環境管理バックナンバー 2019年 4月号

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2019年4月号 特集1:世界循環経済フォーラム(WCEF)の開催と展望/特集2:平成31年度環境政策

<巻頭特集1>

千葉商科大学 学長 原科 幸彦氏にきく 「商いの力」で社会を変える――「自然エネルギー100%大学」が目指す地産地消のエネルギービジネス
本誌編集部
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 千葉商科大学(千葉県市川市)が自前の太陽光パネルだけで学内すべての電力消費量を超える発電に成功した。「 再生可能エネルギー電力100% 」の達成は国内の大学では初で、2020 年度にはさらに「自然エネルギー100%大学」を目指す。そこに至るまでには、学生主導による初のISO14001の導入など同学における環境配慮行動の長年の実績があったのはもちろんのこと、「実学」を尊重する教育理念とそれを受けた学生たちの主体的な取り組みが大きな力となった。
 本記事では、国内外における環境アセスメントの第一人者であり、国際協力機構(JICA)等の環境社会配慮ガイドラインの策定や様々な環境関係委員会の委員長を歴任するなど、環境アセスメントの推進に尽力してきた千葉商科大学 学長 原科幸彦氏に、日本が進むべき地域分散型エネルギー社会、さらに同学が目指す地域分散型のエネルギービジネスについて語っていただいた。

<巻頭特集2>

グリーンイメージ国際環境映像祭
本誌編集部
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 グリーンイメージ国際環境映像祭とは、環境をキーワードに、アニメーションからドキュメンタリーまで、ジャンルを超えた世界の優れた映像作品を上映する年に1 度のフェスティバル。会場は東京の日比谷公園内にある日比谷図書文化館コンベンションホールで、毎年3 日間にわたり開催されている。映画評論家の佐藤忠男氏が実行委員長を務める映像祭には、厳正な審査によって大賞が決まるコンペティションとしての重要な役割もあり、優れた環境映像が世界へ向けて紹介される場を担っている。本稿では参加作品をランダムに選んで紹介する。
フォード自動車によるブラジル開発事業の破綻――タイヤ用ゴムを自社生産するために建設した巨大ゴム農園
本誌編集部
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 東京で毎年開催されるグリーンイメージ国際環境映像祭で上映されたフォードのブラジル開発事業の失敗が大変興味深いので、その顚末をレポートする。事業の破綻に向かう当時の意外な事実が明らかになった。
 ジャングルの森林伐採問題は、企業の環境経営のみならずSDGsやESGにも関係する重要なテーマである。フォードの事業が失敗した背景や原因は、目先の利益追求を目指し将来の科学技術の発展を予見しなかったこと、環境専門家などの知見やノウハウを最初に活用しなかったこと、地域住民とその文化を軽視しアメリカ文化を押しつけたこと、そして自然を大規模に破壊したことである。

<特集1>

第2回世界循環経済フォーラム(WCEF2018)の開催と循環型社会構築に向けた我が国の取組
矢島 健一郎(環境省 環境再生・資源循環局 総務課 循環型社会推進室)
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 2018年10月22〜23日にかけて、パシフィコ横浜で第2回世界循環経済フォーラム(WCEF2018)が日本国環境省及びフィンランドイノベーション基金SITRAの共同開催で開催された。フォーラムには、欧米を中心に世界64 か国から1,100 名以上の循環経済に関わる国際機関、政府関係者、ビジネス、研究機関、市民機関等が参加し、循環経済について様々な側面から議論された。今回、フォーラムでの議論の内容について紹介するとともに、循環型社会構築に向けた我が国の取組について報告する。
資源循環政策の現状と今後の展望について
佐竹 正洋(経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課 企画調整係長)
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 国際的な「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への転換などの資源循環政策の動向、人口減少・高齢化等の社会構造変化、モノからコトへといった消費・ビジネス構造の変化を背景に、従来の廃棄物の発生抑制を念頭に置いた環境負荷低減・資源有効利用の手段としての3Rから、資源循環ビジネスを「経済成長を牽引する産業」に成長させるという、資源循環政策の転換が必要となっている。
 経済産業省としては、日本の強みをしっかり活かしつつ、資源制約から脱却した強く安定した成長モデルを目指す「循環経済ビジョン(仮称)」を検討していく。

