環境管理バックナンバー 2026年 6月号

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2026年6月号 特集:本格始動したGX-ETS

<巻頭レポート>

植物と環境 静岡県立大学・谷 晃先生インタビュー
本誌編集部
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<特集>

排出量取引制度の開始にあたって
経済産業省 GXグループ 環境経済室
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 我が国では、GX実現に向け、先行投資支援と段階的なカーボンプライシングの導入を一体に講じる「成長志向型カーボンプライシング構想」が実行されている。そのうちカーボンプライシングについては、2025年5月、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の促進に関する法律」(GX推進法)が改正され、2026年4月からの排出量取引制度の導入が法定化されるともに、化石燃料賦課金徴収にかかる措置が具体化された。本稿では、この4月から開始した排出量取引制度について、改めて導入にかかる経緯や意義、制度の詳細設計を解説する。
日本のオフセットクレジット等の概観
清水 透(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 環境ユニット 気候変動グループ 主任研究員)
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 2026年4月から国内排出量取引制度(GX-ETS)が開始され、この制度の中で参加者が法的な排出枠の償却の一部としてオフセットクレジットを利用することが認められている。このため、改めてオフセットクレジット等への注目が高まっている。
 以前より、省エネ法の定期報告制度における非化石転換への取組として、および温暖化対策法に基づく算定・報告・公表制度(SHK制度)における排出量のオフセット(相殺)として利用することができた。しかし、GX-ETSは、ある年に自らの排出量に対して保有する排出枠が不足した場合に、市場で流通するオフセットクレジットによって義務を履行しなければ、事業者に対して不足分の罰則を課すという点で、これまでの公的な制度とは性格が異な
る。
 そこで、本稿では国内のオフセットクレジットや証書制度を概観し、どの制度で、どのオフセットクレジット等が、どのように利用することができるかを整理する。

<特別寄稿>

分析は外注でも安心できない?(前編)― 結果を左右する「準備」の重要性(採取場所・容器)―
加藤 吉紀(内藤環境管理株式会社 研究開発部 部長)山田 悠貴(内藤環境管理株式会社 試料受付部 部長)
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 環境分析では「サンプリングが9割」と言われることがある。どれほど精度の高い分析装置を用いたとしても、採取した試料が適切でなければ、正しい測定結果は得られない。
 多くの事業所では、排出水の水質管理の一環として、生活環境項目や有害物質の分析を外部の環境測定分析事業者へ委託しているものと考えられる。また近年では、経費削減や業務効率化の観点から、試料の採取は事業所自らが行い、その試料を分析事業者へ引き渡して分析を依頼するケースも増えてきている。
 このような状況において、「分析は外注しているから安心」とは必ずしも言えない。測定結果の信頼性は、分析そのものだけでなく、サンプリングおよび試料管理の適否に大きく依存するためである。
 本稿では、排出水のサンプリングについて、採取場所の選定から採水作業、試料の保存・管理、分析事業者への引渡しに至る一連の工程を、前後編に分けて整理する。前編では主に採取場所および採取容器といったサンプリングの基礎条件を、後編では採水作業および試料管理の実務上の留意点を解説する。

<レポート>

ISO 14001:2026改訂速報
竹内 秀年(本誌編集委員会委員/(株)日本環境認証機構 研修事業本部 グループ長/日本規格協会 環境管理システム小委員会委員 同 環境マネジメントシステムJIS素案作成委員会委員)
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 ISO 14001の2026年改訂について、3月2日にISOでメンバー各国の投票が締め切られ、賛成60票、反対1票、棄権12票で「承認」となりました。4月には国際規格として正式発行、日本語版となるJIS Q 14001:2026は8月に発行予定です。
 本稿では、3月末時点での改訂の概要について速報します。今後は改訂情報の開示状況により、不定期連載の形式で記事をお届けする予定です。
脱炭素の切り札、アルミの国内循環へ
一般社団法人日本アルミニウム協会 サーキュラーエコノミー委員会
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 再生アルミニウムは新地金に対してCO2排出量が3%程度と低い一方で、アルミニウムスクラップの輸出が顕著である。サーキュラーパートナーズのビジョン・ロードマップ検討WGにはアルミニウムに関する領域別WGがあり、日本アルミニウム協会では広範囲なステークホルダと協力し、環境及び資源戦略の観点から国内循環を促進するため、制度、経済インセンティブ、技術開発、広報について検討を進めている。スクラップに含まれる不純物を低減する技術を開発することにより、水平リサイクルやアップグレードリサイクルの拡大を目指している。産業界の自律的努力に留まらず、資源安保政策の確立を目指す。

