環境管理バックナンバー 2026年 11月号

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2026年11月号 特集:ネイチャーポジティブにおける評価手法

<特集>

自然の状態(State of Nature)評価の国際動向と課題
高川 晋一(公益財団法人 日本自然保護協会 自然のちから推進部主任)
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 私たちの暮らしや産業は、目に見えないところで「生物多様性」に支えられている。一方、現在深刻な生物多様性の喪失が生じており、気候変動に次ぐ第2の経済リスクとして取り上げられるなど、危機感が増大している。このような背景のもと、2030年までのネイチャーポジティブの実現が世界目標として決議され、TNFDなど企業の自然関連情報開示の義務化に向けた動きが進んでおり、世界的な関心は非常に高い。その中において、複雑な生物多様性をどのように評価するかの評価手法の国際的な標準化については大きな課題のまま、保留の状態とされてきた。
 本稿では、企業の自然情報開示に利用可能な指標の整理を目的として組織されたネイチャーポジティブ・イニシアティブ(NPI)が開発する「State of Nature Metrics(自然の状態を図る指標)」についての現在の進行状況を解説する。また、指標を用いることになる企業が抱える課題と、日本自然保護協会での企業支援の取り組みを紹介し、今後取り組むべき価値共創型の環境管理について述べる。
Global Nature Positive Summit 2026に参加して
本誌編集部
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 2026年7月14~15日に掛け、Global Nature Positive Summit 2026が熊本城ホールにて開催された。

 本レポートでは、2日間にわたり行われた企業や行政など様々なステークホルダ間で行われたパネルディスカッションについて、その一部を本誌編集部が聴講、整理したものとして紹介する。

ネイチャーポジティブを測る「Japan Biodiversity Metric」について
江幡 大地(大成建設株式会社 クリーンエネルギー・環境事業推進本部 自然共生技術部)
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 近年、ネイチャーポジティブに関する取り組みが活発化し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に代表されるように国際的な枠組みも整備されはじめている。今般、大成建設が公表した「Japan Biodiversity Metric」は、建設業におけるネイチャーポジティブを測ることを目的に開発された手法であり、生物多様性を支える基盤である生息場の価値を定量的に把握する新たな評価アプローチである。本稿では、当該手法の内容について解説するとともに、海外の動向を踏まえた評価の活用方法等について考察する。

<特別寄稿>

SSBJ基準に基づく制度開示・保証およびGX-ETS第2フェーズにおける届出報告・確認に備える
斎藤 和彦(KPMGあずさサステナビリティ株式会社 パートナー/代表取締役)
金子 真理子(KPMGあずさサステナビリティ株式会社 マネジャー)
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 わが国では、時価総額5,000億円以上の東証プライム市場上場企業を対象に、SSBJ基準に基づくサステナビリティ関連財務情報の開示が早ければ2027年3月期から求められることとなり、その情報に対する保証も義務化されることとなった。対象企業にとってSSBJ基準に基づく開示・保証は初めての経験であり、2026年4月からのGX-ETS第2フェーズが第1フェーズより複雑かつ厳格であることも踏まえると、留意すべき点をイメージすることは容易ではないと考えている。
 本稿では、それぞれの制度の概要を解説し、これまでの任意開示・保証または第1フェーズとどういった差異があるのか、準備を進める上での留意点がどこにあるかを中心に述べる。

<レポート>

公害の原点・水俣を訪ねて
本誌編集部
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 代表的な公害問題である水俣病に関して、本誌編集部では、熊本県にある水俣市立水俣病資料館、水俣病情報センターの展示を見学し、また国立水俣病総合研究センター、水俣病情報センターの方々よりお話を伺った。水俣病の公式確認から70年の年にあたり、改めて水俣病の全体像を整理してみた。

