環境管理バックナンバー 2023年 7月号

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2023年7月号 特集1:ウクライナ戦争はヨーロッパ の環境・エネルギー政策に どう影響したか?/特集2:当協会の国際関連業務

<特集1>

ロシアのウクライナ侵攻とドイツの環境・エネルギー政策
熊谷 徹(在独ジャーナリスト)
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ロシアのウクライナ侵攻にもかかわらず、ドイツは従来の環境政策を継続している。今年4月に脱原子力を完遂したショルツ政権は、5年後の脱石炭を目指して、再生可能エネルギー(以下再エネとする)とグリーン水素の拡大を加速している。今後多額の国費を投入し、製造業の脱炭素化を目指す。この背景には、費用をかけても環境保護を重視するドイツの国民性と、「経済成長と環境保護は矛盾する目標ではなく、両立可能だ」という社会的合意がある。ドイツの厳しい環境政策は欧州連合(EU)を通じて、他の欧州諸国の環境政策にも影響を及ぼしている。
フランスのエネルギー政策―安全保障と独立主権の観点から
安部 雅延(在仏ジャーナリスト)
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福島第1原子力発電所事故に対するフランス政府の迅速な安全対策行動を目撃し、筆者はフランス国民が原子力発電を支持する背景に原子力安全局(ASN)の長年の安全性への真摯な取り組みと丁寧な説明があることを痛感した。
フランスの原子力発電再開発という核のルネッサンスの背景には、独立主権国家としての強い自立的安全保障の考えや科学技術への信頼、中央集権的意思決定が存在し、1970年代から続く原子力発電の国家的大プロジェクトへの国民の信頼が存在する。フランスは今、2050年の脱炭素化目標達成に向けてのエネルギー転換のため、14基の原子炉増設の合理性を説明し、国民の支持やEUタクソノミーに原発が組み込まれたことを背景に、EU全体の目標に答えようとしている。

<特集2>

メコン諸国への公害防止管理者制度構築支援事業の報告
大野 香代(一般社団法人産業環境管理協会 国際協力・技術センター 所長)
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メコン諸国は近年、経済回廊の整備が進み、順調な経済発展を遂げており、日本の経済発展にとっても、引き続き重要なパートナーである。日本政府はこれまでODAやNGOとの連携による支援、各国政府との経済連携協力及び投資協定の締結などで結びつきを深めている。(一社)産業環境管理協会は経済産業省の委託により、メコン諸国の工業化に伴う環境汚染を防止するため、日本の公害防止管理者制度をメコン諸国に導入する支援を長年にわたって行っている。当協会はこの支援を通じて、メコン諸国の持続的発展に貢献し、日本企業のメコン諸国への投資促進に寄与することを目指して活動している。本稿ではその活動について報告する。
chemSHERPA を利用した製品含有化学物質管理について
木村 公明(一般社団法人産業環境管理協会 アーティクルマネジメント推進協議会 所長)
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世界の製品含有化学物質管理の展開について、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)発足から17年間の活動と共に紹介する。続いて現在のchemSHERPAの特徴的な製品含有化学物質管理の形と注意点について説明する。そして、今後の活動として2023年度の活動基本方針および中長期の活動目標について紹介し、2023年度の活動課題について国際普及を含めて説明する。

<特別寄稿>

現実性を欠くG7広島サミットの気候変動メッセージ
有馬 純(東京大学 公共政策大学院 特任教授)
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5月20日、G7広島サミットは共同声明を採択して閉幕した。ウクライナ戦争、核軍縮等と並んでサミットにおける重要な柱になったのがエネルギー、気候変動問題である。首脳共同声明全体で40ページある中で気候変動、環境、エネルギー関連は10ページを占める。
首脳声明のベースとなったのが4月15︲16日、札幌において開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合の共同声明である。本稿では気候・エネルギー・環境大臣会合共同声明について主要なポイント及び筆者としての見解を述べてみたい。

