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環境管理バックナンバー 2009年 7月号
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2009年7月号 特集:「改正土壌汚染対策法」ポイントとその対応
<特集>
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土壌汚染対策法の改正のポイント―現行法との比較検討から
柳 憲一郎 明治大学法科大学院教授 ▼概要文表示 -
平成15年2月に施行された土壌汚染対策法の改正法が,本年4月に国会で可決成立した。具体的な政省令はいまだ明らかではないが,本稿では,現行法の概要と改正法のポイントを,1)土壌汚染状況の把握のための制度の拡充(調査契機の拡大),2)規制対象区域の分類等による講ずべき措置の内容の明確化(規制対象区域の2分類),3)汚染土壌の適正処理の確保(搬出土壌の処理業許可制度の導入),4)その他(指定調査機関の更新制),等について素描しつつ紹介するものである。
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土壌汚染対策法の改正をふまえた東京都における対応と課題
石原 肇 東京都環境局都市地球環境部環境都市づくり課長(前・環境改善部土壌地下水汚染対策担当課長) ▼概要文表示 -
「土壌汚染対策法」が改正され,2010年4月1日までに施行されることとなった。東京都では,2003年2月に現行法が施行される以前の2001年10月から「環境確保条例」に基づく土壌汚染対策に関する規定を施行し,既に8年近くが経過している。引き続き土壌汚染対策を円滑に促進するためには,改正法の施行にあたって,条例の運用も含めた土壌汚染対策に関する制度全般の移行のための準備が必要と考えられる。本稿では,東京都におけるこれまでの土壌汚染対策に関する取り組みと改正法をふまえた今後の対応と課題について記す。
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法改正が土地取引に与える影響
太田秀夫 中央大学法科大学院特任教授・弁護士 ▼概要文表示 -
土壌汚染対策法(土対法)の改正では,調査契機として大規模土地の開発が加えられた。このため,東京都や大阪府など同様な条例を有する自治体は別として、そのような制度がこれまでにない自治体における土地形質変更を伴う大規模な土地取引には大きな影響が出ることが予想される。土地取引の計画にあたって,こうした自治体における審査期間は十分配慮されるべきである。ことにその土地開発において公共施設等の設置を伴うときは一層注意を要する。指定区域を「要措置区域」と「形質変更時要届出区域」に細分化した点については,基準値を超えたときでも直ちに健康被害のおそれを及ぼすものではないということを法律上一層明確にしたという意味で,現行の土対法と比較して,土地取引においてプラスの側面ともいえる。しかし,土地の流動性が高まるなか,とりわけ形質変更時要届出区域についての流通性は土壌汚染に対する社会意識と今後のリスクコミュニケーションの内容及び充実によるところが大きい。なお,改正法でいわゆる自主調査を土対法の中に取り込むことにしたが,「基準値を超えた場合の区域の指定申請」に限定されるのであれば,土地取引の当事者にとってメリットはあまり期待できない。
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資産除去債務会計の導入と財務報告における土壌汚染情報の開示
光成美樹 みずほ情報総研株式会社 環境・資源エネルギー部 チーフコンサルタント ▼概要文表示 -
国際会計基準との収斂プロジェクトのもと2008年3月に公表され,2010年度から適用される「資産除去債務に関する会計基準」において,企業は土壌汚染についてどのような情報を開示する必要があるのか。改正土壌汚染対策法を踏まえた開示情報を整理するとともに,現時点と同会計基準適用後の財務諸表における土壌汚染情報について,現在の開示事例等を紹介し検討する。また,欧米企業の土壌汚染に関わる環境債務の情報開示事例や国際会計基準での会計処理の方向性を概説し,開示に関わる課題や最近の議論を紹介する。
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わが国の「土壌汚染対策」の動向―自然由来の重金属を含有する土への対策を中心として
