環境管理バックナンバー 2024年 2月号

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2024年2月号 特集1:最近の環境問題における LCA の展開/特集2:弁護士座談会

<特集1>

カーボンフットプリントなどLCAを取り巻く 近年の状況変化
髙畠 大樹(経済産業省 産業技術環境局 GX推進企画室)
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世界全体でカーボンニュートラル目標を表明する国・地域が増加している中で、サプライチェーン全体での脱炭素化が求められている。カーボンニュートラル実現に向けて、グリーン製品が選択されるような市場を創出するためにも、その基盤としてCFPの見える化の仕組みは不可欠である。CFPレポート及びCFPガイドラインで示した方向性を踏まえ、各企業によるLCA の取組が非常に重要になると考えている。
持続可能性社会に向けてのLCAの役割〜ISOを中心に〜
稲葉 敦(一般社団法人日本LCA 推進機構 理事長)
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「カーボンニュートラル」に向けて、製品や組織の温室効果ガス(GHG)排出量のライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた算出が注目されている。製品のLCAの実施方法はISO14040:2006及びISO14044:2006として発行されているが、GHGの気候変動への影響だけを評価するカーボンフットプリント(CFP)の実施方法は、ISO14067:2018により精緻化されている。企業などの組織のCFP算定についてもISO規格が存在するが、むしろ「GHG Protocol」が発行する「Scope3基準」がデファクトとして多くの企業で利用されている。
一方で、持続可能性社会に向けて、気候変動を中心とした「環境」の評価だけでなく、「経済」と「社会」に関するISO規格が発行されるようになった。環境影響を経済価値に換算する方法を示すISO14008:2019が発行され、製品の社会的側面を評価するソーシャルLCA(ISO14075)の開発が始まった。また、金融機関の気候変動への取り組みを示すISO14097:2021やISO14100:2022があり、さらにISO/TC322:サステナブルファイナンスが2018年に設立されている。持続可能性に向けたLCAの今後の展開の方向性を注視する必要がある。
Nature Positive/生物多様性の定量評価におけるLCAの役割
朽網 道徳(環境省 自然環境局自然環境計画課 生物多様性主流化室 室長補佐)伊坪 徳宏(早稲田大学理工学術院 教授)
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生物多様性に関する2030年に向けた世界目標が採択され、その中でビジネス活動の役割の重要性が再認識された。2030年ミッションとして謳われたネイチャーポジティブの世界を実現するためには、ビジネスや経済の変革が必要不可欠となる。そのためには、事業活動が生物多様性に与える負荷をサプライチェーンやバリューチェーンを通じて定量的に把握し、削減目標を設定し、さらに具体的な行動を継続的に実施することが重要である。一方で生物多様性への負荷の定量評価については共通の理解が得られていないのが現状である。
ここでは、評価方法の一つとして、ライフサイクルアセスメント(LIME、エコロジカルフットプリント等)を活用した方法について紹介する。
LCA による資源循環の評価方法
中谷 隼(東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 准教授)
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循環経済や資源循環に対して、温室効果ガスを含む環境負荷の削減に対する貢献が期待されている。しかし、リサイクルなどの資源循環によって常に環境負荷が削減されるとは限らず、リサイクルは本当に環境負荷を削減するのか、どういったリサイクルであれば環境負荷を削減できるのか、客観的かつ定量的に示す必要がある。本稿では、ライフサイクルアセスメント(LCA)による資源循環の評価方法として、カットオフ法および負荷回避法について解説する。リサイクルの2つの側面、すなわち製品の使用後にリサイクルすることと、製品にリサイクル原料を利用することに着目し、それぞれの評価方法について述べる。

<特集2>

環境法専門弁護士座談会(第2回) 廃棄物と循環型社会
本誌編集部
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本誌連載の「弁護士からみた環境問題の深層」は、日本CSR推進協会(旧・日本CSR普及協会)・環境法専門委員会所属の弁護士の先生方によるものである。法解釈や訴訟事例などを交えた貴重な解説記事である。先月号に続き、8名の弁護士の皆様による座談会記事を掲載する。第2回目のテーマは「廃棄物と循環型社会」である。廃棄物処理法は昔から「難解」と言われる法律の1つで、「有価物か廃棄物か」、は特に重要な論点である。そこに循環型社会が入ることで、「廃棄物処理か、リサイクルか」、も新たな争点になって来ている。

<報告>

「令和5年度リデュース・リユース・リサイクル 推進功労者等表彰」の実施報告
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会事務局(一般社団法人産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター)
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一般社団法人産業環境管理協会が事務局を務めるリデュース・リユース・リサイクル推進協議会は、循環型社会の形成に向け、長年、資源のリデュース・リユース・リサイクル(3 R)・資源循環に率先して取り組み、資源の有効利用、環境への負荷の低減に継続的な活動を通じて顕著な実績を挙げている個人・グループ・学校・事業所・地方公共団体等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」を実施している。
使用済み紙おむつの再資源化を通じて地域における廃棄物の削減と再資源化に貢献する
中野 勇(社会福祉法人 勇樹会 理事長)
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当法人では、施設で使われた紙おむつをペレット燃料として再資源化し、給湯用ボイラーで使用している。使用済み紙おむつは水分を含んで重く、一般的な廃棄物より運搬・焼却時の労力、コスト、排出されるCO2量が多いため、再資源化は今後必要不可欠であると考える。このような中、社会貢献の一環として「勇樹会リサイクル研究所」を設立(図1)、全国で唯一の(本稿執筆時点)、再資源化から利用までの法人内循環を実現した。これまでに110トンの紙おむつを再資源化し、廃棄物を減らし環境負荷の軽減に携わってきた。さらに地域の木くずや剪定枝も受け入れ、ペレット燃料に混合することで再資源化し、廃棄物の削減や地域課題の解決に貢献している。
令和5年度(第53回) 公害防止管理者等国家試験結果について
公害防止管理者試験センター(一般社団法人産業環境管理協会)
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令和5年度(第53回)公害防止管理者等国家試験結果について

