環境管理バックナンバー 2018年 9月号

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2018年9月号 特集1:廃プラスチック問題と資源循環戦略/特集2:工場の事故・不適正事例の再発防止

<特集1>

国内、海外の企業が競り合い――中国輸入規制とプラスチックリサイクル
中西 康文(日報ビジネス株式会社 週刊循環経済新聞 編集部)
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 中国は、過去20 年近くに渡って、世界中からプラスチックスクラップなどの再生資源を輸入し、それらも利用して急激な経済成長を成し遂げた。ところが、特に2017 年初頭から、中国政府はこれら再生資源(固体廃棄物)の輸入について、抜本的な輸入規制策を施行した。
 プラスチックスクラップについては「ほぼ禁輸」という状況になり、輸出先国である日本や欧米、代わりに輸入先国となった東南アジア諸国では多大な影響が生じている。
 本稿では、中国が禁輸に至った経緯と、日本でのリサイクル事業への影響を紹介する。
中国 資源ごみ輸入禁止の波紋と世界のプラスチック廃棄物問題
本誌編集部
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 中国の資源ごみ輸入禁止によって日本や欧米が大きな影響を受けている。内外の現場の動きを探るためプラスチックリサイクル会社2 社を取材した。禁輸が始まった本年1 月以降、日本の廃プラスチックは東南アジアに流れ、中国への廃プラ輸出シェア85%は3%程度に激減した。タイやベトナムの受入国のコンテナヤードは資源ごみであふれる状況になり、すでに輸入規制が始まっている。日本の排出事業者にも禁輸の影響が波及している。
プラスチックを巡る 資源循環の動向について
山本 恭太(経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課 課長補佐)
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 欧州のサーキュラー・エコノミー(CE)の取組、中国の固体廃棄物輸入規制など、資源循環をめぐる新たな潮流は、今後の資源循環政策のあり方について中長期的視野での議論が求められている。日本はこれまで、循環型社会形成推進基本法の枠組みを中心として3R(Reduce、Ruse、Recycle)を進展させてきたが、これらの国際動向・社会動向を踏まえ、従来の3R政策を超えて、資源循環を日本の成長に繋げる新たなビジョンが必要と考える。
 本稿では、プラスチックを巡る資源循環政策について、特に欧州や中国の動向に着目しながら、今後、日本が留意すべき課題について考察する。
廃プラスチックの適正処理と資源循環
細田 雅士(エコスタッフ・ジャパン株式会社 統括部長)
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 廃プラスチックに関する処理とリサイクルの問題は、国内のみならず今世界的に解決すべき最重要課題として取り上げられている。筆者が所属するエコスタッフ・ジャパン㈱は、全国の優良な産業廃棄物処理及びリサイクル事業者とのネットワークを運営し、全国の廃棄物処理及びリサイクルの現場や排出事業者との繋がりの中で、中央官庁を含めた産官学連携を積み重ねてきた。
 現在、中国での資源物輸入規制に端を発した国内の廃プラスチックの流れとその行き先が非常に不透明な状況になっている。本稿では再資源化産廃の最新動向と今後の展望を概観する。さらに、中国の資源物輸入規制に伴う国内影響、リサイクル分野の海外展開、中国輸入規制に伴う使用済みペットボトルに関する現状等について現場のヒアリング結果を情報提供する。

