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環境管理バックナンバー 2022年 2月号
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2022年2月号 特集1:地盤沈下/特集2:環境条約の国内対応
<特集1>
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地盤沈下の現況── 千葉県を例に
香川 淳(千葉県 環境研究センター 地質環境研究室) ▼概要文表示 -
地面が低下する現象が「地盤沈下」である。かつて総沈下量が1mを超える地点が関東平野南部で続出していた。地盤沈下が進行すると、基礎構造物の抜け上がりによる配管の破損や通行障害、さらに浸水リスクといった問題にも発展する。
地盤沈下の主たる原因は地下水や天然ガスの過剰採取であるため、揚水規制や天然ガス生産の停止といった対策がなされ、地盤沈下の監視態勢も強化された。最近では、地下水の利用量の減少によって地下水位の上昇傾向も続いている。
そこで、地下水を持続的利用可能な資源ととらえ、新たに「地下資源の有効活用」という観点での前向きな取り組みも望まれている。本稿では、地盤沈下の現在の状況や課題などについて千葉県の事例を中心に紹介する。
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地盤沈下対策で海面上昇へのレジリエンスを高める
堅田 元喜(キヤノングローバル戦略研究所) ▼概要文表示 -
沿岸地域の海面上昇というと地球温暖化ばかりが注目されるが、地盤沈下による「相対的海面上昇」もある*1、2。地盤沈下は、主に地下水・天然ガスかん水の採取などの人為的要因と地震動・時間経過による圧密などの自然的要因、そしてこれらの複合要因によって引き起こされる。我が国でも、地下水への過度の依存により大都市で深刻な浸水被害が発生し、2011 年3 月の東北地方太平洋沖地震時には、地方でも被害が顕在化した。
最近の国内における研究により、ここ数十年の相対的海面上昇の速度は地球温暖化による海面上昇速度と同等もしくは上回っていたこともわかってきた。地盤沈下が進行している地域では、地
球温暖化による影響以上の海面上昇が想定されることから、水利用管理などの「海面上昇への緩和策」と堤防増築をはじめとした「海面上昇への適応策」を優先的に進めるべきである。
<特集2>
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オゾン層保護条約の国内実施とHFC規制
久保 はるか(甲南大学 共通教育センター 教授 行政学) ▼概要文表示 -
オゾン層保護は、日本が本格的に地球環境条約の国内実施に取り組んだ最初の事例であり、後に続く先例として位置付けることができる。本稿では、先例から学びうる論点を三つピックアップして、アメリカと比較しながら検討する。
論点は、①議定書の規制強化プロセスへの対応、②議定書の規定の国内法化、③規制物質の削減・廃止に向けた業界の対応である。そして最後に、温暖化対策の強化にともないモントリオール議定書に位置付けられることとなったHFCs対策について、国内対応の状況を紹介する。
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環境影響評価(EIA)に関する国際義務の国内実施── 日本の現状と課題
児矢野 マリ(北海道大学 大学院 法学研究科 教授 国際法) ▼概要文表示 -
今日、持続可能な発展を推進するための手段として、国内外で環境影響評価(EIA )が重視されている。そして条約を含む多くの国際文書は、個別の活動・事業に関するEIAの実施や、EIAの実施確保のため措置をとることを、活動・事業の管轄国に求めている。すべての国に適用される国際慣習法も、国境を越えて重大な環境リスクをともなう活動・事業につき、EIAの実施を管轄国に要求する。しかし、現在の日本の国内法制は、必ずしもこのような国際義務の遵守確保を導くことができるようなものとはなっていない。
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絶滅が危惧される野生動植物の種の国際取引に関する ワシントン条約の国内実施── 野生生物の保全と動物福祉の統合という観点から
遠井 朗子(酪農学園大学 農食環境学群 環境共生学類 教授 国際法) ▼概要文表示 -
環境条約の国内実施とは、締約国が自国において、立法その他の措置をとることにより環境条約を作動させることである。しかし、条約にもとづく規制とグローバルな政策領域との連携が進展することにより、当初の規制範囲を超えて、複合的なガバナンスの実装を求められる場合がある。
本稿は、「野生生物の保全と動物福祉の統合」という潮流が、絶滅が危惧される野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の実施に与えている影響に焦点を絞り、とくに野生動物の福祉の考慮という観点から、日本の国内実施における課題を検討する。
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化学物質環境条約の最近の動向と日本── ストックホルム条約を中心に
増沢 陽子(名古屋大学 大学院 環境学研究科 准教授 環境法) ▼概要文表示 -
環境の観点から有害な化学物質の規制を定める主な世界規模の条約として、四つの条約が挙げられる。その一つである残留性有機汚染物質( POPs)に関するストックホルム条約においては、近年継続して対象物質の追加が行われ対策を進展させている一方、予防的取組方法を踏まえた追加の手続・運用にはなお議論も存在する。条約の物質追加は、国内法ではとくに化審法に影響を与えている。化審法における条約上の義務等の実施は安定的になされているが、同法の化学物質管理の体系への条約の組み込みについては、さらなる議論も期待される。
<報告>
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令和3年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 ── 表彰式の開催報告
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会事務局(一般社団法人産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター) ▼概要文表示 -