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える63】COP28の成果と宿題
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授)
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2023年は観測史上最も気温が高い1年となり、気候変動問題への関心は高まる一方だ。COP28への参加登録者数は7万人を超えたという。筆者がこの交渉プロセスに参加し始めたのは15年近く前になるが、その時は政府間交渉の場としての意義が大きく、これほど多様なステークホルダーが参加するイベントになるとは想像しなかった。
5年に1度のグローバル・ストックテイク(GST;パリ協定の目的および長期的な目標の達成に向けた全体としての進捗状況の評価)が初めて行われることもあり、注目を集めたCOP28はどのような成果を上げ、どのような宿題を残したのかを考えてみたい。

【弁護士からみた環境問題の深層/第38回】EU における循環経済への移行のための法政策と我が国への影響と示唆
町野 静(弁護士法人イノベンティア 弁護士/日本CSR 推進協会・環境法専門委員会委員)
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昨今、先進国を中心として循環経済への移行を進めるべきという流れがあり、日本もまたその潮流の中にある。そのための法政策の先陣をきっているのがEUであり、新たな指令や規則を作ったり、既存のものを改正する方法により製品仕様の規制、特定の製品の上市規制、ラベルによる情報提供義務といった多方面からの規制を導入し、あるいは今後導入しようとしている。
製品の製造や上市にもフォーカスを当てて製品のライフサイクル全体での資源循環を目指すEUの規制は、日本における今後の取組においても参考になるところが多いと考えられる。
【環境コンサルタントの 法令判断/第95回】消防法基礎 危険物等、それぞれの定義と保管基準を適切に理解する
佐藤健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部コンサルタント/マネージャー)
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今回は、消防法について取り扱います。消防法では発火性や引火性のある危険物を保管する際に規制がかかります。これらの保管基準は、事業所の従業員全員が理解していなければなりません。なぜなら、消防法の保管基準などは従業員の命や会社の資産を火災から守るための最低限のルールだからです。
製造現場や保管場所などを実際に監査してみると「事業所内の一部門で購入した薬品などの資材が危険物に該当し、管理部門の知らぬ間に指定数量を超過している」というようなケースも珍しくありません。工場火災で犠牲者が発生した場合など、法令違反があると工場の責任者に重い刑事罰が科されることもあります。危険物など規制対象物質の保管に絞って、基本的な内容を整理していきます。

【環境担当者のための基礎知識/第71回】水身近な化学物質が思わぬ健康被害を与える ― 生物濃縮の解説と米国の裁判の近況を報告―
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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本年新たに輸入禁止になるPFHxS(有機フッ素化合物PFAS)が注目されている。PFASに関連する地下水汚染などの事例を紹介し、有害な化学物質と健康リスクの基本的事項を解説する。水俣病やイタイイタイ病の原因となった重金属の汚染と生物濃縮について述べ、デュポンやスリーエム社など米国のPFAS裁判も概観する。本稿を読むと、身近な化学製品、特に事業所で取り扱っている各物質のSDSを確認し、法令を順守して適切に使用・保管して廃棄することが不可欠になっている状況が理解できる。
【新・環境法シリーズ/第144回】環境条約の目的実現過程・再論 ─ 日本におけるワシントン条約の実施に焦点をあてて─(上)
鶴田 順(明治学院大学 法学部 准教授)
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本稿は、環境条約が設定した目的の実現に向けた動態的な過程の一つの場面・過程を担う条約の国内実施について、日本における実施にしぼって、また条約規範をふまえた国内法の整備(国内法化)の局面に焦点をあてて、次の二つの点を具体的に検討・整理する。第一に、環境条約の国内実施の「国内法化」の局面を条約目的の実現に重きをおいて観察し、日本における環境条約の実施を既存の法律あるいは新規立法で図ろうとすることのそれぞれの意義と問題点などを整理する。第二に、条約の国内実施の「国内法化」の局面を動態的視点で観察し、日本における環境条約の実施における「時の経過」への考慮や対応についての現状と課題を整理する。
【先読み! 環境法/第140回】COP28の結果
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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2023年11月30日から12月13日にドバイにおいて、開催されたCOP28の結果について解説する。また、2023年3月31日に策定された「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」について解説する。
1 COP28の結果
2 公正取引委員会の2023年3月31日策定「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」
環境法改正情報(2023年12月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆毒劇法関係
◆労働安全衛生法関係
◆地球温暖化対策推進法関係(1)(2)
◆官報法関係
◆省エネ法関係
◆消防法関係(1)(2)
◆化審法関係
◆化管法関係(1)〜(3)
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