環境管理バックナンバー 2016年 3月号

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2016年 3月号 特集:3.11東日本大震災と危機管理/ここまで進んだ簡易測定分析の技術

<巻頭特集>

日頃の備えと命がけの誘導で全員避難 ── 日本製紙の危機管理
本誌編集部
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 本誌1 月号に掲載した仙台市役所の「震災復興」取材記事に続き、宮城県石巻市にある日本製紙(株)石巻工場の事例を紹介する。工場は津波の直撃を受け壊滅したが直前に避難することができ、1,306 人全員が無事であった。この事例は今後の貴重な教訓となるだろう。
あの日、大川小学校で 何が起きたのか? ── 危機管理の徹底と「三次避難」の重要性
本誌編集部
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 2011 年3月11日、東北地方太平洋沖にマグニチュード9.0という未曽有の大地震が起こった。それに伴い発生した巨大な津波は多くの犠牲者を生み、沿岸の地域に壊滅的な被害を与えた。
 中でも宮城県石巻市の大川小学校では、校庭にいた児童76名のうち72名、教職員11名のうち10名死亡という多くの犠牲者を出した。多くの学校が被害に遭う中、ここまで大きな犠牲が出たのは大川小学校だけである。この悲劇が「なぜ起きたのか」という原因究明
と再発防止のために検証委員会が開かれ、「大川小学校事故検証報告書」( 以下、「報告書」)がまとめられた。報告書の冒頭で「この事故は決して大川小のみの特殊なものではなく、また起こり得る事故である。だからこそ、そこからの教訓を最大限に引き出して今後の防災対策につなげていくことが、失われた命に報いることとなる」と述べている。
 本稿では報告書を主に抜粋引用し、新聞・書籍、各種資料などの公開情報を参考にして事件の経緯とポイントを報告する。
除染推進活動の状況 ――東京電力福島復興本社除染推進室における取り組み
高野 隆彦 東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染企画グループ伊藤 圭  東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染企画グループグループマネージャー瀧澤 孝一 東京電力株式会社 福島復興本社 除染推進室 除染技術開発担当
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 東京電力(株)は、国・市町村が実施する放射性物質に汚染された土壌等の除染に、事故の当事者として人的・技術的協力を実施している。モニタリングや除染事業への協力に加え、適切な除染実現のための各種技術を網羅的に集積、検討、開発し、除染現場に適用している(放射線理解促進ツールの開発、個人線量計測技術の開発、除染効果解析プログラムの開発と活用、移動型モニタリングの開発、指向性モニタリングの開発等)。累計活動人数は2015年末現在で14万人を超えるが、いまだ取り組むべき課題も多く残されており、引き続き協力を実施していく。

<特集>

簡易計測器の活用による排水管理
小川 清 東亜ディーケーケー株式会社 営業企画部
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 工場など事業場からの排水を対象として水質汚濁防止法に基づく排水基準が定められている。その測定方法は法令で詳細に規定されているが、その手法は精度に重点が置かれ迅速性に欠ける。一方、排水管理の観点で、事業者は水質異常を迅速に検知して対処したい。もしこちらが目的であれば、法に基づいて定められた測定方法(公定法)にこだわる必要はなく、迅速性に重点を置いた手法を用いることが得策となる場合もある。そのような目的で使用されている簡易計測器も多い。これより簡易計測器をいくつか例示し、公定法との相違点などを概説し、その活用方法についても言及する。
排水処理における簡易分析法の 活用とそのポイント――表面処理業排水を例にして
上田 実 株式会社 共立理化学研究所 開発部
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 簡易な水質分析法を活用することにより、工場等において効率的に排水管理を行なうことが可能である。しかし、簡易分析法でただ測定するのではなく、測定結果から何がわかるか、その結果、どのように排水処理を改善すればよいかを念頭に置きながら測定を行なう必要がある。また、簡易分析法で有効な結果を得るには、注意すべき点がある。本稿では、表面処理業(めっき)排水測定を例に簡易分析法活用のポイントを解説する。
検知管式気体測定器を用いた 簡易測定法の解説
大工 公敏 株式会社 ガステック 営業二部営業開発課 課長
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 温暖化やオゾン層の破壊など地球規模の環境問題が叫ばれ、また身近なところではシックハウス症候群、排ガスによる大気汚染、さらに工場排水や化学物質による土壌・水質汚染などの問題が各地で発生している。これらの対策を講じるには、正確な測定が第一歩となる。当社は、製造業の労働安全や環境衛生を出発点とし、気体などの簡易測定の技術向上に取り組んでいる。本稿では最初に検知管の測定原理を解説し、作業環境や室内環境の測定、土壌・地下水汚染調査方法について触れる。いずれも複雑な機器などが不要であり、簡単・正確・スピーディーな簡易測定手法である。

