 大学で環境刑法を教えている今井康介と渡辺靖明(法政大学講師)の二人の若手研究者が、新聞記事等の身近で具体的な環境ニュースを素材にして、環境犯罪及びその罰則、さらに刑法に関わる法律用語などについて紹介・解説をします。「こういう罰則があるからご注意!」、「捕まるとどうなるのか?」ということを中心に検討し、読むと少しトクするような内容にしていきたいと考えています。今回は、「環境刑法」とは何か、「環境犯罪」の原因、及び環境犯罪が発覚したあとにどうなるのかという点について説明します。
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