環境管理バックナンバー 2026年 10月号

記事を検索

キーワードで記事の検索ができます(例:GX カーボンプライシング)

バックナンバーの閲覧 / 冊子版の購入

  • ログインはこちら
  • 『環境管理(冊子版)』を購入
  • 協会会員の方は、記事全文をPDFファイルで閲覧ができます。
    ログインしてご利用ください。
  • 各号の概要の閲覧、冊子版の購入はどなたでも
    ご利用いただけます。

2026年10月号 特集:大阪万博の建築物のサーキュラーエコノミーへの取り組み

<特集>

大屋根リングをGREEN×EXPO 2027へ ~大阪・関西万博のレガシーがGREEN×EXPO 2027のレガシーに~
野口 浩(鹿島建設株式会社 環境本部 本部次長)
▼概要文表示
 鹿島は、大阪・関西万博の大屋根リングの部材を譲り受け、2027年に横浜で開催される2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)に出展する、高さ約60mの木製タワー「KAJIMA TREE」に再利用する。本稿では、この部材転用のサーキュラーエコノミーにおける意義と、導入された最新技術を紹介する。
EARTH MARTにおける自然循環素材である茅材のサーキュラーエコノミーの取り組みについて
大原 信成(大成建設株式会社 営業総本部 営業推進・ソリューション本部)
▼概要文表示
 大阪・関西万博のテーマ館のひとつであるEARTH MARTは食の循環を伝える展示を通じて食のみならず建築も含めた持続可能な取り組みを未来に継げることの意義を問い直した。本稿では、特にその外観を特徴つける茅葺き(かやぶき)屋根の茅をパビリオンの屋根材に利用した意義、また日本各地からの茅材の調達と今までにない鉄骨下地に対する茅材の施工、そして大阪・関西万博閉幕後の茅材の再利用に向けた設計・施工時の工夫と再利用のプロセスおよび若い茅葺き職人による茅葺き文化の継承の取り組みについて紹介する。
建築を終わりから考える ―大阪・関西万博「森になる建築」と建築の寿命―
山崎 篤史(株式会社竹中工務店 大阪本店 設計部 シニアチーフアーキテクト)
▼概要文表示
 大阪・関西万博に休憩所としてつくった「森になる建築」は、植物由来の生分解性樹脂を3Dプリントした構造体と、種を漉(す)き込んだ和紙でできている。
 この建築が示すのは、最新の3Dプリント技術の目新しさや素材の可能性ではなく、「建築を終わりから考える」ということである。建築の完成時だけを語り、終わりから目を背ける限り、再生技術がいくら高まろうと循環型社会は実現しない。必要なのは、地球の循環の一部として建築の終わり方を考え、そこからデザインすることだ。
 本稿では、「森になる建築」で思考してきたことを通じ、建築の寿命とその終わり方までを設計することの意味を考察する。

<特別寄稿>

気候変動影響評価報告書の公表及び気候変動適応計画の改定に向けて
小穴 倫久(環境省 地球環境局総務課 気候変動科学・適応室 室長補佐)
▼概要文表示
 環境省は、気候変動の影響を総合的に評価した「第3次気候変動影響評価報告書」を公表した。本報告書では、最新かつ広範な科学的知見を反映し、影響の重大性の評価を2段階から3段階に細分化等するとともに、特に優先的に対応が必要な気候変動影響を明らかにした。今後、本報告書の内容等を勘案して、令和8年度に政府の気候変
動適応計画について改定を予定している。次期計画では、関係主体の行動変容を促し、気候変動適応の実践につなげていくことに重点をおいた基本戦略に刷新し、気候変動適応に関する分野別施策及び基盤的施策を推進していく方針である。