<特集2>

当面の経済産業省における環境政策について
経済産業省 産業技術環境局 環境政策課
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 経済産業省においては、地球温暖化対策や、循環型社会の構築(3R(リユース、リデュース、リサイクル)政策)、環境負荷物質低減対策といった課題に引き続き取り組んでおり、本稿では現在の施策や当面の取組について述べる。
当面の環境省の重要政策について
環境省 大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション推進室
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 これからの環境政策は、世の中を脱炭素型かつ持続可能な形へと転換させていくことで様々なイノベーションを引き起こし、それによって環境保全と経済・社会的課題との同時解決を図りつつ、新たなマーケットを創出していくこと−−つまり環境政策がこれからの成長の「牽引役」となっていくこと−−が重要である。環境省ではそのような考え方の下、「地域循環共生圏」の創造、気候変動対策、海洋プラスチックごみへの対応、被災地の着実な環境再生の推進と国内外における資源循環の展開、魅力ある我が国の自然の保全・活用といきものとの共生、安全で豊かな環境基盤の整備に取り組んでいく。

<総説>

環境汚染対策の進展と今後の課題――35年間を回顧して 第4回 水・大気環境行政
早水 輝好(国立研究開発法人 国立環境研究所 環境リスク・健康研究センタープロジェクトアドバイザー/茨城大学 客員教授)
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 水・大気環境行政は環境政策の原点といえる分野である。私は大学でこの分野を専攻し、環境庁採用後は水質保全局で総量規制や有害物質と海域の窒素・燐の環境基準の設定を担当した。その後千葉市に出向して環境保全行政全般を担当する中でJFEスチール㈱等による排水問題に対応し、環境省に戻ったあとには大気環境課長としてPM2.5 の環境基準や測定法の検討などに関わった。最後の4 年間は、水・大気環境局担当の審議官及び局長として、様々な大気、水、土壌関係の環境保全施策に携わり、特に海洋環境関係で多くの案件
に対応した。
 我が国では様々な公害規制をはじめとする各種の対策により、全体的に良好な環境が維持されるようになってきたが、対策が難しい分野や新たな課題などについて一層の対応が必要である。
気候変動対策のパラダイム転換とビジネス
高村 ゆかり(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授)
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 2015年12月12日、フランス・パリで開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定は、地球温暖化(気候変動)問題に対処するために合意された、京都議定書採択以来18 年ぶりの法的拘束力ある国際条約である。パリ協定は、多数国間の条約としては実に異例の速さで、採択から1 年足らずの2016年11月4日発効した。2019年3月20日時点で、日本を含め世界の温室効果ガス排出量の89%超に相当する184か国とEUが批准している。トランプ政権への交代が決まってからも80か国以上の国が締結した。米国トランプ政権の立場に関わりなく、パリ協定を気候変動対策の要とするという諸国の強い意志とパリ協定への期待が表れている。
 2018年12月に開催されたCOP24では、海外で排出を削減した量を排出枠(クレジット)として獲得することができる市場メカニズムに関する規則を除き、パリ協定の実施規則が合意された。パリ協定を本格的に運用していくための制度が整備されたことになる。その傍ら、気候変動対策をめぐっては、非国家主体、とりわけビジネス、金融・投資家にかつてない大きな変化、ダイナミズムが生まれている。
 本稿では、最初にパリ協定の合意について簡単に振り返ったあと、気候変動対策をめぐってこの間起きている大きな変化を紹介したい。

<シリーズ>

【エネルギーからみた地球温暖化問題/第35回】原子力をめぐる"世界の潮流"――各国の動向整理と米国・英国の政策
竹内 純子(NPO法人 国際環境経済研究所 理事/主席研究員)
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 ゴールデンウイークも近づき、太陽光発電の出力制御がメディアを騒がせている。特に原子力が再稼働した九州で出力制御が行われる可能性が高いことから、再エネと原子力が対立軸であり、二者択一であるかのように議論されることも多い。
 しかし世界全体でみれば電力需要は今後急増することが確実であるし、国内も電化・電脳化の進展により、電力需要は増えることが想定される。電力供給の安定的維持を考えれば、電力需要(kWh)だけでなく、kWあるいはΔkWという価値も必要であるため、少なくとも今世紀半ばにおいては、再エネか原子力かではなく、再エネも原子力も、加えて火力発電も一定程度は必要とされる。捨てられる技術はなく、それぞれをより高めていかなければならないというのが現実ではないだろうか。
 しかし原子力事業を取り巻く環境が厳しいことも事実だ。福島原子力発電所事故は安全性への疑念を与え、諸外国でも規制が見直され、安全対策コストの増加につながっている。加えて、自由化された市場においては原子力発電に対する新規投資は期待できず、西側諸国の商用軽水炉事業は困難に直面している。
 わが国では明確な原子力政策が示されないまま時間が経過しているが、諸外国では現在どのように原子力技術と向き合おうとしているのであろうか。状況を概観し、自由化した電力市場での原子力投資促進に向けた政策的措置を講じている米国、英国の現状を詳しくみてみたい。
 なお、エネルギー政策は各国それぞれの事情があり、他国の挙動を過度に気にすることには意味がないという筆者の従来の主張に変わりはない。しかし各国の原子力政策は、国家戦略の一つとして、冷静に事実を把握する必要があると考えるものである。
【産廃コンサルタントの法令判断/第37回】汚水垂れ流しで欠格?――排出事業者は見抜けるか
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第37回)。