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える61】電力自由化の再設計に向けた提言 ― 各国研究者が提唱する「ハイブリッド市場」を踏まえて考える―
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授)
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政府は2022年、GX実行会議を開催し、12月には化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換するGX基本方針を策定した。温室効果ガス削減だけでなく、わが国の成長戦略としてクリーンエネルギーへの転換を進めるというその方針は、GX実行会議において多くの賛同を得た。
しかし一方で、2021年1月における全国的な電力需給逼迫以降、電力供給力の不足がたびたび発生している。電気は、瞬時瞬時で需要と供給を一致させる「同時同量」というデリケートな物理的制約を負い、その制約をクリアして安定的に供給されることが人々の生活・経済にとって極めて重要である。長期にわたるトランスフォーメーションの過程で、電力の安定供給に支障が生じるようなハードランディングは回避しなければならない。第1回のGX実行会議において多くの委員が指摘したのも、電力の安定供給確保と価格抑制に対する強い問題意識であった。そのため、政府は「脱炭素に向けた経済・社会、産業構造変革に向けてのロードマップ」を策定する前提として、「日本のエネルギーの安定供給の再構築に必要となる方策」を論点に掲げ、電力分野については、まずは足元の危機(電力供給力不足)に対して既存の政策を総動員する一方、「電力システムが安定供給に資するものとなるよう制度全体の再点検」を行うことを表明している(第2回GX 実行会議資料)。
しかし、安定供給と脱炭素化を両立し、わが国が目指す電源構成を実現するには、これまで世界中で行われてきた電力システム改革の考え方自体が再考の時期にあることを考慮する必要がある。海外の研究者の論考等を踏まえて、わが国の電力システム改革の再設計に向けた考察を行いたい。
【弁護士からみた環境問題の深層/第31回】循環型社会における資源循環ビジネス ...有価物、専ら物、廃棄物、中古品、修理をする権利、資源確保を考える
佐藤 泉(佐藤泉法律事務所 弁護士/日本CSR普及協会・環境法専門委員会委員)
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循環型社会への移行は、省資源・脱炭素の観点から重要である。さらに、イノベーションの促進、雇用拡大の観点からも、サーキュラーエコノミーへの転換が求められている。しかし、循環型社会を形成するための法体系は、廃棄物処理を基本とする規制が中心であり、新しいビジネスモデルを構築することは難しい。一方で、最近の資源価格の高騰、円安進行のなかで、企業だけではなく国家レベルでも、資源の確保が急務になってきている。そこで本稿では、資源循環を進めるための法解釈及びビジネス戦略について解説する。
【環境コンサルタントの 法令判断/第88 回】労働安全衛生法改正【後編】
佐藤健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部コンサルタント/マネージャー)
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前回は、段階的に施行される労働安全衛生法の改正内容に関して、2023年4月1日施行分までを解説しました。今回は、残りの改正内容について解説します。施行日まで時間的猶予がありますが、すぐに施行しないということは、企業側で一定期間の準備が必要で、準備期間に配慮した施行スケジュールであると解釈できます。早めに内容を把握し、必要な準備を計画しておきましょう。

【環境担当者のための基礎知識/第64回】報道された最近の水濁法違反事例を解説 ― 環境基準や水質汚濁防止法の基本事項を復習―
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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最近になって複数の水質汚濁防止法違反の関連ニュースが報道されている。報道内容から水質汚濁防止法などの基本事項を再確認してみたい。
【新・環境法シリーズ/第137回】「 ビジネスと人権に関する国連指導原則」再考 ─ 人権と環境デューディリジェンスのつながりを考える─
山田 美和(日本貿易振興機構(ジェトロ) アジア経済研究所 新領域研究センター長)
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ビジネスと人権のあり方を規定する「ビジネスと人権に関する国連指導原則」は、2011年の成立から10年余り、国家、企業、市民社会共通のグローバル基盤となり、企業活動に関する各国の様々な政策に影響を与えている。今年4月G7気候・エネルギー・環境大臣会合では、気候変動、エネルギー、環境問題への取組みには、人権尊重の取組みが伴うことがあらためて確認された。企業はステークホルダーとのエンゲージメントを通して、人権と環境のデューディリジェンスを相乗的に実施する必要がある。
【先読み! 環境法/第133回】発電用原子炉の運転・延長期間の規制 ─ 令和2年7月29日の原子力規制委員会の見解に至るまで
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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発電用原子炉の運転・延長期間の許可を炉規法から電事法に移管するGX脱炭素電源化法案の電事法と炉規法の改正について、改めて取り上げる。
1 発電用原子炉の運転・延長期間の規制― 令和2年7月29日の原子力規制委員会の見解に至るまで
2 第2回GX実行会議での岸田首相の発言からGX脱炭素電源法案の閣議決定まで
環境法改正情報(2023年5月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆気候変動適応法関係  
◆毒劇法関係  
◆消防法関係(1)~(3)
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