環境管理バックナンバー 2020年 11月号

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2020年11月号 特集:SDGs対応と企業のマネジメント

<特集>

【サプライチェーンを取引先に持つ中小企業経営者向け「新型コロナ影響を踏まえたSDGs経営の重要性」オンラインセミナー】
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  SDGsは国連が決めたもので、政府や自治体、大企業が取り組むものとのイメージがあるが、ESG 投資の潮流の中、特にサプライチェーンを取引先に持つ中小企業の取組みにおいても重要視されてきている。
 本セミナーでは、中小企業へのSDGs経営を推進するベイヒルズ税理士法人が、社会活動家 小島政行氏と、SDGsコンサルタント 中島達朗氏とともに、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえたSDGsのリスクとチャンスを、具体的な取組み事例の紹介も交えてわかりやすく説明する。
 
〇トップ対談 社会活動家 × 税務プロフェッショナル
 小島 政行(社会活動家/一般社団法人 SDGs活動支援センター 理事長)/岡 春庭(税理士・中小企業診断士/ベイヒルズ税理士法人 代表社員)
 
〇新型コロナウィルスの影響を踏まえSDGsをビジネスに活かす
 中島 達朗(SDGsコンサルタント/株式会社ふるサポ 代表取締役)
 
企業におけるSDGs最前線――気づきの4段階
中川 優(オフィスグラビティー代表)
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 SDGs(持続可能な開発目標)とは、よりよき地球社会を目指す2030年の行動指針である。SDGs最大の特長は、数多ある社会課題を17のゴールに集約するという手法で、投資や技術を呼び込み早期に課題解決が期待できる点にある。新型コロナのワクチン開発がその代表例である。そこで本稿では、なぜいまSDGsに注目が向かうのかについて、経営と投資、MDGs(ミレニアム開発目標)との対比などから検証するとともに、企業において「気づきの4 段階」を踏まえて、SDGsを経営に実装するためのプロセスモデルを紹介する。
シャボン玉石けんのSDGsへの取り組み
シャボン玉石けん株式会社
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 1910年に福岡県北九州市で創業したシャボン玉石けん株式会社(福岡県北九州市/代表取締役社長:森田隼人)は、「健康な体ときれいな水を守る」を企業理念として掲げ、1974年より無添加石けんの製造・販売を行っている。
 SDGsの理念と弊社の企業理念、石けん系泡消火剤の研究開発をはじめとするこれまでの取り組み、さらに目指す将来像は多くの部分で重なっていたことから、2019年1月に「シャボン玉グループのSDGs宣言」を行い、改めてグループ全社を挙げてSDGs達成を推進している。
 国際サミットでのSDGs採択後は、弊社の事業をSDGsのゴール別に整理することから着手し、新たな取り組みとして生活者に対するSDGsの啓発を目的とした「私のSDGsコンテスト」の開催などにも取り組んでいる。
中国PM2.5の解決に貢献する日本のガスボイラー
樋口 哲也(リンナイ株式会社 広報部 次長)
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 経済発展が著しい中国では現在もPM2.5 による大気汚染が大きな社会問題になっている。粒子径が2.5μm以下の微粒子であるPM2.5は、人々の健康に悪影響をおよぼし肺がんのリスクも含んでいる。
 PM2.5による大気汚染の発生原因は主に自動車の排出ガスや工場からの排気、そして家庭で使われる石炭ボイラー暖房による排気が主な原因である。燃料を石炭から天然ガスに変えることでPM2.5は大きく改善される。中国国内のガス会社とともに、上海リンナイは、これまで日本で培った技術をベースに、ガスボイラーの普及に努め大気汚染の防止に貢献している。
SDGsへ、サラヤのチャレンジ!
更家 悠介(サラヤ株式会社 代表取締役社長)
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 新しい1万円札の顔になる渋沢栄一は道徳と経済の結合を説いた。では、現代のビジネスの道徳は何だろうか? それを端的にいえばSDGsである。
 サラヤは、ビジネスを通じて、①ボルネオの生物多様性の保全 ②ウガンダでの衛生向上 ③プラスチック海洋汚染防止、などの切り口でSDGsに取り組んでいる。ビジネスは理屈ではなく実践である。これらの取り組みとビジネスの経験について紹介・総括し、今後の展望を述べる。
企業は「より良い社会」づくりに向けた行動変容と連携を
北島 隆次(国連大学SDG企業戦略フォーラム事務局長/国連大学SDG 大学連携プラットフォーム事務局長/TMI 総合法律事務所 弁護士)
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・SDGsの関心が高まる一方、その達成は容易ではなく、企業をはじめ社会の全ての構成員の行動変容が必要である。
・「人」、「モノ・サービス」、「金」、「経営」のすべての面において、企業がサステナブル経営に取り組むメリットは大きい。
・企業の取組みは、①社会貢献型、②現状維持・延長型、③行動変容型の3タイプに分かれる。日本企業は①②が大半だが、企業に大きなメリットを及ぼすのは③である。
・社会との連携は、今後の行動変容のための重要な要素であり、国連大学は企業、大学を軸に社会との連携のプラットフォーム化を目指す。
SDGs視点で俯瞰するネパールのコミュニティ・フォレスト50年
寺川 幸士(学術博士/国際協力コンサルタント)
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 日本では輸入材の増加や後継者不足などによって、森林が荒廃し森林経営も危機に面している。一方で森林の持つ空気浄化作用や木材供給・バイオマス燃料など森林の機能も見直されている。一つの解決法としてコミュニティ・フォレストという考えがある。これは地元住民グループに管理を委譲された国有林のことを指す。
 ヒマラヤの国として知られるネパールでは、国有林の管理を部分的に地元住民に委ねる「Forests for people」という概念を盛り込んだ「国家林業計画」を1976年に策定した。これは世界で最も早く成立したコミュニティ・フォレスト法の一つである。本稿では、1990年代の民主化を経て王制から連邦共和国となったネパールのコミュニティ・フォレストの変遷を概観し、SDGsの視点から考察し、その課題と将来を考える。

