環境管理バックナンバー 2025年 10月号

記事を検索

キーワードで記事の検索ができます(例:GX カーボンプライシング)

バックナンバーの閲覧 / 冊子版の購入

  • ログインはこちら
  • 『環境管理(冊子版)』を購入
  • 協会会員の方は、記事全文をPDFファイルで閲覧ができます。
    ログインしてご利用ください。
  • 各号の概要の閲覧、冊子版の購入はどなたでも
    ご利用いただけます。

2025年10月号 特集:サステナビリティ情報開示に関する覆面座談会

<特集>

サステナビリティ情報開示に関する覆面座談会
本誌編集部
▼概要文表示
企業の情報開示に関する動きが目まぐるしい。
2025年3月5日、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)は、サステナビリティ開示基準を公表した。これは2023年6月にISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が公表した基準(IFRSサステナビリティ開示基準)を日本国内の制度や実務に適合させた国内開示基準であり、企業の財務にとって重要な非財務情報を重視するシングルマテリアリティの考え方を採用している。
一方、EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令、2023年1月5日発効)に基づくESRS(欧州サステナビリティ報告基準)は、財務的なマテリアリティに加え、企業が社会・環境に与えるインパクトマテリアリティを加えたダブルマテリアリティを採用している。
EU内の大企業の一部は、CSRDの第1段階適用対象(Wave1)として2025年からの報告対応を進めていたところ、2025年2月に規制の簡素化を骨子としたオムニバス法案が提出され、このうち「ストップ・ザ・クロック」提案は可決され、Wave 2/3対象企業の報告開始の2年延期が決定している。適用対象企業の縮小、開示の簡素化などの改正案は、現在も欧州議会と理事会において協議中である。
欧州にも拠点を持つ日本の大企業としては、まだ一部が不透明な状態のまま、SSBJとCSRDの両方への対応を迫られている。本座談会では、情報開示の担当者を中心に関係者にお集りいただき、任意開示から法定開示への移行、マテリアリティとコネクティビティ、データの精度と保証の3つの切り口で、現状をどう受け止めているか、どうやって対応しようとしているのか、実務的な悩みも含めてざっくばらんに語り、議論していただいた。
情報開示という1つの切り口だけでも、企業における解釈、対応方針、情報開示業務に充てられるリソースも様々に異なると思われるが、本記事が少しでも、参考となれば幸いである。

<レポート>

埋もれた火種を見つけ出す PFU×IHI検査計測共同開発のリチウムイオン電池検知システム実証実験をレポート
本誌編集部
▼概要文表示
8月25日~28日、株式会社PFUは株式会社IHI検査計測とリチウムイオン電池(LiB)検知システムの実用化実証実験を行った。編集部は、東京の町田市バイオエネルギーセンターにて、市内で回収した不燃性ごみに混入したLiB内蔵製品を検出する実験を見学した。実証実験の様子をレポートする。