<シリーズ>

【弁護士からみた環境問題の深層/第64回】事業活動と行政指導への対応
半田 虎生(弁護士法人まちだ・さがみ総合法律事務所 弁護士/日本CSR推進協会・環境法専門委員会委員)
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 行政指導は、私人に対する任意の働きかけによって行政目的を達成しようとする手法をいい、免許等を取得する際や事業活動を営むに際して、行政庁によって利活用されている。一方で、行政指導は「任意の働きかけ」ではあるものの、それが許可・認可等やその停止・取消しといった規制権限の主体である行政庁によってなされる場合、事実上、これに従わざるをえないという効果があることは否定できない。
 そこで、本稿では、山林における太陽光発電事業と林地開発許可に関する設例を用いながら、行政指導への対応や違法な行政指導からの救済方法について検討する。
【環境コンサルタントの法令判断/第122回】欠格要件と許可取消しのタイミング~ 時系列から読み解く行政処分の実務~
佐藤 健(イーバリュー株式会社コンサルティング事業部 コンサルタント/チーフマネージャー)
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 廃棄物処理法の欠格要件は、委託先の許可取消しに直結する極めて重大なリスクです。廃棄物管理上の重要事項として正確な理解が求められます。
 今回、少し珍しい許可取消しのニュースが入ってきました。
 この事例をもとに欠格要件の該当から許可取消しとなるタイミングについて考えてみたいと思います。
【メタン、フロン等短寿命温室効果ガス対策の重要性/第5回】衛星データによるメタン等の排出状況監視
中島 英彰(国立開発法人国立環境研究所・地球システム領域・シニア研究員)
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 気候変動、地球温暖化は、大気中の温室効果ガスの濃度によって引き起こされる現象である。本稿ではまず、二酸化炭素に次いで2番目に大きな温室効果ガスであるメタンの特徴について述べる。つぎに、現在の大気におけるメタン濃度の変化について述べ、その主な放出源と消滅源について述べる。さらに、世界におけるメタンの収支を見積もる手法のうち、地上と衛星によるメタン観測の現状を述べ、それによって見積もられた国別・放出部門別のメタン放出量の見積もりとその推移について述べる。最後に、今後世界におけるメタン放出量を減少させるには、どのような取り組みが有効であるかについて考察する。
【環境担当者のための基礎知識/第98回】水質汚濁防止法における 排水口の解釈と事故時の措置実務 ― 水質汚濁防止法の基本を学ぶ
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 水質汚濁防止法における排水基準の適用範囲と事故時の措置実務を、事例を通じて解説する。法に基づく排水口は届出した形式的排出口に限定されず、裁判では公共用水域への実質的な流出地点として広く解釈される。事故時には応急措置と届出が義務づけられ、有害物質や油に加え、排水基準不適合のおそれがある生活環境項目および指定物質も対象となる。報告要否の現場判断は事業者に委ねられるが、実務上は広範に報告が求められる。漏えい事故を隠蔽する、速やかに報告しないなどは、違法になる可能性が高く、法的・社会的リスクを増幅させ、最終的に経営責任にも直結する。なお、本稿の後半では水質汚濁防止法制定の歴史や法規制の一部内容を簡単に解説した。
【新・環境法シリーズ/第169回】グアムにおける海兵隊実弾射撃訓練場整備問題 ― 環境上の影響―
鈴木 滋(法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 客員研究員/上智大学地球環境研究所 客員研究員)
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 沖縄に駐留する海兵隊のグアム移転計画に伴い、米軍は、同地において実弾射撃訓練場の整備を進めている。しかし、訓練場の整備については、グアム議会が計画延引を求める決議案を採択するなど、地元コミュニティーから環境上の影響に対する懸念が示されてきた。主な影響項目として議論されたのは、希少生物の生息地や先住民ゆかりの歴史的遺産、漁業、レクリエーションなどである。一方、訓練場の候補地周辺には内務省の所管施設があり、米軍は訓練の影響を回避するため、環境アセスメントを実施するなど、当該施設の移転計画を進めている。
【先読み! 環境法/第167回】太陽電池廃棄物の再資源化の推進に関する法律案が4月3日に閣議決定
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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 3月6日閣議決定、同日衆議院に提出された「環境省設置法の一部を改正する法律案」、4月3日に閣議決定、同日衆議院に提出された「太陽電池廃棄物の再資源化の推進に関する法律案」、同じ日に閣議決定され、同日参議院に提出された「南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案」、また、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案(3月27日閣議決定、同日衆議院に提出)、「電気事業法の一部を改正する法律案」(3月24日閣議決定、同日衆議院に提出)について解説する。
環境法改正情報(2026年3月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆消防法関係  ◆大防法関係  ◆資源有効利用促進法関係(1)~(4)  ◆オゾン層保護法関係
◆水銀汚染防止法関係(1)(2)  ◆廃掃法関係(1)(2)  ◆GX推進法関係(1)(2)  
◆労働安全衛生法関係(1)(2)
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