環境管理バックナンバー 2020年 8月号

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2020年8月号 特集:廃棄物処理リスクと企業の対応

<特集>

事業場で遭遇する廃棄物の基本的疑問に答える――廃棄物該当性、リサイクル、他の法律との関係、欠格要件
本誌編集部(監修・佐藤 泉(弁護士))
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 経験豊かな世代の退職等により、新任担当者が廃棄物管理や環境管理に従事するケースが増えている。排出事業者は、産業廃棄物を自ら適正に処理をする責任があり、他人に処理を委託する場合には委託基準の遵守が不可欠である。しかし、廃棄物処理法は改正が多く難解な部分もあり、法令遵守・コンプライアンス上の疑問が生じることが多い。本稿では業務上生じる次のような疑問
(抜粋要約)に対して、わかりやすく解説する。
 
1.廃棄物の判断と産業廃棄物の種類等
 Q:廃棄物とは何か?
 Q:廃棄物に該当しないものは何か?
 Q:再生資源に廃棄物処理法は適用されるか?
 Q:古紙とくず鉄を無許可業者に引き取ってもらったが違反か? 再生資源は有価物か?
 Q:繊維リサイクルのために衣類の店頭回収を行うことにしたが収集運搬の許可が必要か?
 
2.廃棄物処理法と土壌汚染対策法
 Q:工場跡地の汚染土壌は産業廃棄物か?
 Q:廃棄物が混入した土砂は産業廃棄物か?
 Q:汚染土壌を土建業者に委託し残土処分場に埋め立てたが、罰則が適用されるか?
 Q:汚泥が原因で農畜産物に影響が生じる場合、土壌汚染対策法が優先適用されるか?
 Q:有害な汚泥を工場の敷地内に長期間野積みしているが、これは法令違反か?
 
3.欠格要件
 Q:「法違反により欠格要件に該当した」との情報を得たがどういう意味か?
 Q: 再生事業をしているが、処理業の許可が必要のない業務なので欠格要件による処分はないと
考えてよいか?
コロナ禍がもたらす循環経済への足掛かり――ライフスタイルの変容に伴う資源循環の変調
細田 雅士(エコスタッフ・ジャパン株式会社 統括部長 兼 事務局長)
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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は現在も猛威を振るい、廃棄物、資源物の回収・処理に関わる方々にも大きな影響を与えている。今後、COVID-19 が収束したあと、国内外のリサイクルや高度な資源循環はどのようになるだろうか。本稿では、現状の廃棄物、とりわけ目下最大の課題である廃プラスチックの最新動向を俯瞰しつつ循環経済への道のりを考察する。
産業廃棄物管理システムにおけるIoTの活用法――マニフェスト管理作業(事務と現場作業)の軽減をいかに実現するか
石井 美也紀(株式会社イーシス 代表取締役)
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 電子マニフェスト制度は1998 年度より導入された。インターネットの活用が進む昨今であるが、IoTという言葉が世界で初めて使われたのが翌年の1999 年である。電子マニフェストとIoTが誕生した時代が一致する。では、この20年間でいったいどのように環境が変わったのか。インターネットが広く普及し(低価格、高速化)、老若男女誰もが携帯端末を持つに至ったが、現在、効率よく活用されているのだろうか。「IoTの活用」とは何か。株式会社 イーシス( 以下、イーシス)が導入を進めてきた「トレーサビリティー」、「活動記録管理」を例にとって検証し、マニフェスト管理における事務と現場作業の軽減策を提案する。
産廃担当者の知識実態――産業廃棄物適正管理能力検定のデータを読む
原 史明(一般社団法人 企業環境リスク解決機構(CERSI、セルシ)事務局)
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 産業廃棄物の管理において、正しい法的知識を有した人材を育成することは処理業者のみならず排出事業者にとっても急務である。本稿では、産廃担当者の知識実態への関心から、「産業廃棄物適正管理能力検定」の開催データ・解答データを紐解き、以下の傾向を明らかにした。
 ・ 産廃知識について、処理業者のほうが排出事業者より優越しているとは必ずしもいえない。
 ・ 「法律で禁止されていないこと」の判断にはより高い力量を要する。
 ・ 「法改正」の正しい理解の普及にはタイムラグがある。
 データは同検定の受験者に限定されており、これらの傾向を軽率に業界全体に一般化することはできないものの、現時点での産廃担当者の力量の実態の一側面を映し出している。そこで、重要な調査結果を解説し、本稿が企業の廃棄物管理や人材育成の参考になればと考える。

<総説>

改正土壌汚染対策法の事業者等への影響――アンケート調査結果から
影沼澤 稔(経済産業省 産業技術環境局 環境管理推進室 室長補佐)
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 平成31年4月に全面施行を迎えた改正土壌汚染対策法だが、改正内容が多岐にわたり、事業者等に適切な理解が進んでいない可能性があった。経済産業省は、法改正の理解促進のためのセミナーを全国6 都市で開催し、あらかじめ準備した改正内容(規制強化2、規制緩和7)について参加者にアンケート調査を実施した。その結果、①規制強化に係る点については区域指定される前の調査契機に係る点のため、影響を受ける事業者等が多いこと、②規制緩和の影響は改正点毎に限られたケースで適用される事項が多いが、積極的に利用したいと考える事業者等も一定存在すること、③調査時点でどのような影響があるかわからない事業者等も多く、引き続き改正法の理解促進が必要であること、などがわかった。

<短期集中連載>

【CLOMAアクションプラン キーアクション2(WG2)】マテリアルリサイクル率の向上
内貴 研二(サントリーホールディングス株式会社 コーポレートサステナビリティ推進本部 専任部長/田中 清(味の素株式会社 理事 サステナビリティ推進部長)
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目指す方向 リサイクル率を向上させ資源循環を推進する
 
