環境管理バックナンバー 2019年 7月号

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2019年7月号 特集:企業が取り組む廃棄物処理リスクへの対応

<レポート>

G20 エネルギー・環境関係閣僚会合
本誌編集部
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 持続可能な成長へのエネルギー転換と地球環境に関するG20のエネルギー・環境関係閣僚会合が、軽井沢プリンスホテルにて開催され、2019 年6月15、16日の予定を終えて閉幕した。この閣僚会合は6 月下旬に大阪で行うG20サミットに伴って実施されたもので、新興国と途上国を含むG20メンバー国をすべて合わせると、世界のGDPの約86%(2017)、GHG排出量の約77%(2015)、エネルギー消費量の約78%(2017)、人口の約63%(2017)を占めるという。
 日米欧と新興国の20 か国・地域による閣僚会合は海洋プラスチックごみ削減に向けた国際枠組みの構築に合意した。本レポートでは、特に海洋プラスチックごみに関する新しい枠組みについて簡単に報告し、関係閣僚会合のサイドイベントである「G20イノベーション展」についてもレポートする。

<特集>

排ガスの基準超過で焼却炉ストップ――焼却施設に対する行政指導や命令への抗議とその後の経緯
本誌編集部
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 新潟県の立ち入り検査でごみ焼却炉の排ガスから基準超過のダイオキシン類濃度が検出された。そのため事業者は焼却施設1号炉を翌日から停止せざるを得なくなった。施設改善や焼却停止など県の指導に対し施設管理者が「違法かつ不当な行為」と強く抗議した。行政指導が命令になり厳しい処分になったが、2019 年6 月に命令は解除された。本件は焼却炉のバグフィルター集塵機のろ布交換など、日頃の維持管理がいかに重要かを示唆する興味深い事例である。
水質汚濁防止法と廃棄物処理法――バイオプラザなごや事件をとおして
芝田 麻里(芝田総合法律事務所 弁護士)
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 2019 年1 月24 日に、「国内最大級」とされる食品リサイクル施設「バイオプラザなごや」の運営会社「熊本清掃社」の代表者及び同施設の工場責任者が逮捕されるという事件があった。事件は、代表者ら及び会社の有罪判決(代表者懲役6か月執行猶予付き、工場責任者罰金50 万円、会社罰金50万円)を受けることによって終結した。この事件を通じて、水質汚濁防止法と廃棄物処理法、及びその関係についてみていきたい。
激動の資源循環業界――中国ショックと国内静脈産業の行方
堀口 昌澄(メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント)
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 製造業の海外移転などにより国内の産業廃棄物の排出量は減少傾向にあったが、2017年に中国が廃棄物の輸入規制を始めたため、国内には廃棄物が溢れかえっている。2019年末までには全面的な輸入禁止となる予定であり、状況はさらに悪化するものと見込まれる。一方、廃棄物処理施設の新増設は規制が厳しく時間がかかるため、当面の間は需給バランスが崩れた状態は継続し、過剰保管や不法投棄が生じる可能性がある。
 これを機に、処理業者としては処理施設と人材の確保を進めたいところだが、いずれも容易ではない。この二つの課題にしっかりと対応できた会社だけが、スケールメリットを享受し、価格競争にも打ち勝ち、業界の安定化、効率化に中心的な役割を果たすことになるだろう。
中間処理業者の選択基準
上川路 宏(合同会社 リバースシステム研究所 代表)
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 産業廃棄物の処理は、ほとんどの場合中間処理業者への委託を中心として行われる。優良な中間処理業者の選定は、廃棄物処理リスクを低減する上で決定的ともいえる影響力を持っている。本稿では、中間処理業者の選択基準の概要と運用時のポイントを中心に、それらの背景としての排出事業者内での廃棄物処理担当部署の位置付け、現場における処理に関する問題点、処理業者の置かれている社会的立ち位置、処理業界の解説とあわせて述べていきたい。
産業廃棄物適正管理能力検定――産廃管理に必要な実務知識を「測る」必要性と検定試験の活用方法
子安 伸幸(一般社団法人 企業環境リスク解決機構 理事 兼 事務局長)
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 一般社団法人企業環境リスク解決機構は、産業廃棄物管理担当者が適正管理を実現できるレベ
ルの正しい知識を有していることを証する検定試験として「産業廃棄物適正管理能力検定」を3 年
前に創設した。これは、廃棄物処理法の排出事業者責任の趣旨に準じており、排出事業者を対象
とした実務知識を測る検定試験である。
 廃棄物に関するリスクを企業として回避するためには、複雑な廃棄物規制を正しく理解した人員
を、適所に配置する必要がある。その必要性に加え、検定試験という形式で合格に向かって正解
を導くプロセスが人員育成の有効な教育手法にもなり得ることを、全4 問の具体的な検定問題を挙
げて解説する。

