環境管理バックナンバー 2026年 7月号

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2026年7月号 特集:都市鉱山への挑戦

<特集>

都市鉱山の開発再び ―資源制約時代における人工鉱床構想と社会実装―
中村 崇(公益財団法人 福岡県リサイクル総合研究事業化センター センター長 東北大学名誉教授)
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 レアメタルはハイテク産業や脱炭素社会の基盤であるが、資源の偏在性と需給逼迫により供給リスクが増大している。本稿では、都市鉱山におけるレアメタル回収の現状と課題を整理し、人工鉱床(Reserve to Stock:RtoS)という概念を再認識する必要性を明確にする。この考え方を軸に資源循環の高度化を説明する。今後人工鉱床を作るという行動を通してリサイクルから戦略的資源管理へと転換し、量の確保・濃縮・蓄積を組み合わせた新しい資源循環システムを構築することが不可欠である。
「戦略的都市鉱山」の実現を目指して ―SURE技術普及推進センター(SURE PROST)の開設と 無人選別プラント(CEDESTシステム)の実証―
大木 達也(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 首席研究員)
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 筆者は、2012年に「戦略的都市鉱山」の思想を提唱し、2014年に官民連携組織「SUREコンソーシアム」を設立した。手作業を多用する現状のリサイクル工場において、今後、高純度再生原料を生み出すには、さらに人手が必要となる。当コンソで日本の未来シナリオを検討する中、リサイクル工場の高度化と省コスト化を両立させるには、選別システムの自動・自律制御化の実現が必要と判断された。そこで、2025年9月に廃小型家電・無人選別の実証プラントを、2025年12月に高度選別技術の啓発に向けたSURE技術普及推進センターを開設した。本稿では、その概要を解説する。

<特別寄稿>

令和8年度の環境省の重点施策について
環境省大臣官房総合政策課 企画評価・政策プロモーション室
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 環境省では、持続可能な成長を推進する「時代の要請への対応」と、人の命と健康を守る「不変の原点の追求」の二つのコアミッションの下、環境政策を通じた「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に向けて取り組んでいる。令和8年度重点施策については、地域の経済の持続的成長・豊かな生活環境の創出と日本の国際競争力の強化を目指し、「時代の要請への対応」の政策分野(経済、地域、国土、科学技術・イノベーション、国際)と「不変の原点の追求」の政策分野(暮らし、災害対応)の構成により取りまとめており、本稿ではそのポイントを説明する。
サステナブルファイナンス(第3回) ―排出権(量)取引―
安井 啓人(株式会社フェイガー CSO/博士(工学))
加藤 晃 (京都大学経営管理大学院 客員教授/博士(経営管理))
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 排出権取引制度(ETS)は、EU-ETS、国内GX-ETS等の拡大により、企業経営に直接影響する「炭素コスト」として本格的に機能し始めている。義務的市場の拡大はカーボンクレジット需要を急増させる一方、パリ協定第6条に基づく相当調整やホスト国のLoA発行遅延により供給は深刻に制約され、事業の予見可能性が課題となっている。製造業は、GX-ETSとEUのCBAMを通じた多面的な炭素コストに直面し、排出量の高精度把握、削減投資と調達戦略を統合した炭素コスト経営が求められ、クレジット品質への信頼確保が経営リスク管理上の重要論点となっている。ETSは政治・制度上の試練を伴いながらも、長期的な炭素価格シグナルを軸に成熟していくと考えられる。
イラン戦争とエネルギー政策のコモンセンス
有馬 純(東京大学公共政策大学院 客員教授)
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 イラン戦争とホルムズ海峡情勢を契機に、エネルギー政策における「コモンセンス」を再度、考える必要がある。戦争を理由に直ちに脱化石燃料を加速すべきとする議論があるが、それは論理の飛躍であり、備蓄強化、供給源多角化、国内生産拡大、原子力・再エネ活用を含む現実的なエネルギーミックスこそがエネルギー政策の要諦・コモンセンスである。エネルギー安全保障を重視する「エネルギーサークル」と、脱炭素を最優先する「COPサークル」の間の認識の断絶が広まっているが、世界のエネルギー・温暖化政策の政治的・社会的・経済的持続可能性を確保するためには両者の収斂(しゅうれん)が必要である。

