環境管理バックナンバー 2016年 11月号

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2016年 11月号 特集:現場で見つけた環境技術

<コラム>

豊洲市場の土壌汚染問題――事件のポイントは何か
本誌編集部
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 連日のように報道されている通り、東京都庁では豊洲市場の土壌汚染問題で激震が走っている。都議会審議や小池百合子知事の調査でも真相解明はいまだ不十分である。都庁で土壌問題を担当しているスタッフは優秀な人材が多いが、縦割り行政の弊害なのか、歴代の市場責任者も建物地下部分の盛り土(汚染対策や地下空間の工事等)については「知らなかった」など、非常にあいまいであり一般市民からみても不可解である。
 豊洲の新市場予定地にはかつてガス製造工場が存在しており、土壌汚染が確認されていた。東京都は環境法令に照らして問題のない水準で土壌汚染対策を行うこととしていたが、一般市民や市場関係者の一部に懸念する声が少なくなかった。新鮮な魚介類の代名詞であった築地ブランドが「豊洲」になると「汚染」のイメージが強くなりそうで心配である。本誌では東京都の専門家会議関係者に「豊洲問題」について科学的な見地からみた論文の執筆を現在依頼中であるが、現状を簡単にレポートしたい。

<特集>

標準ユニット化による省スペース化と非定常廃水の処理例
本誌編集部
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 昨今の製造基盤の海外移転や中国など低価格製品の増加で、国内製造事業所の規模縮小や少量多品目製造、さらに研究開発中心となる傾向も一部でみられる。既存事業所においても機械器具のメンテナンスや洗浄等で想定外の性状を持つ廃液が発生することもある。こういった比較的少量の非定常廃水を効率よく処理する手法が各地の事業所で導入されている。この分野のソリューションで活躍している中堅企業の一つを取材する機会があったので実例を交えてレポートする。特に省エネルギーや省スペースの工夫はもちろん、現場で培った浄化槽技術は目を見張るものがある。
傾斜板をらせん構造にして高速化を図った沈殿装置について
三菱化工機株式会社
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 下水処理及び産業廃水処理での沈殿装置として、国内外に納入実績のある超高速沈殿装置(スパイラルセパレータ)の概要、特長及び応用例について紹介する。
 本装置は、上水処理に多く採用されている傾斜板式沈殿装置の傾斜板をらせん構造にして、回転させることで、安定かつ高速に凝集フロックや汚泥等の粒子の沈降分離を実現したものであり、従来の沈殿槽に比べ設置面積が1/10~1/15程度に縮小でき、省スペース化が図れる。また、装置の応用例として沈砂洗浄装置(スパイラルウォッシャー)がある。下水の沈砂等に含まれる有機物を洗浄しながら、砂の回収率の向上を実現している仕組みについて解説する。
現場担当者が持つ「ささやかなノウハウ」と「よく見かける下水道用語(凝集剤)」
本誌編集部
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 地方共同法人 日本下水道事業団では、「JS技術開発情報メール」という情報提供用メールマガジンで「シリーズ――下水道関係者が持つ、ささやかなノウハウ」という記事を連載している。そこでは「論文発表するほどでもない、しかしこの知見を得るのにはちょっと苦労したよというような情報は、個人ノウハウに埋没するか、飲み会の席での肴になるかくらいになってしまいます。せっかくのノウハウなのにもったいない」というコンセプトの「現場で得た知見」について紹介している。
 このたび、日本下水道事業団のご厚意により凝集剤に関する記事を引用、転載させていただくことになった。排水処理において余剰汚泥の処理は、扱いが大変で処理コストも課題になっている。そのためご提供いただいた記事は有益な情報と思料される。非常に興味深い記事なので排水処理、特に汚泥脱水を担当する読者にはぜひお読みいただきたい。