<短期集中連載>

【CLOMAアクションプラン キーアクション5(WG5)】プラスチック代替素材としての紙・セルロース系素材の普及に向けた取り組み
今野 武夫(日本製紙株式会社 取締役 常務執行役員 グループ販売戦略本部長)
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 CLOMAワーキンググループ(WG)5は、プラスチック素材を木質バイオマスである紙・セルロース系素材で代替し、プラスチック使用量の削減に貢献することを目的としている。
 WG5は他のWGと異なり、グループ内で3つのサブテーマ、「紙・セルロース素材及びプラスチック複合素材の普及」、「未利用の紙系廃棄物、複合素材廃棄物のリサイクル」、「紙・セルロース素材の生分解性評価」を持ち、活動範囲は多岐にわたっている。
 本稿では、紙・セルロース系素材の高機能化によりプラスチックの性能に近づきつつある現状と、その普及に向けた各サブテーマの課題と取り組みについて紹介する。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第47回】 エネルギー基本計画改定に向けた提言
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 政府は総合資源エネルギー調査会において、次期エネルギー基本計画策定に向けた議論を開始した。エネルギー基本計画は閣議決定もされるとはいえ、定性的な文章に過ぎない。霞が関的に微妙なグラデーションはつけられているものの、必要な施策が列記されているものだ。しかしここに書き込まれるかどうか、どのような表現で書き込まれるかによって、政策的支援の厚みも変わるので、基本計画を反映し具体的な数字に落とし込んだ「長期エネルギー需給見通し」も含めて、エネルギー事業者の関心は高い。
 しかし、そもそもわが国は電力・ガス事業のシステム改革を進め、市場原理を導入した。自由化した市場において、政府が1%刻みの需給見通しを描き、事業者がそれを固唾を飲んで見守るという構図には違和感を覚える。エネルギー供給の重要性はどのような制度設計の下でも変わるものではないが、自由化した時点で政府の役割についても見直すべきだったのではないだろうか。
 また、時間軸も今まで通り10 年後を議論すればよいわけではないだろう。第5次エネルギー基本計画は2030年の議論をしたものであり、2050年はイノベーションへの期待から、非連続な未来とされた。しかし、菅首相が2050年実質ゼロを目指すことを表明するとも報じられており、もはや2050年までを視野に入れ一連のシナリオを描くべき時期になりつつある。一方で、裏付けをもって2050 年実質ゼロのエネルギーミックスを提示することは不可能だ。では何を政府は示すべきなのだろうか。
 エネルギー基本計画改定に向けた議論の中で持つべき視座は何かを整理し、これから本格化する議論への提言としたい。
【産廃コンサルタントの法令判断/第56回】違反の疑いがかかったらどうなる?──書類送検などの用語を正しく理解する
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第56回)。