【新・環境法シリーズ/第86回】中小企業と環境――環境対策と中小企業の取り組み
小祝 慶紀(東北工業大学 ライフデザイン学部 経営コミュニケーション学科 教授)
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 これまでわが国では、企業の環境対策といえばその多くが大企業によるものであった。それは、中小企業には、環境に配慮した経営を実践すると費用負担が多大となり、企業経営を圧迫するという認識が少なからずあったからだと推察される。しかし、地球規模での環境問題により、中小企業も持続可能な社会の構築を意識せざるをえなくなった。同時に、環境に配慮する経営を行うことは、経営の効率化をもたらし収益にも貢献することも認識されてきた。このような背景から本稿では、環境配慮を行う経営で企業革新を目指し、持続可能な社会の構築に取り組んでいる中小企業家同友会全国協議会と宮城県中小企業家同友会の取り組み
を紹介する。これらの団体の取り組みを紹介することで、今後の中小企業の環境経営の参考になることを期待したい。
【ニュースから読み解く環境刑法/第8回】気をつけたい労働環境
渡辺 靖明(法政大学 人間環境学部 兼任講師/明治学院大学 法学部 非常勤講師)
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 第4回から前回までは、環境汚染防止の法制度とその罰則を中心に説明してきました。これらは、主に企業外部の生活環境や公衆衛生を守ることに重点がありました。今回は視点を変えて、企業内部の人々(従業員)の生命・身体・健康に関わる「労働環境」をテーマに、労働安全衛生法上の罰則や、刑法上の業務上過失致死傷罪の成否などを実際の事件を挙げて説明します。まずは企業内の従業員が安心して働ける環境(労働安全衛生)を整えることが、企業外の人々の環境も保護する第一歩になると思われます。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第7回】罰則強化と欠格要件の巻
横山 英史/長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 聞き手は、某企業の廃棄物管理部門に配属されて3年目、廃棄物処理法を鋭意勉強中のBUNさんです。
 第7回目は、「罰則強化と欠格要件」について、刑罰の基本を復習しながら取り上げます。今回の担当は、某自治体で環境行政の中核を担うY先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第16回】ダイオキシン類汚染の基礎知識
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 何十年も前に廃業し売却した工場があり、その関連会社と合併したところ過去のダイオキシン類汚染が発覚して対策費用を存続会社が負担することがある。原因者がすぐに断定できない場合、ダイオキシン類対策特別措置法では先に浄化対策等を実施して、あとから費用を企業に請求する。今回は11 億円もの費用を請求された事例を紹介し、カネミ油症事件(1968年)も簡単に触れてダイオキシン類について少し復習してみたい。
【先読み! 環境法/第82回】EEZ内等に「沖合海底自然環境保全地域」を創設する自然環境保全法の一部改正案が3月1日に衆議院へ提出
小幡 雅男(前・神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 沖合の海底自然環境に保全すべき地域を設けて生物多様性を確保し、外国船舶による海底の鉱物資源の探査、掘削の規制を目指す自然環境保全法の改正案について解説する。また、森林の間伐、保護等の整備や木材利用の促進、林業の担い手などの人材育成のために創設された森林環境税、森林環境譲与税について取り上げる。
 ❶EEZ等に「沖合海底自然環境保全地域」を創設する自然環境保全法の一部改正案が3月1日に衆議院へ提出
 ❷4月1日施行の森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案が2月8日に国会に提出
環境法改正情報(2019年2月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉公害防止管理者法
 ◉農薬防止法
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