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える76】イラン戦争後のエネルギー政策はどうあるべきか ――日欧の政策比較から考える示唆――
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授/U3イノベーションズ合同会社共同代表)
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 2026年2月28日、米国とイスラエルが、イラン国内の核関連施設・軍事施設等を空爆したのを皮切りに、エネルギー資源を取り巻く国際環境は史上最大の激動期に入ったと言えよう。当初は短期決着を見込む声もあったが、事態は収束どころか急速にエスカレートし、これまでレッドラインとされてきたホルムズ海峡の実質的な封鎖やエネルギー関連設備への攻撃へと発展している。本稿執筆時点(2026年5月12日)においても、戦闘終結に向けた交渉が成立する見通しは全く立っていない。
 この事態を国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は「我々は実際、歴史上最大のエネルギー安全保障の脅威に直面している」と表現している。「現状の危機は、2度の石油危機と1度のガス暴落がすべて合わさったようなものだ」とも述べている通り、世界の海上石油貿易の約25%、世界の海上原油貿易の約34%、世界LNG貿易の約20%が通過していた海峡が、実質的に航行不能となった影響は計り知れない。
 一方で、1970年代の石油危機当時と異なるのは、備蓄体制が構築されていたことだろう。各国の備蓄体制や精製能力を整理したうえで、本年3月以降の対応策について整理し、長期化の懸念が高まるいま、わが国が採るべき方針についての示唆を抽出したい。
【弁護士からみた環境問題の深層/第65回】海洋生物資源の保全・管理
殿井 健幸(牛島総合法律事務所 弁護士/日本CSR 推進協会・環境法専門委員会委員)
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 近年、ウナギやマグロなどの水産資源の減少が国際的に懸念されている。魚介類は、わが国の食卓を形成する重要な一部であり、水産資源の持続的利用と水産業の産業としての持続的成長を両立させる必要がある。本稿では、主にサステナビリティの観点から、特に水産業のうち漁業を中心として、関係する法的枠組みを整理し紹介する。国際法が日本の水産法務の前提となっているため、まず国際法の現状と方向性を確認した上で、国内法について概観する。
【環境コンサルタントの法令判断/第123回】うちの産廃業者、白ナンバーだけど大丈夫? ―違法白トラの利用で荷主(排出事業者)も今後処罰される!
古橋 智也(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部)
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 令和8年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法により、産廃業者が白ナンバー車両(白トラ)を使用していることへの懸念が排出事業者の間で広がっています。白ナンバー車両による無許可有償運送は、運送を行った側(白トラ事業者)が主に処罰対象でしたが、改正後は「委託した荷主側」も直接処罰されます。本稿では、国土交通省および環境省への直接確認をもとに、貨物自動車運送事業法と廃棄物処理法の両軸から実務上の判断基準を整理します。
 結論として、「白ナンバー=即アウト」ではありません。ただし、現場での積み込み実態によっては違反リスクが生じるケースがあり、注意が必要です。
【メタン、フロン等短寿命温室効果ガス対策の重要性/第6回】CFC+HCFC+HFC 一体で見たわが国の排出量、破壊量の推移
笠井 俊彦(一般社団法人フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FGRA)会長/フロン等グローバル削減研究所 代表)
中島 英彰(国立研究開発法人国立環境研究所・地球システム領域・シニア研究員)
香川 澄 (FGRA顧問/日本冷凍空調学会元会長)
清水 義喜(FGRA個人賛助会員/ダイキン工業株式会社)
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 一般社団法人フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FGRA)は、CO2以外の温室効果ガスを中心に地球全体での削減を進めることを目的にする団体である。100年地球温暖化係数(GWP100)でCO2の数千倍から1万倍を超える温室効果を持つフロン類については、気候変動枠組み条約に基づくパリ協定では、モントリオール議定書対象のCFC、HCFCが対象外とされている「国際条約の狭間に落ちた問題」があるため、温室効果ガスとしてのCFC、HCFCを地球全体として削減することの重要性を訴えてきた。
 これを分かりやすく示すため、様々な限界があるが、公表データを基に、日本のCFC+HCFC+HFCの排出の全体像に迫ろうと、2018年以降図3のようなグラフを公表してきた。公表データ間の齟齬など課題はいろいろあるが、わが国においても1995年末で生産輸入が禁止されたCFCが現在でもかなりの量が排出されている可能性が明らかになってきた。
【環境担当者のための基礎知識/第99回】集じん装置の基礎知識 ―サイクロン、電気集じん機、バグフィルターの解説
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 「スモッグ」という言葉は1905年に英国で生まれたが、数千人が犠牲になった1952年のロンドン大気汚染事件、さらに日本の光化学スモッグが示すように、大気汚染は深刻な健康被害をもたらしてきた。重力・遠心力、静電気、ろ過といった多様な分離技術は、規制強化とともに高度化し、現在ではPM2.5やVOCなど有害化学物質への対応が不可欠となっている。さらに、AI・IoTを活用した設備診断やハイブリッド化により、省エネと高効率を両立する次世代技術も登場している。
 本稿では、大気汚染防止法の施行状況を踏まえつつ、サイクロン、電気集じん機、バグフィルターといった代表的な集じん技術の原理と進化を体系的に解説するとともに、現場の課題と最新動向を踏まえ、実務に直結する分かりやすい基本的知識を提供する。
【新・環境法シリーズ/第170回】欧州における『修理する権利』法制化に向けた動き 日本の環境法への示唆
一原 雅子(京都大学大学院法学研究科附属法政策共同研究センター・環境と法ユニット 特定助教)
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 近時、修理する権利に関する国際的な議論が高まっている。欧州では2024年に物品の修理を促進する共有規則に関する指令案が採択され、修理する権利の保障を促進するためにメーカーの修理義務が強化された。EU加盟国は2026年7月末日までに同指令を罰則付きのものとして国内法制化することを義務づけられている。
 本稿では修理する権利論の背景にある問題状況を確認したうえで概要を説明し、環境法的な文脈でこの権利を位置づけている欧州に対象を絞って、近時の法制化に向かう流れを追った。そのうえで、修理する権利論が日本の環境法に持つ示唆や妥当性を検討した。
【先読み! 環境法/第168回】2026年4月10日閣議決定、同日衆議院に提出(221回特別国会)された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」について
小幡 雅男(元 大阪学院大学 教授)
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 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」2026年4月10日閣議決定、同日衆議院に提出(221回特別国会)となった経緯、意見具申について、また、有価物規制に踏み込んだ要適正保管使用済金属・プラスチック物品の保管業及び再生業に係る許可の規定について解説する。
 
1:「 廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」2026年4月10日閣議決定、同日衆議院に提出(221回特別国会)― 廃棄物処理法の性格が変化― 有価物規制へ踏み込み―
2:有価物規制に踏み込んだ要適正保管使用済金属・プラスチック物品の保管業及び再生業に係る許可の規定
環境法改正情報(2026年4月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆化審法関係  ◆安衛法関係(1)~(5)

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