環境管理バックナンバー 2017年 7月号

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2017年7月号 特集:災害リスクマネジメントと企業の競争力

<巻頭特集>

とけてゆくスイス 氷河×光×地球の未来――環境ドキュメンタリー制作の現場から
濱中 貴満(北海道テレビ放送 プロデューサー)
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 北海道テレビでは、地球温暖化進行のバロメータといわれる「氷河」の減少と温暖化を食い止める科学技術にスポットを当てたドキュメンタリーを制作した。
 アルゼンチン・パタゴニア、スイス・アルプス、グリーンランドで減少する氷河や氷河研究者たちの研究に密着し氷河の現状を撮影し、CO2 削減のソリューションとしての水素エネルギーの可能性と人工光合成の最新研究を紹介、地球温暖化という危機的状況を打破する科学者たちの挑戦と世界をリードする日本の科学技術にスポットを当てた当番組は、放映時から評判を呼び、日本で唯一の環境をテーマとした「グリーンイメージ国際環境映像祭」でグリーンイメージ賞を受賞した。その内容を紹介する。

<特別寄稿>

わが国が目指すべき「リスク評価」のあり方――リスク受容を前提にした新たな評価法の開発に向けて
中西 準子(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 名誉フェロー)
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 化学物質や食品に対して広く使われているリスク評価・管理は、基本的にゼロリスクを目標としたもので、本当の意味のリスク評価から外れている。わが国の行政は、現実にはあり得ないゼロリスクを目標にしてきたために、どうしても公衆に一定のリスクを受容して貰わなければならない場合に、破綻してしまう。福島第一原子力発電所の事故後の除染の遅れなどは、この欠点が露呈した結果である。今後、リスク管理についてのゼロリスク指向を根本的に変えない限り、新規技術の開発に決定的に遅れをとるであろう。

<特集>

北海道におけるBCP策定率向上のための アクションプラン
児嶋 秀平(経済産業省 北海道経済産業局長)/酒井 哲也(経済産業省 北海道経済産業局 産業部中小企業課参事官)
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 大規模災害等の発生により企業の事業活動が停止した場合、その影響は個々の企業のみならず、取引先や地域の経済社会、ひいては我が国全体に多大な影響を与えることとなる。経済産業省北海道経済産業局では、「危機に強い北海道経済」をつくるため、道内企業のBCP(事業継続計画)策定を促進する活動を行っている。本稿では、災害への備えの必要性、BCP策定の意義とともに、当局が実施しているBCP策定率向上の取組について紹介する。

熊本県産業の創造的復興について
今村 徹(熊本県産業技術センター 所長)
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 2016年4月の2度にわたる震度7の熊本地震で、産業の中核を形成する地域企業は甚大な被害を被った。地震発生から1年が過ぎたが、復旧・復興の道のりはまだまだ遠い。各企業は顧客の信頼を繋ぐために、サプライチェーンを維持しようと、自治体と連携して早期の完全復旧を目指し日夜奮闘している。また、復旧活動と並行して、BCP構築など「災害に強い企業群への再構築」にも取り組んでいる。さらに、熊本県産業の「創造的復興」を実現するために、自然共生型産業など新たなビジネス創出のための産学官連携による新技術創出活動が始まった。

日本列島周辺で今後起こりうる海溝型巨大.超巨大地震
宍倉 正展(国立研究開発法人 産業技術総合研究所海溝型地震履歴研究グループ長)
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 東日本大震災以降、注目されるようになった過去の地震を探る古地震学と呼ばれる研究により、日本列島各地の海溝沿いで起こりうる巨大.超巨大地震の実態が少しずつみえてきた。北海道東部の千島海溝沿いは、古地震学的にみると2011年東北地方太平洋沖地震に匹敵する超巨大地震がいつ起きてもおかしくない場所である。関東地方の相模トラフ沿いも1923年大正関東地震より規模の大きい元禄型地震の頻度が、従来の考えより高いことがわかってきた。南海トラフ沿いは今世紀中に巨大地震が起こることがほぼ確実な中、その起こり方や規模をどのように想定するか、古地震学的な検討が進められている。

地震リスクの定量評価を活用したBCP
高杉 剛(応用アール・エム・エス株式会社)
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 本稿では、地震リスクの定量評価とBCPへの活用を考察する。地震リスクの定量評価は、「震源」、「地震動の伝播」、「地震動の増幅・液状化の可能性」によって地震動の大きさと液状化の可能性を予測し、建物・機械設備等の直接損失と事業中断損失を算定する。定量評価の結果は、ある確率で発生する地震とそれによる損失額との関係を表すイベントカーブと、どの程度の確率でどの程度の損失額が発生するかを表すリスクカーブとして表現される。各種耐震対策や財務的な手当ての効果は、リスクの減少として一元的に可視化され、有効なBCPを策定し、合理的な地震対策を推進する上での有用なツールとなる。