<シリーズ>

【弁護士からみた環境問題の深層/第69回】2026年廃棄物処理法改正によるヤード業者規制のポイントと今後の資源循環 ...再生材サプライチェーンの強靭化に向けたビジネスの活性化
佐藤 泉(佐藤泉法律事務所 弁護士/日本CSR推進協会・環境法専門委員会委員)
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 2026年6月12日成立した廃棄物の処理および清掃に関する法律改正(以下「2026年廃棄物処理法改正」という。)により、同法の第一条の目的規定に、適正保管・適正再生が必要な使用済金属・プラスチック物品(以下「規制対象物品」という。)に対する規制を追加した。廃棄物だけではなく、有償売却される一定の使用済物品を廃棄物処理法の規制対象とする重大な改正である。この改正部分は、公布日から2年6カ月を超えない範囲で施行されるため、遅くとも2028年末には施行される予定である。
 なぜ廃棄物以外の使用済物品に対して、廃棄物処理法による規制強化が必要となったのか。新たな規制対象物品は今後どのように運搬、保管、再生加工され、誰に供給されていくのか。また、従来から対象物品を扱っていた買取業者、再生事業者、売主(排出事業者)、産業廃棄物処理業者、再生材を利用する製造事業者等にどのような影響を与えるのであろうか。改正の背景とその実務的影響を検討する。
【環境コンサルタントの法令判断/第127回】廃棄物管理を外部委託できるのか?メリットと注意点
佐藤 健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部 コンサルタント/チーフマネージャー)
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 廃棄物管理の担当者は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の入力や返送確認、委託契約書・許可証の期限管理、実地確認記録の整理まで、多くの事務作業を抱えています。こうした事務作業は、どこまで外部に任せられるのでしょうか。ここでは、収集運搬・処分そのものの委託ではなく、廃棄物管理に関する事務作業・情報整理の支援を「事務の外部委託」として、任せられる範囲と自社に残る責任を整理します。
【メタン、フロン等短寿命温室効果ガス対策の重要性/第10回】ベトナムのフロン法整備の動向と並走するMZ VINAの取り組みの動き
羽田 大剛(MZ VINA 代表)
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 フロン類は、日本では法律規制により適切回収が進められている一方、諸外国では法律が存在せず、不要になった空調・冷凍冷蔵機器の廃棄時において大気にそのまま放出されてしまう現状が未だ続いている。この課題解決に向けた先駆例として、2025年11月号にて、ベトナムにおけるアジア諸国内で先駆けてのフロン類の回収に関する法律制定、および環境問題解決に向けて国が推進している取組などを紹介した。本稿では、2023年6月よりベトナムホーチミンにてフロン類の適正回収・処理の実現に向け並走してきたMZ VINAの活動と合わせて、改めてベトナムでの法制度・技術規則・課題面をおさらいしつつ、1年間での動向や新たな課題までを述べる。
【環境担当者のための基礎知識/第103回】土壌汚染対策法の基本知識―改正法の検討事項と法制定時のパブリックコメント
大岡 健三
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 土壌汚染対策法は、汚染した土壌をすべて浄化することを目的とした法律ではなく、特定有害物質による「健康リスク」を把握し、そのリスクに応じて汚染土壌を適切に管理することを基本としている。調査や届出も一定の契機に限定され、基準超過が判明しただけで直ちに法的措置が必要となるわけではない。土地利用・形質変更などに制約を受ける区域指定では、汚染土壌を搬出する際に移動・処理についても規制を受ける。しかし、台帳によって、汚染情報と対策内容を明確にして将来の土地利用リスクを管理する側面がある。一方、法改正による制度の複雑化、自治体間の運用差、土地履歴や有害物質使用情報の散逸などが実務上の課題となっている。今後は、汚染情報の確実な承継など、より合理的な制度への見直しが期待される。
【新・環境法シリーズ/第174回】予防原則の展開と国際環境法
長谷 敏夫(ゲント大学)
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 深刻化する環境問題に対応するため予防原則が主張され発展してきた。環境をめぐる外交交渉や国際会議での議論に予防原則(予防的アプローチ)の主張が現れ、議論を経て総会決議や条約により予防原則が採択され、さらに国際裁判で解釈が行われてきた。2026年8月の時点で予防原則は慣習法としても確立されたと考えることができる。そして福島第一原発から出る放射性汚染水の海洋排出に関する決定において環境アセスメント、近隣国との協議、関係市民の参加(手続き的環境権)とともに予防原則の適用が国際法上要求されると考える。
【先読み! 環境法/第172回】気候変動の経済政策への転換と循環経済の推進、経済産業省・環境省の組織改革
小幡 雅男(元 大阪学院大学 教授)
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 気候変動の経済政策への転換と循環経済の推進、経済産業省・環境省の組織改革について、特に「GX-ETSの開始」「循環経済の政策」に注目しつつ解説し、合わせて「拡大生産者責任を含めた検討」が盛り込まれた221回国会成立の太陽電池廃棄物再資源化推進法に対する参議院環境委員会の附帯決議、および土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議の提言(2026年8月7日)について紹介する。
 
1 気候変動の経済政策への転換と循環経済の推進、経済産業省・環境省の組織改革
2 GX-ETSの開始
3 循環経済の政策
4「拡大生産者責任を含めた検討」が盛り込まれた221回国会成立の太陽電池廃棄物再資源化推進法に対する参議院環境委員会の附帯決議
5 土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議の提言(2026年8月7日)
環境法改正情報(2026年8月改正分)
坂田 純(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆下水道法関係(1)(2)  ◆廃棄物処理法関係(1)(2)

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