<総説>

苫小牧CCS 実証試験
澤田 嘉弘 日本CCS調査株式会社 常務取締役 プラント本部長田中 豊  日本CCS調査株式会社 技術企画部長
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 地球温暖化対策の切り札として期待されるCCSの実証試験が2016年4月から北海道苫小牧市にて開始される予定である。本実証試験は、CCSの実用化段階に近い、二酸化炭素(CO2)を年間10万t以上の規模で分離・回収、輸送、圧入・貯留しCCSのトータルシステムを実証するものであり、CO2を陸上から掘削された坑井により、海底下の深部塩水層に貯留する計画である。実証試験のための坑井や地上設備の建設は終了し、現在試運転中である。本実証試験の概要、目的、課題について述べる。

<報告>

冷凍ビーフカツ不正横流し事件 続報
本誌編集部
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 カレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋(愛知県一宮市)が廃棄を依頼した冷凍カツが不正に横流しされた事件が波紋を呼んでいる。2月号からの続報をまとめた。
有機顔料中に副生するPCB
本誌編集部
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 平成23年1月、非意図的に生成した微量のPCBがある種の顔料に含まれる可能性が国際団体により公表された。その後、国内でもPCB含有の顔料が実際に確認された。顔料とは着色に用いる粉末で水や油に不溶なものの総称。このうち、有機顔料は有機化合物を成分とする顔料で、色彩の種類が多い。有機顔料の主な用途として、印刷インキ、塗料、画材、クレヨン、さらに繊維・樹脂・ゴム・紙用着色などがある。これらの顔料から微量PCBが検出されことで関連業界では大きな問題となった。
 この問題に関して非公開で実施した計7回のヒアリングなどを含め合計10回の会合における検討結果をまとめた報告、「有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する報告書」を平成28年1月29日に公表した。
 本稿では報告案に対するパブリックコメント抜粋を最初に掲載する。「利用可能な最良の技術」BATについての活用方法が記載されているなど非常に興味深い報告書である。

<シリーズ>

【新・環境法シリーズ49】スコットランド土地利用戦略と エコシステムアプローチ
古川 勉 東京都市大学 環境学部 准教授
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 生物多様性条約のもとで採用された行動指針であるエコシステムアプローチは、行政界とは異なる生態系の範囲内の生物多様性の保全と利用について、利害関係者等が意思決定を行っていく制度の構築を求めている。法的拘束力を有しないこのアプローチを、スコットランド政府は、気候変動法に基づく土地利用戦略において積極的に導入している。本稿では、この導入のあり方を具体的に検証した。スコットランド土地利用戦略が、エコシステムアプローチの求める制度構築に向かいつつあることを確認した上で、その一層の実施に向けての課題について展望した。

【まるごとわかる環境法7】化管法(PRTR法)(前編)
見目 善弘 見目エコ・サポート代表
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第7回は化管法(PRTR法)(前編)
 1.いま、どのくらいの種類の化学物質があるのでしょうか?
 2.化学物質にはどんなリスクがあるのでしょうか?
 3.わが国の化学物質に関する法律はどのようなものでしょうか?
【先読み!環境法45】再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直し
小幡 雅男 神奈川大学大学院 法務研究科 講師
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 再生可能エネルギー発電のうち太陽光発電の買取費用が急増し、約1. 8兆円に達した。そこで国民負担の抑制とコスト効率的な導入を促進するため、一部入札制度を導入する法改正案が提出される予定である。その概要を解説する。ほか、二つの動きについて紹介する。

❶ 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直し
❷ 遺伝子組み換え生物等専門委員会の行方と合成生物学の扱い
❸ 気候変動長期戦略懇談会提言骨子案(案)

【環境法改正情報】(2016年1月改正分)
見目 善弘 見目エコ・サポート代表
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◉ 廃棄物処理法
◉ 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律

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