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える71】三菱商事の洋上風力撤退が示したもの ―電力システム改革と脱炭素化の"二兎"―
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授)
▼概要文表示
わが国の再生可能エネルギー拡大の主軸となると期待されていた洋上風力発電の、初の大型案件が暗礁に乗り上げている。再エネ海域利用法に基づく事業公募の第1ラウンドで落札した3海域での案件から、三菱商事が撤退すると発表したのだ。
理想的なエネルギー源などは無いのであるから、エネルギーはポートフォリオで考えるべきであり、「切り札」、「主軸」といったような期待を高める言葉が安易に使われることをまず反省すべきだろう。しかし、洋上風力発電はなぜここまで高い期待を集めたのか、入札制度の何がまずかったのか、この撤退による電力システム改革(自由化)への影響について考えてみたい。
【弁護士からみた環境問題の深層/第57回】GX 推進法改正 ~排出量取引本格稼働後の視点~
横手 聡(濱田広道法律事務所 弁護士/日本CSR推進協会・環境法専門委員会委員/早稲田大学社会科学研究科博士課程)
▼概要文表示
2026年度からの排出量取引の本格稼働に向けてGX推進法が改正された。CO2の直接排出量10万トン(直近3カ年度平均)以上の事業者を対象として、法的義務に基づく排出量取引が開始されることになる。
排出量取引の本格稼働は、カーボンプライシングを推進する世界的な流れの中にある。長期的には、カーボンプライシングの流れが進展していくと考えられ、大企業のみならず、中小企業も、CO2の価格を意識しながら、炭素排出量を算定する体制を構築することが求められる。
今後、排出枠の割り当てについて、抗告訴訟の提起等がなされる可能性も否定できず、法的な検討を深めることも必要である。
【環境コンサルタントの法令判断/第115回】廃棄物処理法改正②― 電子マニフェストの項目追加―
佐藤 健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部 コンサルタント/チーフマネージャー)
▼概要文表示
前号に引き続き、廃棄物処理法改正に関する解説です。前号は「委託契約書の法定記載事項追加」を解説しました。今号では「電子マニフェストの項目追加」について解説します。
施行日は2027年4月1日ですが、本年5月からJWNETのシステム上では追加項目が整備され、任意項目として登録可能な状態となっています。そのため、既に感度の高い事業者からは改正対応にまつわる問い合わせも寄せられています。
排出事業者にとっては、中間処理以降の2次処理、3次処理、再生(リサイクル)の状況については具体的イメージが付きづらく、改正内容の理解が難しい側面もあります。処理業界の実態と照らし合わせながら、法改正の具体的イメージを持っておきましょう。
【環境担当者のための基礎知識/第91回】ヒマラヤに刻まれた海の記憶と地球のダイナミズム ―プレートテクトニクスと地震予測の最前線―
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
▼概要文表示
ヒマラヤ山脈などネパールでのフィールド調査を通じて、筆者は地殻変動や化石の痕跡から地球のダイナミズムを実感してきた。本稿では、アンモナイト化石が語る古代海洋堆積物の記憶を起点に、大陸移動説からプレートテクトニクス理論への発展、そして地震発生の最新メカニズムまでを解説する。さらに、AIや地震波トモグラフィー(深部断面映像)による地震予測研究の最前線を紹介し、活断層の理解と社会的影響にも触れる。持続可能な環境経営において、地球科学の視点がいかに重要かを、実体験と理論を交えて論じる。
【新・環境法シリーズ/第162回】気候緊急事態に対応する国家の義務に関する米州人権裁判所(IACtHR)勧告的意見OC-32/25
木村 ひとみ(大妻女子大学 准教授)
▼概要文表示
気候緊急事態と人権に関する国家の義務の範囲の明確化を要請された米州人権裁判所(IACtHR)勧告的意見OC-32/25は、「国家には、強化された相当な注意義務に基づき行動する義務があり、領域内の全企業に、適切な措置を講じ、全バリューチェーンで人権と気候変動に関するデュー・ディリジェンスの実施を義務づけるべき」とした。また、自然の権利を認める傾向に言及し、健全な環境を享受する権利に安定した気候を享受する権利が含まれ、将来世代を含めた全人類がその対象となるとした。先住民族が移住を迫られた場合の土地へのアクセス確保や補償、文化的権利を保護する国家の特別な義務にも踏み込んだ。
【先読み! 環境法/第160回】改正GX推進法・改正資源法、再生資源化事業等高度化法の施行
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
▼概要文表示
2026年4月1日から施行されるGX推進法と資源有効利用促進法の一部改正について、また、排出量取引制度の詳細設計に向けた排出量取引制度小委員会の議論について、資源循環経済小委員会の経緯と議論の範囲等、そして、廃棄物処理法や資源循環に関する法制の変遷と改正資源法を解説する。
 
1 GX(CN実現と経済成長との両立)を目指し、カーボンプラシング構想の具体化を進めるGX推進法及び資源自律経済戦略の実現に向けた制度見直しに関する中間とりまとめを踏まえた資源有効利用促進法の一部改正が2026年4月1日から施行
2 排出量取引制度小委員会の開催(第1回7月2日、第2回8月7日、第3回9月1日)
3 資源循環経済小委員会の開催
4 市場原理が関わる廃棄物・循環に係る法制の変遷と改正資源法の施行
環境法改正情報(2025年8月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
▼概要文表示
◆エネルギー憲章に関する条約関係
出版物の購入・ご案内

ページの先頭へ戻る