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える77】廃止申請済み原子力発電所の再活用を考える ―米国の事例を踏まえて―
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授/U3イノベーションズ合同会社共同代表)
▼概要文表示
 2024年度、わが国の電力需要が増加に転じたことは、電力政策に大きなインパクトをもたらした。それまで15年近く、COVID-19のパンデミックに伴う電力需要急減からの回復など特殊事情を除いて、電力需要は減少し続けてきた。人口減少や産業の生産量縮小・海外移転など複数の要因が背景にあり、わが国の電力自由化は、減少する電力需要を前提に効率性の向上を主目的として行われた。しかし電力需要増加局面への転換を受けて、供給力確保が喫緊の課題となっている。
 半導体製造事業を巡る競争や生成AIの利用の拡大のスピードは極めて早く、電力不足という制約を避けることは極めて難しい。あらゆる手を尽くす必要がある中で、米国では、廃止申請済みの原子力発電所の再活用が進められている。関連法令が想定していなかった廃止申請済みの原子力発電所の再活用の可能性について、米国がどのように対処したのかも踏まえて考察する。
【弁護士からみた環境問題の深層/第68回】化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律における第一種特定化学物質の取扱規制
町野 静(弁護士法人イノベンティア 東京事務所 弁護士/日本CSR推進協会 環境法専門委員会委員)
▼概要文表示
 近年、PFASをはじめとする有害化学物質の有害性の認識に伴い、化審法では第一種特定化学物質の指定が相次いでいる。2026年5月には長鎖PFCA関連物質、クロルピリホス及びMCCPが新たに第一種特定化学物質に指定された。本稿は、化審法の国際的背景であるストックホルム条約との関係や国内化学物質法制上の位置付けを整理した上で、第一種特定化学物質に対する製造・輸入・使用規制の内容を解説する。また、「化学物質」と「製品」の区別、化学物質の「使用」の意義、BAT報告制度の実務運用など事業者が直面する主要論点を取り上げる。事業者においては、今後の化学物質法制の変更を見越して、サプライチェーンを通じた情報管理と化学物質リスク管理の高度化が重要となる。
【環境コンサルタントの法令判断/第126回】代替情報が記載されたSDSは、どう読めばいいのか?
古橋 智也(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部 マネージャー)
▼概要文表示
 2026年4月、化学品のSDS(安全データシート)の記載ルールに大きな変更が加わりました。一定の条件を満たす場合に限り、成分名を「営業秘密」として代替化学名等に置き換えて通知できる制度が始まったのです。この制度はSDSを作る側(化学物質メーカー)が満たすべき要件として語られることが多いのですが、多くの事業場が直面するのは、受け取ったSDSをどう読むかという実務上の問題です。届いたSDSに見慣れない名称が並んでいたとき、現場は何を確認すればよいのでしょうか。結論を先に言えば、伏せられるのは成分名だけであるため、危険有害性や取扱い上の注意はこれまでどおりSDS上で確認していく必要があります。
【メタン、フロン等短寿命温室効果ガス対策の重要性/第9回】インバースモデルで見た違法フロン排出の最近の状況
中島 英彰(国立開発法人国立環境研究所 地球システム領域 シニア研究員)
▼概要文表示
 南極オゾンホールの発見後、オゾン層を破壊する原因物質である特定フロンCFCはモントリオール議定書によって生産と輸出入が規制され、代替物質への転換が進み、2010年をもって全世界的にその生産と輸出入が禁止されている。ところが2013年以降のハワイ・マウナロアでの大気中濃度の観測データに、特定フロンの一つであるCFC-11の減少スピードの鈍化が見いだされた。2014~2017年の間の韓国と日本の観測データを基にしたインバースモデル計算により、中国東部におけるCFC-11の違法な放出が指摘された。その結果、2018年以降この違法なCFC-11の放出は急速に減少し、2020年には2012年以前とほぼ同じ値にまで低下した。今回の例は、世界各地における各種大気成分のモニタリングの継続と迅速な報告が、結果的に中国政府や中国工業界へ強く働きかけ、オゾン層回復を遅らせかねないだけではなく、CO2の6,000倍以上の温室効果のあるフロンの違法放出を停めることが出来た出来事であった。
【環境担当者のための基礎知識/第102回】リサイクル戦略の落とし穴に注意 ―フェロシルト事件、偽装発覚で500億円規模の回収費用
大岡 健三
▼概要文表示
 大手の化学会社は、製造工程で発生する廃液や汚泥を加工し、埋め戻し材の「フェロシルト(認定リサイクル製品)」と称してトン150円で販売した。これにより、本来必要となるトン9千円前後の処分費を回避できる億単位の経済的メリットを得た。しかし、すぐに基準を超える六価クロムなどが検出され、埋戻し材などの大規模回収を余儀なくされた。
 有害物質を含む廃棄物を有価物と称して販売する際に、単価150円を大きく上回るトン3千~4千円を用途開発費等の名目で相手業者へ支払っていたため、裁判では、フェロシルトは実質的に産業廃棄物であり、その搬出・販売は廃棄物処理法違反に当たると判断された。
 その結果、刑事事件では工場幹部には懲役2年などの実刑判決、会社には5,000万円の罰金刑が科された。さらに民事では、各地に埋設した約72万トンの埋め戻し材により汚染された土砂などを含む総量187万トンの回収費用が少なくとも486億円に達したため、開発や製造・出荷等を主導した元副工場長に約486億円、社長および工場長(相続人が承継)に、それぞれ約254億円、約102億円の損害賠償を命じた。
 本稿では、234ページの大阪地裁判決を中心に、事件の経緯と廃棄物該当性、刑事・民事上の責任を整理する。さらに、資源循環・リサイクルを進める企業に求められる法令順守、品質保証、内部統制、取締役の監督責任などについて考察する。
【新・環境法シリーズ/第173回】ESG 規制の形成と展開 ―EUと英国の事例からみる地域制度と国内実装―
中村 明寛(IOM Law 上級アナリスト)
柳 憲一郎(明治大学 名誉教授)
▼概要文表示
 本稿では、ESG規制の形成と発展を、EUと英国の事例から考察した。EUの地域制度と英国の国内実装を比較し、ESG制度が国際基準、地域制度および国内法の相互作用によって形成されることを示すとともに、その形成過程が単なる個別規則から法律への直線的な置き換えではないことを理解するための八つの局面を明らかにした。さらに、この局面の相互関係性を整理し、アジア太平洋地域への示唆を考察する。
【先読み! 環境法/第171回】電気事業法改正による大規模送電線の整備促進措置と第7次エネルギー基本計画
小幡 雅男(元 大阪学院大学 教授)
▼概要文表示
 電気事業法改正により導入された大規模送電線・大規模電源の整備促進措置について、その導入に至る経緯、改正の概要を整理・解説する。次に第30回環境法政策学会のシンポジウム「環境政策における法的思考の意義」を取り上げ、大会当日の企画趣旨「環境政策における法の支配の向上に向けて(総論)」と一部の個別報告の予縞集を引用して、筆者の問題意識について述べる。
 
1 電気事業法改正による大規模送電線の整備促進措置と第7次エネルギー基本計画
2 第30回環境法政策学会のシンポジウム「環境政策における法的思考の意義」について大会当日の企画趣旨「環境政策における法の支配の向上に向けて(総論)」の問題意識
環境法改正情報(2026年7月改正分)
坂田 純(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
▼概要文表示
◆作業環境測定法関係  ◆建築物省エネルギー法関係  ◆下水道法関係  ◆環境影響評価法関係  ◆水素社会推進法関係
出版物の購入・ご案内

ページの先頭へ戻る