<特集2>

法遵守における不適正事例の再発防止策についての課題
井口 忠男(一般社団法人 産業環境管理協会 人材育成・出版センター)
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 2005~2010 年にかけて起こった大手企業の不適正事例を五つ取り上げ、各事例の経緯、原因、背景、問題点、行政措置、再発防止策を紹介する。さらに各再発防止策の課題を考察することにより、現場の管理体制や組織体制上の具体的な問題点を明らかにし、不適正事例の発生リスクの低減を目指す。
工場の事故・労災防止セミナーの紹介――その道のプロに学ぶ 事故防止・労災防止セミナー
遠藤 小太郎(一般社団法人 産業環境管理協会 人材育成・出版センター 所長)
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 工場や現場における事故や労働災害がなかなか減らないのはなぜか。産業環境管理協会では、「その道のプロに学ぶ事故防止・労災防止セミナー」と題したセミナーを数年前から開催しており、ご好評いただいている。
 本稿では、当セミナーにご登壇いただいている安全管理と人材育成の専門家・半田安講師にお話を伺うとともに、セミナーの内容、カリキュラムについて紹介する。秋期から1 月にかけ、受付中のセミナーもあるので、ぜひご利用いただきたい。

<総説>

低濃度PCB廃棄物の無害化処理技術と処理促進に向けた取組状況
長田 容(公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団 技術部長)
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 低濃度PCB廃棄物はPCB濃度が0.5mg/kgを超える絶縁油が封入された微量PCB汚染廃電気機器等およびPCB濃度が5,000mg/kg以下のPCB汚染物等をいう。これらは現在38 の民間の無害化処理事業者により、運搬可能な廃電気機器や汚染物は主に焼却処理され、大型の変圧器類は設置場所で洗浄または分解・洗浄処理されている。処理施設数と処理能力は年々増強され順調に処理が進んでいるが、一方でPCB汚染の状況を確認せずに使い続けられている電気機器が多数存在する。本稿では、無害化処理施設に適用されている処理技術の特徴と処理促進に向けた取組状況について紹介する。
低濃度PCB廃棄物の現状とその分析方法
加藤 吉紀(内藤環境管理株式会社 研究開発部 研究開発箇所 箇所長/佐藤 旭(内藤環境管理株式会社 研究開発部 研究開発箇所 チームリーダー)
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 PCB廃棄物は処分期限が迫っている状況であるものの、その全容がまだまだつかめていない。このため、全量廃棄に向けて国や自治体、各関係団体は全力を挙げて対策を検討している。ここで、PCB廃棄物を適正に処理するためには、適切な分別を行うための調査が必要不可欠である。また、PCB濃度を確定するためには、廃棄物の種類に応じた適切な分析方法で行う必要がある。
 これらのPCB廃棄物の処理に係わる諸事情を踏まえ、本稿では実際に分析を行う視点から、分析依頼の契機が多い媒体の分析方法や、分析を行う過程で生じる課題等について述べる。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第28回】パリ協定「長期戦略」とは──成長戦略としての「長期戦略」を考える
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 本年8月3日、安倍総理が主催する「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略策定に向けた懇談会」が開催され、パリ協定の下に提出する長期戦略(正式名称は、長期低排出発展戦略。以下、長期戦略)策定に向けた議論が開始された。
 これまで京都議定書やパリ協定など、気候変動に関する国際枠組みに対して、政府としての取り組みを提出することは何度か求められてきた。それらの目標年はほぼ10 数年後であり、現状の経済活動や技術から積み上げた、達成確度の高い「目標」であった。
 しかし、パリ協定の下に提出する長期戦略は、それらとは趣を異にする。パリ協定は、①産業革命前からの温度上昇を2℃未満(1.5℃以内への抑制も希求)に抑制すること、②今世紀後半のネット排出ゼロ、という長期目標を掲げており、これを視野に入れた長期的な「戦略」を各国が策定せねばならないのである。2016年5月に行われた伊勢志摩サミットの首脳宣言において、G7 諸国は2020年の期限に十分先立って提出することにコミットした。2018 年8 月時点においてG7 諸国のうち米・独・仏・加・英がその長期戦略を提出済みであり、日本とイタリアが未提出となっている。