<総説>

環境課題を解決する「資格力」──公害防止管理者資格取得の価値とは何か
本誌編集部
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 様々な企業の環境教育に関して公開情報を調べている中で、ある鉄鋼メーカーの情報に釘付けになった。「公害防止管理者資格の取得を励行しており、2014年度は71名が合格」、「2005年以降の累計で1,235名」の有資格者数となっていた。さすがに1,000名を超える公害防止管理者を保有している企業は全国でも限られている。さっそく本社環境部門を訪問してお話しを伺った。
中国改正「環境保護法」が施行されたあとの動きについて
章 燕麗(神鋼リサーチ株式会社 産業戦略情報本部 主席研究員)
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 中国の「環境保護法」は2014年、抜本的に改正された。政府の監督管理責任、権限の明確化、一般国民の環境保護への参加と政府や企業の環境情報公開を義務化するとともに、企業の違法行為に対する罰則についても、これまでにない厳しい新たな措置を盛り込んでいる。また、改正環境保護法を確実に運用または遵守させるため、法の内容を補完する部門規章(日本の環境省令に相当)として、2016年6月末現在までに13件の改正・制定・公布を行った。本稿では改正環境保護法や関連部門規章が施行された後の実際の運用状況を、事例を交えながら紹介したい。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第8回】パリ協定発効を踏まえて考える日本の貢献
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 昨年のCOP21 で採択されたパリ協定は、各国の批准手続きが順調に進み、COP22 の開催を前に発効することが確定的となった。COP22 で「第1 回パリ協定締約国会議( CMA1)」が開催されることになるため、日本も早期に国会承認を得るべく議論を急いでいる(本稿執筆時において)。今後わが国は2030 年26%削減という目標達成に向けた議論を加速すると同時に、途上国での削減および適応策に適切に貢献していくことが求められる。パリ協定に提出した自国の削減目標を達成に向けて努力することはもちろん、隔年報告等によって途上国への貢献についても明らかにしていくことが義務付けられているからだ。
 COP21 あるいはその後の特別作業部会での議論をみても、途上国が適応策への支援に対して特
に強い関心を抱いている中、改めて適応策に対する貢献のあり方を考えることが必要であるし、わが国の企業が持つ技術で、途上国の適応策に有効なものも多い。相手国のニーズを的確に把握し、多様な技術を組み合わせることなどで気候変動適応策としてストーリーを描き「見える化」していくことができれば、途上国政府とのB to Gのビジネスが拡大することも期待しうるだろう。インドネシアの適応計画やそこで展開する日本企業の貢献の事例を概観し、これまで削減策への貢献と比較して議論が十分ではなかった、適応策への貢献について考える。
【新・環境法シリーズ/第57回】二酸化炭素回収・貯留(CCS)に関する法政策研究 その3
柳 憲一郎(明治大学法科大学院 教授・明治大学環境法センター長)/小松 英司(明治大学環境法センター 共同研究員)/中村 明寛(明治大学環境法センター 研究推進員)
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 二酸化炭素の回収・貯留技術(CCS)の導入・普及は、地球上の人類社会による二酸化炭素排出に対する大幅削減策として重要な役割があると広く議論されるようになった。一方、CCSの社会的実装にあたっては、各国の政治的・経済的状況、環境的背景及びCCSに対する社会的受容性等を考慮した包括的な法制度の枠組みが不可欠となる。特に、同技術の導入にはエネルギー改革やインフラ整備の開発など多額の社会費用を要するため、開発・導入コストの削減、普及に向け適切な政策手法の選択が求められる。近年、我が国では、温室効果ガスの長期排出削減目標を達成するためCCS技術の商業化に向けた動きがある。本稿では、我が国のCCS技術の商業化に向けて、どのような政策手法が、特に導入の初期段階の政策として諸外国で議論されているのかを概観するとともに、我が国においてCCS 導入の初期段階の政策手法を選択する場合における配慮事項を考察した。
【産廃コンサルタントの法令判断/第8回】書類の記載ミスだけで直罰?──罰則規定の基本的な仕組みを考える
佐藤 健(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 環境情報ソリューショングループマネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第8回)。
【まるごとわかる環境法/第15回】フロン排出抑制法(後編)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第15回は「フロン排出抑制法」(後編)
 
 9. 第一種フロン類充塡回収業者とは何ですか?
 10. 第一種フロン類再生業者の再生義務等
 11. フロン類破壊業者の引取義務等
 12.  第一種特定製品の廃棄等
 13. その他
【先読み! 環境法/第53回】パリ協定が11月4日に発効
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 参加のハードルを下げたことで先進国、途上国すべての国が同じ条件で取り組む体制を形成したパリ協定が11月4日に発効となった。その概要を改めて紹介する。また平成21年改正化審法の見直し検討の論点について解説、石綿健康被害救済制度の今後の方向性についても取り上げる。
 
❶パリ協定が11月4日に発効
❷9月26日に今後の化学物質対策の在り方についての環境省と経済産業省の合同会合が開催
❸現行制度維持となった9月2日の石綿健康被害救済小委員会(第5回)に提出された「石綿健康被害救済制度の施行状況及び今後の方向性について(案)」
 
環境法改正情報 (2016年9月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◉ 水質汚濁防止法
◉ 大気汚染防止法
◉ ボイラー則
◉ 農薬取締法
◉ 労働安全衛生法
◉ 再生可能エネルギー電気調達特措法

<トピックス>

エコプロダクツ2016~環境とエネルギーの未来展 開催概要
安井 基晃(一般社団法人 産業環境管理協会 地域支援ユニット調査研究チーム長)
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 12月8日(木)から10日(土)にかけて当協会と日本経済新聞社との共催で東京ビッグサイトにおいてエコプロ2016~環境とエネルギーの未来展を開催する。
 本展示会は今回で第18回目の開催となるが、幅広い層の参加が特徴的な要素となっており、実際
の会場にも数多くのものが展示されている。今回からはプロの意味にプロダクツに留まらない多様性を持たせ、これまで以上により広範囲に訴求していくことを意図して展示会の名称をエコプロダクツ展からエコプロ展に改称した。
 本稿では、エコプロ2016での当協会の活動計画を中心に展示会の概要を紹介する。
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