環境管理バックナンバー 2013年 5月号

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2013年5月号 特集 工場・事業所の騒音振動問題

<特集>

工場・事業場に係る騒音・振動苦情の現状と対策
門屋 真希子 公益社団法人日本騒音制御工学会理事
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 工場・事業場に対する騒音に係る法規制が開始されてから40年以上が経過し、その間に規制対象の特定工場等は増加傾向にあるものの、騒音苦情件数は減少し、周辺環境及び住民の生活環境の保全に貢献してきた。その一方で法、条例による規制対象から外れた施設に対する苦情は減少しておらず、苦情全体の半数近くを占めている。そしてこの間に工場・事業場の操業時間の多様化、周辺に大型マンションが建設されるなど工場及びその周辺環境にも変化がみられ、有効な対策が求められる。
電気機器の騒音源であるモータ音
野田 伸一 株式会社東芝電力・社会システム技術開発センター技術主幹
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 環境問題への関心の高まりから、騒音に対する配慮が強く求められている。電気自動車(EV)が注目され、洗濯機、エアコン、医療機器や工作機械などの音源であるモータへの静かさが要求されている。モータ騒音は、①加振力である電磁力、②伝達系のモータ構造物、③機器装置への伝達、について対策する必要があり、音源の発生メカニズムを理解し、伝達する構造面について取り組むことである。本稿では特に、モータ加振力である電磁力の周波数と電磁力モード、その電磁力を受けるモータ固定子の運転中の振動モードと電磁力モードに関して述べる。
工場の騒音対策
森 卓支 合同会社モリノイズコントロールオフィス
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 工場の敷地境界において、騒音が規制値を上回っていたり、近傍から苦情があり騒音対策を行う場合に、合理的に考えられた対策が行われていないことが現状では多く見られる。
 本稿では騒音対策を考えるにあたり、対策の手法と考え方を述べる。また工場での主な騒音源(送風機、ポンプ等)である機器の対策実例も紹介する。敷地境界以外にも作業環境騒音等を検討する場合でも方法は同様である。
超・低周波音による健康被害の現状-発症メカニズムの一考察
岡田 建 株式会社エス・アイ・テクノロジー
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 最近の大型工場やプラントでは、従来の騒音規制基準にしたがって行う対策は減少し、ほとんどなくなったが、工場内の個々の設備に対する低騒音化への努力はより一層強くなっている。居住区内においては住民の音に対する感受性は従来より一層繊細になっており、単なる音の大きさによる評価のみならず、心理面からの音色に関連した要求や苦情が出るようになってきた。これは住宅の遮音性能や密閉性の向上あるいは核家族化による生活環境の変化と静寂化が原因であろう。静寂な空間は音に対し、より繊細な、かつ微妙な感覚を居住者に植え付け、より音に敏感にさせることが苦情を生みだしている。自然エネルギーの利用・開発に伴って風力発電事業が急増し、山岳部などの住宅地で、騒音及び音による健康被害や光による被害、景観問題等にかかわる被害が増加している。このように、従来の境界線での環境規制は時代にそぐわなくなってきており、環境の多様性を重視し、局所環境に順応させたアダプティブ型の対策が要求されている。住宅地では省エネタイプの家電製品の音による問題、及び風力発電設備周辺では変動騒音並びに超・低周波音による健康被害が強い関心事になっている。以下に現在発生している騒音問題と超・低周波音による健康被害の現状について記す。
工場・プラントの音、振動低減に用いる音響材料とその工法
福原 博篤 株式会社エーアール代表/瀋陽薬科大学教授
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 環境省の平成23 年度環境白書の中で騒音振動の苦情をみると、建設作業が約32%に対し、工場・事業場は30%弱と相変わらず高い比率を占めている。工場・事業場は大規模なものから小規模なものまであるが、特に中小企業事業所からの苦情はなかなか減る傾向にない。工場等施設からの騒音振動低減のための材料は、多種類開発され、使用されてきているものの、基本的には音響理論、原理に基づき、原則低減量は決定される。ここでは音振動低減のために使用されている各種材料の組み合わせにより、効率のよい実際的な使われ方を例示し、その効果について述べる。
公益社団法人 日本騒音制御工学会の役割など
井上 保雄 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング技術本部技師長/公益社団法人日本騒音制御工学会(INCE/J)副会長
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 公益社団法人日本騒音制御工学会(Institute of Noise Control Engineering Japan)は騒音・振動及びその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り、もって生活環境の保全と向上に寄与することを目的に1976 年(昭和51年)に設立された団体である。以来、研究発表会の開催、学会誌の刊行、技術講習会の開催、関連図書の出版、受託調査研究等の活動を通して、社会に貢献している。
 ここでは騒音問題の概説、本学会の組織、主な事業活動等について紹介する。