<総説>

脱炭素社会に向けた世界の動向と非国家アクターによるイニシアティブ
池原 庸介(WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ プロジェクトリーダー)
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 パリ協定の下、企業や機関投資家、都市、自治体、NGOなどの「非国家アクター」による脱炭素社会の実現に向けた取組みが加速している。世界の主要都市が、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするコミットメントを表明し、企業がパリ協定と整合した排出削減目標を策定する「Science Based Targets」が世界のスタンダードになりつつある。こうした取組みを強力に後押ししているのがESGの潮流であり、長期的な視点を持ち実効性の高い気候変動対策を進め、適切な情報開示を行っている企業が、投資家からも高い評価を得るようになっている。

<シリーズ>

【産廃コンサルタントの法令判断/第40回】誌上コンプライアンスチェック③――委託契約書における「許可証の通り」は使うべきか?
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第40回)。

【ニュースから読み解く環境刑法/第12回】刑事裁判の仕組み──公訴・公判を中心に
今井 康介(法政大学 兼任講師/早稲田大学 比較法研究所 招聘研究員)
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 前回説明した捜査が終結すると、検察官は、事件について起訴するかを決定します。検察官が起訴をした場合、「裁判所」が被告人の行ったことが有罪か否かを判断します。一般の方にとって、裁判所はあまりなじみがある場所ではないと思われます。そこで、裁判所とはどのような組織と機能を持つのかを最初に整理します。その上で、名古屋の大手リサイクル会社による汚水排出事件を例にして刑事裁判の進行について解説します。
【新・環境法シリーズ/第89回】ノルウェーにおける二酸化炭素回収・貯留(CCS)政策と法規制枠組み
スベン・モホスバケ(ガスノヴァSF)/イングビルド・オムバステブト(IOM弁護士事務所)/マリア・エリングセン・グラン(IOM弁護士事務所)/柳 憲一郎(明治大学 法学部 教授)/中村 明寛(タスマニア大学 研究員)
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 本稿では、ノルウェー国内のCCSプロジェクトを支える政策と法規制の概要について述べる。CCS開発・導入に向け、ノルウェーは世界を代表するCCS先進国として貢献している。一方で、世界有数の資源大国でもあるノルウェーが、温室効果ガス削減への社会的責任、役割及び未来の国益を十分に理解し、資源活動と低・脱炭素社会をパラレルに取り組んでいる現状を紹介する。ノルウェーと欧州の相互関係から理解できるように、世界的な低炭素技術の普及・導入拡大に向け、政策・法律・規制改革には地域的取り組みが必要不可欠である。これら各国のイニシアティブは諸外国に影響を及ぼすと考えられる。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第10回】廃棄物の種類の巻(前編)
長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 聞き手は、某企業の廃棄物管理部門に配属されて3年目、廃棄物処理法を鋭意勉強中のBUNさんです。
 第10 回目と11 回目では「産業廃棄物の種類」を取り上げます。お相手は前回に引き続きN先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第19回】激変する廃プラ事情――マレーシアなどが日本などへ廃プラを強制返還
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 中国が環境への影響を懸念して廃プラ輸入を2018年からほぼ全面禁止した。その影響で、各国のスクラップ業者はマレーシアやタイなど東南アジアに再生資源として転送した。そのため大量の輸入ゴミで問題が各国で発生している。中国が輸入禁止した低品質の混合ごみは容易にリサイクルできず、そのほとんどは埋立処分されるか不法に焼却される。
【先読み! 環境法/第85回】ゲノム編集利用生物・食品のカルタヘナ法・食品衛生法上の取扱い検討の経緯
小幡 雅男(前・神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 我が国のバイオ戦略策定に向け、ゲノム編集技術により得られた生物の「カルタヘナ法」、「食品衛生法」における取扱いを明確にすることが求められた。平成30年度中に進められた各省の整理について解説するとともに、置き去りにされたともいえるゲノム編集技術利用生物・食品の安全確保に向けての今後の課題を取り上げる。
 
 ❶ゲノム編集利用生物・食品のカルタヘナ法・食品衛生法上の取扱い検討の経緯
 ❷「 ゲノム編集技術の利用により得られた生物であってカルタヘナ法の『遺伝子組み換え生物等』に該当しない生物の取扱い」(2月8日)――情報提供の依頼
 ❸任意の届出により情報提供を求める「ゲノム編集技術を利用して得られた食品等の食品衛生上の取扱い(案)」―― 説明会とパブコメを実施
 ❹ ゲノム編集利用の安全確保に向けた法的措置が必要
環境法改正情報(2019年5月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◉建築物省エネルギー法
◉農薬取締法
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