環境管理バックナンバー 2010年 7月号

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2010年7月号 特集:スマートグリッドが創出するビジネス

<特集>

動きだした日本のスマートグリッド―集中/分散のエネルギーマネジメント
荻本和彦 東京大学生産技術研究所人間・社会系部門エネルギー工学連携研究センター特任教授
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 スマートグリッドの電力技術としての革新的要素である集中/分散のエネルギーマネジメントの協調の,エネルギー技術戦略の位置付け, および再生可能エネルギー導入などの電力システムへの影響による課題の解決の考え方について述べる。また, スマートグリッドの実証試験などの取り組み状況を概観し, 「スマート」なエネルギー・社会システムの発展までを視野に入れ, 価値観の変化から新しいニーズが生まれ, 新しい技術の開発・導入と制度の改変が並行して進むことによる産業への影響, ビジネスチャンスについて解説する。

低炭素化に向けた電力会社の取り組みとスマートグリッド
八巻 康一郎 東京電力株式会社技術部スマートグリッド戦略グループ主任,岡本 浩 東京電力株式会社技術部スマートグリッド戦略グループマネージャー
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 電力会社は発電側,需要側,電力系統の一体的な整備・運用を担っていることから,発電側における低炭素化,需要側における高効率電気機器の開発・普及による低炭素化(省エネ)といった需給両面からの取組みに加え,それらをつなぐ電力系統のスマート化により(スマートグリッド),社会の低炭素化を推進している。本稿では,これらの取り組みについて概説する。

スマートグリッドでIT企業が提供する解決策
川井秀之 日本アイ・ビー・エム株式会社未来価値創造事業クラウド&スマータープラネット事業推進 スマートグリッドソリューション部長
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 本稿は,まずIBMが海外で実施している約50件のスマートグリッドのプロジェクト事例の一部を示し,地域のエネルギー課題の明確化の必要性について論ずる。次にIBMが実施したエネルギーに関しての消費者調査にて予測される今後10年のスマートグリッドのビジョンとスマートグリッドのバリューチェーンを説明する。最後にスマートグリッドのプロジェクトにて実際にIT企業が提供している解決策(ソリューション)を論じ,海外でのスマートグリッド・プロジェクトでビジネス展開を検討している企業への提言を行う。

既存住宅向けスマートハウス実証実験の概要
飯島雅人 株式会社ミサワホーム総合研究所主任研究員
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 住宅の省エネには建物の性能向上が必須であり、建築技術と制御技術を組み合わせることで一層省エネなスマートハウスを実現できる。さらに、スマートハウスの本格的普及には既存建物へのシステム導入が容易であることが不可欠である。また、近年導入が進む太陽光発電や蓄電池等を効率良く使いこなす仕組みが必要となりつつある。スマートハウス実証プロジェクトでは、こうした状況を想定してシステム設計を行い、既存住宅において幾つかのアプリケーションの実証実験を行い、ほぼ目論み通りの良好な結果が得られたので、その概要についてご紹介する

<総説>

三井住友銀行の環境ビジネスへの取り組み
中島雅樹 株式会社三井住友銀行経営企画部CSR室上席室長代理
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 三井住友銀行は,環境問題について,我々が金融機関としての機能を最大限に発揮し,本業を通じて社会的責任を最も効果的に果たせる分野と考え,近年特に力を入れて取り組んできている。当行は環境問題への取組みが企業としての存続に必須の要件であることを認識し,当行の環境方針にて良き企業市民としての理想像を目指し,地球環境保全および汚染の予防と,企業活動との調和のため,継続的な取り組みを行うことを定めている。今月以降2回にわたって,当行の環境ビジネスへの具体的取り組み事例を紹介させていただきたい。

<シリーズ>

【環境法の新潮流77】大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の改正と新しい課題
本間 勝 明海大学不動産学部講師
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 今回の大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律の背景には,近年の事業者による排出基準超過データの改ざん等の不適正事案や河川の水質事故が多く発生したこと,といった法遵守の問題がある。しかし,今回の着目すべき背景は,近年の環境問題の多様化がみられる中で,経験ある公害防止担当者の大量退職等により,事業者並びに地方自治体の公害防止業務が構造的に変化していること,といった制度制定以降初めて直面する深刻な課題などがある。本稿では,その具体的課題についても言及する。

【実践マテリアルフローコスト会計58】「現場主体型」と「マクロ分析」のMFCAでコスト・排出物削減活動
佐久間清一 長浜キヤノン株式会社総合企画部部長
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 生産拡大に伴い増加する環境負荷の低減,資源生産性の追求による経営貢献を目的に2005年よりマテリアルフローコスト会計MFCA)を導入している。環境負荷の発生する加工職場ではMFCA定着のために現場自らが運用主体となるかたちで順次導入した。情報技術(IT)を駆使し分析負荷を軽減するなどの工夫で,今年度末までに全16種ある加工職場すべての展開を完了させる予定である。一方,加工職場以外の部門(組立・物流・間接職場等)には「マクロ分析 MFCA」を取り入れた。 これは出された排出物から出どころの職場に遡る手法で,すべての部門の資源ロスを顕在化している。今後の課題は上流遡求とサプライチェーン展開と捉えており,その活動と展望について報告する。

【日本の環境学部4】法政大学
長峰 登記夫 法政大学人間環境学部教授
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 法政大学は1999年の「人間環境学部」設立を契機に、以来十数年にわたり「グリーン・ユニバーシティ」の実現に向けて活動している。総合大学としての特色を生かした環境教育や、積極的に行われるキャンパスでの環境保全活動。どちらの背景にも社会と人間のあり方を根本から考えるというテーマがある。「人間環境学」や環境活動を通じて、学生は何を学び、どのような人材に育っていくのか。法政大学人間環境学部の長峰登記夫教授に聞いた。

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