 これまでもわが国では、環境省が中央環境審議会地球環境部会に「長期低炭素ビジョン小委員会」を、経済産業省が「長期地球温暖化対策プラットフォーム」を開催するなどして議論を続けてきたが、戦略策定には至っていない。そこで冒頭述べた通り、総理主導による懇談会が設置され、策定に向けた議論が本格化することとなったわけだが、わが国はこの長期戦略に何を書くべきなのか。
 パリ協定等は長期戦略に何を求めているのか、先行して提出した各国はどのような戦略を提出しているのかを分析した上で、わが国の長期戦略が踏まえるべき観点を整理したい。
【合理的環境主義者の視点/第6回】イノベーションは経済成長との好循環においてこそ生まれる
杉山 大志(一般社団法人 キヤノングローバル戦略研究所 上席研究員)
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 環境税や規制がイノベーションを促進するという意見がある。
 だがこれは、本当だろうか?
 マクロ経済環境と密接につながる
 イノベーション進化の本質を読み解く。
【産廃コンサルタントの法令判断/第30回】産業廃棄物と事業系一般廃棄物──法と実務の矛盾&分別徹底の困難さ
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第30回)。
【新・環境法シリーズ/第79回】台湾におけるマイクロプラスチック規制――2017年8月公布「マイクロビーズ含有化粧品及び個人清潔用品の製造、輸入及び販売を制限」する告示(法規命令)について
頼 宇松(台湾・国立東華大学 財経法律研究所)/鶴田 順(明治学院大学 法学部)
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 本稿では、2017年8月に公布された台湾の「マイクロビーズ含有化粧品及び個人清潔用品の製造、輸入及び販売を制限する」告示を紹介する。化粧品、洗顔料、入浴剤、歯磨き粉などのマイクロビーズ含有製品の使用が海洋環境にもたらしている問題状況を受けて、近年、米国や欧州ではマイクロビーズの製造などが規制されはじめている。台湾の告示はアジア地域で初めての法的規制である。マイクロプラスチックをめぐる問題状況、欧米での規制動向を確認したうえで、台湾でのマイクロビーズの法的規制の概要を紹介する。
【ニュースから読み解く環境刑法/第2回】罰則は法律だけじゃない! 条例違反にもご注意
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師)
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 前回は、環境保護に関する公的ルールの違反をすると、刑法をはじめとする「法律」で処罰されることがあるということを説明しました。しかし、これらの違反行為への罰則は、「法律」だけではなく、「条例」にも規定されています。また、刑事罰以外にも「過料」と呼ばれる金銭罰が存在します。環境保護に関する条例では、この過料が罰則とされることもあります。今回は、法律のほかにも注意していただきたい「条例」に関するニュースを取り上げて、刑事罰と過料との違いや、刑事罰が科される場合の手続きなどについて説明し、身の回りの環境問題を考えたいと思います。
【環境担当者のための基礎知識/第9回】排水処理の基礎──食肉植物と有害なホテイアオイ
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 大正9年に「成東食肉植物産地」という名称で国の天然記念物に指定された場所がある。ここは湿生植物に関する生物多様性が実感できる場所だが、日本で大変ポピュラーな水草「ホテイアオイ」が実は有害植物として世界で認識されている。2016 年8 月にはEC域内で販売が禁止されている。本稿の前半では水質を悪化させる植物などをレポートする。
 後半ではレッドフィールド比を解説する。深層海洋の無機態窒素とりんの比は16:1 でほぼ一定であり,海洋表層の植物プランクトン体の炭素:窒素:りんの比は一般的に106:16:1(レッドフィールド比)とされている。
【先読み! 環境法/第75回】農薬取締法の一部改正の成立
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 欧米の標準に合わせ規制の合理化などを図り、輸出振興を進める農薬取締法の改正と、世界的に驚くほどの早さで進んでいるゲノム編集技術のうち、カルタヘナ法で規定される遺伝子組換え生物にかかわる取扱いについて解説する。
 
 ❶農薬取締法の一部改正の成立
 ❷カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会(第1回)が8月7日に開催
環境法改正情報(2018年7月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉オゾン層保護法
 ◉高圧ガス保安法
 ◉化審法
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