〇PET
 -到達したい目標
  ・ 2030 年までに回収率100%、リサイクル最大化(有効利用率100%)を目指す
  ・ 水平循環の実現に向けた質の高いリサイクルを志向する
 -活動の概要
  ・ 事業系:有効な回収策の立案と実装
  ・ 自治体:PETの取り扱い実態の調査
  ・ 日本の先進的な設計基準をアジアを始めグローバルに展開
 
〇その他プラ
 -到達したい目標
  ・ 2030 年までにリサイクル率60%を目指す
  ・ 単純焼却ゼロ・埋立ゼロを図る
 -活動の概要
  ・ リサイクル品の高付加価値化
  ・ リサイクル品利用促進の仕組みづくり
  ・ マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの活用分担

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第45回】石炭火力発電所の廃止問題に関して検討すべきこと
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 7月2日に、読売新聞が朝刊一面で、その後メディアが一気に追随して報じた、石炭火力発電所の廃止。翌日、梶山経済産業大臣が閣議後の記者会見で、2018 年に策定された第5 次エネルギー基本計画に書かれている「非効率な石炭火力(超臨界以下)に対する、新設を制限することを含めたフェードアウトを促す仕組みや(中略)等の具体的な措置」について検討を始めるよう指示したことを明らかにしている。
 わが国のエネルギー政策の基本方針たる「エネルギー基本計画」が言いっぱなしであることは許されず、実現するための政策措置を講ずべきことは論を俟たない。エネルギー政策の所管である経済産業省が、2030 年に向けた長期エネルギー需給見通し実現に向け本腰を入れて取り組むことは、大いに歓迎したい。
 しかしわが国のエネルギー政策の現状や経緯を踏まえると、様々な懸念点があることも確かだ。報道が先行したことが原因かもしれないが、疑心暗鬼になっている関係者も多い。透明性を持って政策議論を重ね、国益・地球益にかなう制度設計になることを切に祈る次第である。
 本稿では、政府が表明した石炭火力発電所の廃止を巡る課題や懸念を書いてみたいと思う。ただし気候変動対策の重要性は高まる一方であり、エネルギー基本計画を言いっぱなしにしないのは政府の当然の責務でもある。非効率石炭火力発電のフェードアウトそのものが腑に落ちないといっているわけでは決してないことを最初に申し上げたい。
【産廃コンサルタントの法令判断/第53回】当日中に処分場に搬入しない場合には積替え保管許可が必要?――積替え保管の定義と許可の要否を再確認!
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第53回)。
【新・環境法シリーズ/第102回】米国カルフォルニア州二酸化炭素回収貯留(CCS)に関する低炭素燃料基準法(LCFS)の概要と課題
柳 憲一郎(明治大学 法学部 教授)/中村 明寛(IOM Law弁護士事務所/University of Tasmania)
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 カリフォルニア州の大気資源局(CARB)は、2018年に同州の低炭素燃料基準(LCFS)法を改正し、既存のクレジットシステムにCCS(二酸化炭素回収貯留)プロジェクトを追加した。同規定は、カルフォルニアの輸送燃料の多様化、将来の石油への依存度の低減、GHG排出と他の大気汚染物質の大幅な削減の強化を目的としている。本稿では、改正されたLCFS法およびそのCCSプロトコルの概要と課題について考察する。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第23回】許可不要者制度と各種リサイクル法(その4)の巻
長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 聞き手は、某企業の廃棄物管理部門に配属されて3年目、廃棄物処理法を鋭意勉強中のBUNさんです。
 第23回目は、「許可不要者制度と各種リサイクル法」の4回目です。お相手はN先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第32回】ゴミ処理施設の建設用地でフッ素の土壌汚染――違法な残土搬入で21億5,000万円の損害賠償請求
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 東京郊外のY市では、新たなゴミ処理施設の建設用地でフッ素の土壌汚染が発覚し、大きな問題になっている。土壌汚染の原因は建設用地にあった窪地(谷津)を整地する際に搬入した残土にあった。最高で基準の6 倍を超えるフッ素の土壌汚染がY市によって確認されたのは2018 年3 月であり、建設用地と隣接地との間にあった窪地(谷津)を埋める埋立て工事は2016 年2 月から実施されていた。埋立てに必要な量をはるかに超える過剰な土砂、約4 万m3 以上の汚染土が違法に搬入された。当時、隣接地の土地所有者が自分の費用でゴミ処理施設の建設用地の谷津も一緒に埋めてくれる、という「うまい話」があったという。本稿では、主に公開情報から経緯をレポートする。事業者が環境法令や関連条例を理解し遵守することが、本件のような不適正事案を予防する最低限の手段である。
【先読み! 環境法/第98回】レベル3建材を石綿飛散防止に係る法的枠組みに入れた大気汚染防止法の一部改正が成立し、6月5日に公布
小幡 雅男(前・神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 建物の解体工事における石綿(アスベスト)の規制を強化する「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が5月29日に可決、成立した。これまで同法の対象とされていなかった石綿含有形成板等(レベル3)を含むすべての石綿含有建材に規制を拡大する。衆参両院それぞれの環境委員会で決議された附帯決議を紹介し、今後の課題について解説する。
 
 ❶レベル3建材を石綿飛散防止に係る法的枠組みに入れた大気汚染防止法の一部改正が成立し、6月5日に公布
 ❷「次世代技術を活用した新たな電力プラットフォームの在り方研究会」の行方を追う――エネルギー供給強靭化法に魂を入れる役割
 
環境法改正情報(2020年6月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉大気汚染防止法
 ◉PRTR法
 ◉化審法
 ◉容器包装リサイクル法
 ◉毒劇法
 ◉労働安全衛生法
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