一般社団法人産業環境管理協会が事務局を務めるリデュース・リユース・リサイクル推進協議会は、循環型社会の形成に向け、長年、資源のリデュース・リユース・リサイクル(3R)に率先して取り組み、資源の有効利用、環境への負荷の低減に継続的な活動を通じて顕著な実績を挙げている個人・グループ・学校・事業所・地方公共団体等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」を実施している。当表彰は平成4 年度から毎年実施しており、本年度で30 回目を迎えた(平成4 年度~平成13 年度は「リサイクル推進功労者等表彰」の名称により実施)。
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【令和3 年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 内閣総理大臣賞受賞】 研削材を何度も再使用し、産業廃棄物の発生を最小限に抑制する 環境配慮型ブラスト工法
山田 博文(ヤマダインフラテクノス株式会社 代表取締役社長) ▼概要文表示 -
鋼橋の長寿命化に不可欠な塗装塗替え工事は、その工程において劣化した塗装や錆を剥がし、新しい塗装の下地を作る「ブラスト処理」を行う。ヤマダインフラテクノス株式会社は、このブラスト処理において大量の産業廃棄物を排出してきた従来工法の課題を克服し、研削材を何度も再使用(リユース)することで、発生する産業廃棄物を最小限に発生抑制(リデュース)する「循環式エコクリーンブラスト工法」の開発に成功した。そして、循環型社会の持続のため同工法の普及に努め、脱炭素社会の実現に向けてこれからも貢献していく。
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令和3 年度(第51 回)公害防止管理者等国家試験結果について
公害防止管理者試験センター(一般社団法人産業環境管理協会) ▼概要文表示 -
令和3 年度(第51 回)公害防止管理者等国家試験結果について
<シリーズ>
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【弁護士からみた環境問題の深層/第14回】 法的観点からみた企業における農地の活用と農業ビジネスの今後について
馬場 宏平(馬場総合法律事務所 弁護士/日本CSR普及協会環境法専門委員会委員) ▼概要文表示 -
農業従事者の担い手が減少傾向にあり、耕作放棄地*1が増加傾向にある等、農業を取り巻く環境が大きく変化している。これにともない、農業の6 次産業化*2やスマート農業*3、農業DXが推進されるなど新たな取り組みが行われる中、企業による農業の参入が一層求められている。
企業が農業分野に戦略的に参入していくにあたり、農地法をはじめとする法令に留意し、どのような形で参入していくかを初期の段階で検討しなければならない。 また、農業ビジネスが持続可能な経営として存続していくためには、担い手である農業従事者のディーセントワークを促進していく必要がある。企業が農地を活用しながら、農業ビジネスを展開していく上での法的留意点について考察する*4。
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【産廃コンサルタントの法令判断/第71 回】 いまさら聞けない許可証の読み方── 産業廃棄物処分業許可証を理解する
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー) ▼概要文表示 -
日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第71回)。
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【新・環境法シリーズ/第120回】ベルギーの脱原発をめぐって
長谷 敏夫(ヘント大学PhD 研究員) ▼概要文表示 -
ベルギーでは、40年を越える老朽原発は2003年の脱原発法により廃炉にすると規定されている。ところが、7基の原発による発電量は全電気生産量の50%を占めてきた。2015年に2基の原発が廃炉になるとき、電気供給が不安定になり危機を招くとの政府判断により、脱原発法を改正して、廃炉にすべき2 基の原発の10 年の稼働延長を決めた。
この措置に対し、二つの環境保護団体がベルギー憲法裁判所に訴を提起、2020年3月の判決で稼働延長は違法と認定され、政府は環境影響評価、意見の聴取、下院での再審議を命じられた。
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【先読み! 環境法/第116回】省エネ法の改正 ── 2021 年12 月24日第36 回、6 月30日第35 回省エネルギー小委員会について
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授) ▼概要文表示 -
2021年12月24日第36回、6月30日第35回省エネルギー小委員会で検討された省エネ法の改正について解説する。また、2021年12月16日に開催された第1回産業構造審議会産業技術環境分科会グリーントランスフォーメーション推進賞委員会/総合エネルギー調査会基本政策分科会2050年カーボンニュートラルを見据えた次世代エネルギー需給構造検討小委員会合同会合について解説する。
❶ 省エネ法の改正――2021 年12月24日第36 回(省エネ法改正の方向性)、6月30日第35回省エネルギー小委員会(非化石エネルギーの導入拡大に伴う省エネ法におけるエネルギー評価と需要の最適化)について
❷ クリーンエネルギー戦略策定に向けた検討の開始――12月16日に第1回産業構造審議会産業技術環境分科会グリーントランスフォーメーション推進賞委員会/総合エネルギー調査会基本政策分科会2050年カーボンニュートラルを見据えた次世代エネルギー需給構造検討小委員会合同会合
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環境法改正情報(2021年12月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表) ▼概要文表示 -
◉ 地球温暖化対策推進法
◉ オゾン層保護法
◉ 騒音規制法
◉ 振動規制法
◉ ビル管法
◉ 事務所則
◉ 労働安全衛生法
◉ 環境基本法
◉ 地球温暖化対策推進法( 11 月改正追加分)