<報告>

公益社団法人 日本騒音制御工学会の役割など
大岡 健三 一般社団法人産業環境管理協会出版・広報センター所長
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 取材した印刷工場では、印刷インクや機械の洗浄剤など有害物質を含むものは極力使用しない。環境負荷の少ない、節水機能のある設備を導入する。操作や維持管理が簡単な水処理設備を導入し、凝集沈殿や汚泥脱水などに最適かつ最少限の薬剤のみ使用、など徹底した管理がなされていた。
 水質汚濁防止法の規制を受けない小規模の廃水処理プロセスを取材したが、入口から、製造プロセス、出口まで合理的な公害防止対策が実施されていた。

<シリーズ>

【新・環境法シリーズ/第18回】銀行の融資とエクエーター原則
殖田 亮介 みずほコーポレート銀行グローバルストラクチャードファイナンス営業部グローバル環境室 室長
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 エクエーター原則は、2003年6月に発足した民間金融機関の環境・社会配慮に関する自主ガイドライン。銀行はプロジェクトファイナンスでの融資を実施する際に、事業者が同原則の基準に則って自然環境と地域社会に配慮することを要求する。エクエーター原則は、「資金の流れが環境・社会に配慮したプロジェクトにのみ向かうことを実現する仕組みである」ともいえる。同原則は発足してまだ10年であるが、事実上プロジェクトファイナンスにおける民間金融機関の環境・社会リスク管理のグローバルスタンダードとなっている。
【環境法 法令違反から学ぶCSR経営/第13回】ダイオキシン類による土壌汚染と事業者の責任
渡辺 敦子 弁護士/日本CSR普及協会・環境法専門委員会委員
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 ダイオキシン対策特別措置法は、環境汚染の防止とその除去のため、ダイオキシン類による土壌汚染の環境基準(土壌1,000pg-TEQ/g 以下)を設定し(法7)、このダイオキシン類土壌環境基準を満たさない土壌については、都道府県知事が、当該地域を土壌汚染対策地域と指定したうえ(法29)、汚染土壌の除去を行う土壌汚染対策計画を定めこれを実施する(法31)。そして、対策事業費用は公害防止事業費事業者負担法により、「公害の原因となる事業活動を行う事業者」が負担する。東京高等裁判所平成20年8月20日判決の事案は、親会社が、ダイオキシン類を使用していた化学薬品工場を操業する子会社清算の過程において、ダイオキシン類を地中に排出したが、その後、当該親会社と合併して発足した会社が、ここでいう事業者に該当するとして、11億円を超える事業費を負担することになった事例である。
【先読み! 環境法/第11回】地球温暖化対策推進法改正および排出抑制等指針改正
小幡雅男 神奈川大学大学院法務研究科/国際基督教大学教養学部 講師
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①製造業を地球温暖化対策推進法第21条に基づく排出抑制等指針に追加
②地球温暖化対策推進法の改正と当面の地球温暖化対策に関する方針
③建築物の解体時等における石綿の飛散防止対策の更なる強化を求めた大気汚染防止法の改正案
【実践マテリアルフローコスト会計91】MFCAに活用できるエネルギー計測と管理手法の検討
清水 敬祐 株式会社ミツバ環境分析リサーチ 常務取締役石川 智治 株式会社 ミツバ環境分析リサーチ 調査・ソリューション部 次長
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 筆者らは、工場における廃棄物削減、総排水量の削減に加え、CO2排出量の削減にかかわる手法について指導を行ってきたが、最近では、エネルギー消費量削減についてのニーズが高まり省エネに関する支援が増えている。しかし、工場全体のエネルギー消費量を消費の多いユーティリティレベルに分類し、運用改善や老朽更新にあわせた設備の入れ替えなどを助言する方法に支援の限界を感じていた。
本稿は従来の省エネ診断手法に生産工程で消費する電力や熱量の計測を行い、エネルギーロスを明らかにするとともに、MFCAの考え方を導入して省エネ改善を提案した事例とMFCA活用の可能性について報告する。
【環境法改正情報】(2013年3月改正分)
見目 善弘 見目エコ・サポート代表
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・省エネルギー法
・特化則
・小型家電リサイクル法
・廃棄物処理法
・大気汚染防止法
・農薬取締法
・化審法
・労働安全衛生法
・環境基本法
・容器包装リサイクル法
・再生エネルギー特措法
・消防法
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