嘉門雅史 国立高松工業高等専門学校校長・京都大学名誉教授 ▼概要文表示 -
平成15年に施行された土壌汚染対策法は5年余りを経過して数多くの調査対策事例を得ているが,それとともに課題も明白になった。それらの状況分析に基づいて,平成21年4月17日に改正法が国会成立し,平成22年4月に施行されることになっている。今回の改正で搬出汚染土に関する管理の徹底が盛り込まれたことから,この点を中心に解説する。特に,建設リサイクルで今なお課題とされる建設発生土の有効利用に際して,自然由来の重金属を含む土は含有量や溶出量と環境基準との関連で課題が多い。その取扱指針として作成中であるマニュアルの概要を紹介する。
<総説>
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平成20年度経済産業省委託"製品LCAデータベースに関する実態調査事業"について
石塚明克 一般社団法人産業環境管理協会製品環境情報事業センター技術参与 ▼概要文表示 -
地球温暖化,資源・エネルギー使用制約などの環境問題を背景として,環境負荷の定量的評価の面からLCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルにわたる環境影響評価)の手法が注目されている。本調査は,製品環境情報の見える化や環境適合設計の導入促進とともに,国際的な製品環境情報を取り巻く動向に対応していくことを目的として,国内外のLCAデータベースを取り巻く実態と国内企業等のニーズの把握を行い,課題及び今後の方向性について取りまとめたものである。
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平成21年版環境・循環型社会・生物多様性白書の概要
環境省総合環境政策局環境計画課 ▼概要文表示 -
二酸化炭素(CO₂)濃度の上昇や生態系の劣化,資源や水の不足などの問題を抱え,人類は,持続可能な社会を築けるかどうかの岐路にある。有限な地球の上で営まれている経済社会活動を,物質やエネルギーの循環,健全な生態系といった地球全体のシステムに収まるように変えていかなくてはならない。そのためには,環境的価値が的確に経済に反映され,環境と経済が互いに助け合うような形を作ることが必要。経済のあり方を地球環境の健全な一部となるようなものに転換するに当たっては,日本こそ,いち早く環境と経済が持続的に発展する社会をつくり,世界をリードできる国である。
<シリーズ>
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【環境法の新潮流65】改正土壌汚染対策法の概要と課題
大坂恵里 東洋大学法学部准教授 ▼概要文表示 -
市街地土壌汚染の状況調査と対策を規定した土壌汚染対策法がこの4月に改正された。今般の改正は,1)土壌汚染の状況を把握するための制度の拡充,2)規制対象区域の分類等による講ずべき措置の内容の明確化等,3)搬出土壌の適正処理の確保,4)指定調査機関の信頼性の向上を主な目的としたものであり,これらにより土壌汚染情報の収集・公開が促進されることも期待される。もっとも,複数の重要課題が今なお残されている。とりわけ,ブラウンフィールド問題については,早急に法的な対応を実施していくことが求められよう。
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【実践マテリアルフローコスト会計46】MFCA活用によるグループ全体での資源生産性向上への挑戦
原田聖明 オムロン株式会社ものづくり革新本部品質・環境センタ ▼概要文表示 -
マテリアルフローコスト会計(MFCA)導入モデル工場:オムロン倉吉(株)は,スイッチの部品工程にMFCAを導入し,オムロングループとして資源生産性向上への第1歩を踏み出すことができた。オムロングループでは,MFCAを活用し材料のロスを物量と金額の両面で定量的に見える化したことで,マテリアルロス削減とコスト削減という「環境と経済の両立」を実現することができた。MFCA導入により,「見えているつもりでいたものが,いかに定量化できていないか」,「当たり前と思っていたものがいかに大きな“ロス”を内在しているか」に気づいたことが一番の収穫だった。しかしながら,MFCA導入・展開するにあたり,MFCA分析に必要なデータ収集においてそれなりの負荷があることも分かった。モデル工場での導入事例を紹介するとともに,MFCAを活用した資源生産性向上の取り組みと今後の展開について説明する。