【新・環境法シリーズ/第105回】名古屋議定書の履行に関する中国の実践――雲南省を例として
何 劼(西南学院大学 大学院法学研究科 博士研究員)
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 中国は、名古屋議定書の国内履行として、2015年からABSプロジェクトを実施してきた。同プロジェクトの中で、一つの重要な部分は、日本の都道府県に相当する一部の省等の地方行政区域における遺伝資源・関連伝統的知識の利用と保護に関する法システムの構築作業である。本稿の執筆時点では、3か所でABSプロジェクトが実施されているが、その中で雲
南省だけが省の生物多様性保護条例を制定・実施しており、省より下位の地方行政区域の地方性法規又は地方性規章も省条例によりある程度整備されている。本稿では、中国の当該プロジェクト、プロジェクト実施地である雲南省の二つのパイロット事業及び雲南省の関連法政策の整備状況を紹介し、次に中国のABS立法の難航の原因を探り、最後に関連立法の
外国の利用者に対する影響を検討することにする。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第26回】許可不要者制度と各種リサイクル法(その7)の巻
長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 聞き手は、某企業の廃棄物管理部門に配属されて3年目、廃棄物処理法を鋭意勉強中のBUNさんです。
 第26回目は、「許可不要者制度と各種リサイクル法」その7です。お相手はN先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第35回】排煙プリュームと大気循環の基礎知識
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 石油コンビナートから黒い排煙が消えて久しい。しかし、難分解性、高蓄積性、長距離移動性の有害物質やPM2.5などによる大気汚染はいまだ解決されておらず、汚染は成層圏にも及んでいる。汚染を運ぶ風の特徴と大気循環について、米国の教科書も参考に基本知識をまとめてみた。大気汚染の事例や煙突から出る煙の形で地上への影響が簡単に判別できるイラストなども紹介する。
【先読み! 環境法/第101回】乗用自動車の2030年度燃費基準に係る省エネ法の省令・告示が4月1日に施行――トップランナー制度においてCAFE方式による乗用自動車の2030年度目標燃費基準の策定
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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 CO2は大気汚染防止法の対象とならないため、省エネ法が温対法のエネルギー起源のCO2排出量の報告義務や自動車からのCO2排出量削減を定める重要な法律となる。新たに電気自動車やプラグインハイブリッド自動車が規制対象となる省エネ法の2030年度目標燃費基準の策定について解説する。また、化管法のPRTR・SDS対象物質の見直しについても取り上げる。
 
 ❶乗用自動車の2030年度燃費基準に係る省エネ法の省令・告示が4月1日に施行――トップランナー制度においてCAFE方式による乗用自動車の2030年度目標燃費基準の策定
 ❷8月31日に化管法第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質の指定の見直しの中央環境審議会答申――この答申を踏まえ、経済産業省とともに年内に政令改正を公布
環境法改正情報(2020年9月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉建築物省エネ法
 ◉オゾン層保護法
 ◉労働安全衛生法
 ◉瀬戸内法
 ◉環境配慮促進法

<書評>

北村喜宣著『環境法 第5版』
堀江彩生(環境省環境再生・資源循環局所属)
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 本書は、環境法を学ぼうとする法学部生や法科大学院生が教科書として活用する書籍の中でも、代表的な一冊の最新版である。特に司法試験受験生にとっては、自分が拠り所とする教科書が最新の法改正をカバーしているか、という点は死活問題であるので、2011年の初版以降、約2年という短いスパンで環境法全体を網羅した本書が更新され続けているという事実に、多くの学生たちが救われてきていることと思う。この度は、現在は環境省所属という立場ではあるが、かつて法学部や法科大学院として、現在は廃棄物処理法の実務者として本書にお世話になっている身として、畏れ多くも書評を書かせていただく運びとなった。しばしお付き合いいただければ幸いである。

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