(森・農・街)+食で育む「水の国くまもと」の地下水保全事業
宮野 岳明(公益財団法人 くまもと地下水財団)
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 「水の国くまもと」を自負する熊本。11市町村で構成される熊本地域には約100万人が暮らし、生活用水のほぼ100%が地下水でまかなわれている。この清冽で豊かな地下水を未来に継承していくための地域や立場を超えた横断的かつ複合的な取り組みについて、当財団の事業の一部を紹
介する。

<総説>

東京2020オリンピック・パラリンピック大会の持続可能性に配慮した取組
田中 丈夫(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 大会準備運営第一局 持続可能性部長)
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 持続可能性への配慮は、国際的な潮流であるとともに、国際オリンピック委員会(IOC)もオリンピック大会の準備・運営のすべてに渡り、この持続可能性への配慮を求めている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、環境や社会、経済に関する目標や施策を盛り込んだ「持続可能性に配慮した運営計画」を策定する。東京2020大会のすべての関係者はこの運営計画をもとにそれぞれの施策を実施する。さらに東京2020組織委員会では、この運営計画の実現に向けて、東京2020大会で調達する物品やサービス等に適応するための「持続可能性に配慮した調達コード」を策定した。東京2020大会をきっかけに持続可能性への配慮が行き届いた社会になることを期待している。

注目される太陽光発電の裁判と市場動向
本誌編集部
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 太陽光発電パネルは過去5、6年で製造コストが半値近くに下がっているにもかかわらず、最近になって太陽光発電計画が全国で約46万件も失効した可能性があるという。これは560万世帯の消費電力に相当する。その要因として、FIT(固定価格買取制度)価格が2012年度の40 円から2017 年度には21 円とほぼ半減していることが挙げられる。国内では太陽光パネルの減産、生産休止も相次いでいるが、世界では記録的な成長を達成している。
 パリ協定を受けた国の再生エネルギー政策は前向きであるが、現場では微妙に状況が変化しているようだ。本レポートでは、太陽光発電パネル建設に関する有名な裁判事例と、国内外の太陽光発電市場状況について報告する。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第15回】トランプ政権のパリ協定離脱を整理する――その真意と影響は?
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 米国のトランプ大統領は6月1日午後3 時(日本時間2日午前4時)、ホワイトハウスのローズガーデンで演説し「パリ協定」からの脱退を宣言した。政権内部でも残留派と離脱派が鋭く対立し、リーク合戦の様相を呈したメディアの報道も直前まで続いた。離脱したこと自体はトランプ大統領が選挙キャンペーン中の公約として掲げていたことを実行したものであり、大きな驚きはない。オバマ政権が掲げた削減目標を履行しないことは、本年3月に国内対策を見直す大統領令に署名していることからも明らかであったし、COP21で表明された米国の「緑の気候基金(GCF)」に対する30億米ドルの拠出の内、既にオバマ政権下で2回に分けて拠出された10 億ドルを除く20億ドルの拠出は全く期待できないことも明らかであった。
 しかし、演説の中で「再交渉」「再加入」という含みを残した真意や、今後具体的にどのような手続きで離脱するのかについては全くクリアになっておらず、離脱の影響がどこまで及ぶのかは定かではない。詳細は今後政権内での議論の進展を待つしかないが、今の時点での整理を試みる。

【産廃コンサルタントの法令判断/第16回】排出事業者は誰?――実際に相談があった判断に迷うケース
渡山 夏代(株式会社 ミズノ 環境コンサルティング事業部 マーケティンググループ)
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 日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第16回)。

【新・環境法シリーズ/第65回】モントリオール議定書のキガリ改正(HFC改正)とフロン対策
木村 ひとみ(大妻女子大学 准教授)
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 2016 年に開催されたモントリオール議定書第28回締約国会合(MOP28)でハイドロフルオロカーボン(HFC)の生産及び消費量の段階的削減義務等を定めるモントリオール議定書のキガリ改正が採択され、HFCについても同議定書の規制対象となった。キガリ改正は、締約国を3グループに分類し、途上国についても中長期の生産及び消費量の段階的削減を義務化したほか、パリ協定を補完し、国際環境条約間の整合性を図る取組みとして評価できる。

【まるごとわかる環境法/第23回】PCB特別措置法(中編)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 環境担当者のための環境法入門。環境部門の新任担当者向けに重要な法律をセレクトしてわかりやすく解説。
 第21回は「PCB特別措置法」(中編)
 
 6.廃棄物処理法におけるPCB廃棄物の取扱いについて
 
【先読み! 環境法/第61回】6月2日に第1回の「カーボンプライシング」のあり方に関する検討会が開催
小幡 雅男(神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 6月に「『カーボンプライシング』のあり方に関する検討会」が開催された。その趣旨と検討のポイントについてまとめるとともに、経済産業省、環境省の両省がそれぞれ取りまとめた長期低炭素戦略手法における「カーボンプライシング」の考え方とその違いを解説する。

 ❶ 6月2日に第1 回の「カーボンプライシング」のあり方に関する検討会が開催
 ❷「 カーボンプライシング」に対する考え方

環境法改正情報 (2017 年5月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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◉土壌汚染対策法
◉環境基本法
◉高圧ガス保安法

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